プレジデンツカップが終了し、松山英樹の2016-2017シーズンの幕が閉じた。賞金王は惜しくも逃したが、シーズン3勝と充実したシーズンを送った松山英樹。その一年間の活躍を、松山の解説を間近で見てきたトーナメント解説でおなじみのプロゴルファー、レックス倉本に聞いた。

ゴルフが二回りも大きくなった今シーズン

みんなのゴルフダイジェスト編集部(以下、編集部):2016-2017年シーズンを振り返って、松山選手の総括をお願いします。

レックス倉本(以下、倉本):一年を振り返ったら、やっぱりゴルフが一回り、二回り大きくなりましたね。特に全米プロ選手権の後、松山選手は調子を崩してしまいましたが、一番調子の悪いとき=最下点でも、去年の一番悪いときよりも全然上にいますよ、だから、一回りも二回りも大きくなったのは間違いないんですよね。

編集部:ゴルフが大きくなった要因はどこにあると感じますか?

倉本:まず、体自体が大きくなったということがありますよね。大きな体を活かしたスウィングができるようになった。これは間違いなくあるでしょう。あとは、スウィング的なことを言うと、アウトサイドから入ってくる度合いが少なくなりましたね。昔はアウトサイドから入りすぎた手を強靭な力でプレーンに戻しながら打っていました。もちろん、その動きはまだあると思いますが、大分その差が少なくなっていると思います。

編集部:松山選手の大きなフォローを見ると、柔軟性も高いように見えますが?

倉本:柔軟性が高いので、トップで一呼吸置くような動きができるのでしょう。あの柔軟性があるから、松山選手独特のトップで一呼吸し、ダウンスウィングを始めるというのができるんでしょうね。

画像: HSBCチャンピオンズ、ヒーローワールドチャレンジ、フェニックスオープン、WGCブリヂストン招待と今シーズン4勝を挙げた(写真:2017年WGCブリヂストン招待 最終日)

HSBCチャンピオンズ、ヒーローワールドチャレンジ、フェニックスオープン、WGCブリヂストン招待と今シーズン4勝を挙げた(写真:2017年WGCブリヂストン招待 最終日)

編集部:USPGAツアーの中でも、トップ選手という位置が確立されたように感じます。

倉本:間違いないですよね。今回(プレジデンツカップ)、練習場で打っている姿を見ても、インターナショナルチームだけではなく、アメリカチームが松山選手をリスペクトしていますね。

編集部:それはどの辺から感じられましたか?

倉本:調子が悪い選手や自信がない選手というのは、練習場の端っこで打つんですよ。しかし、松山選手はむしろ人が入ってくる動線の一番手前でボールを打つんですよ。もちろんそこが一杯だったら他に行きますけど、そこで打つのを全く物怖じしないんです。後ろを通る選手も松山選手に何か一言声をかけて通る姿を見て、そう感じました。

編集部:お客さんも松山選手に対する反応も良いですよね?

倉本:いいですよね。ゴルフファンに“ヒデキ”という名前が浸透していると感じます。

編集部:プレジデンツカップでは、最終日に“天敵”とも言えるPGAツアーの年間王者、ジャスティン・トーマスを破りました。

倉本:松山君本人も「今の状態の中で、最後だからできることをやった」と言っていました。松山君のプレーを見ていると、たとえば優勝したフェニックスオープンにしてもそうなんですが、優勝争いに絡む最後の最後までなりふりかまわずゴルフをしないんですよ。なんていうか、自分が求めているものを(試合の中で)練習しながら、それに微調整を加えて戦っていくタイプなんですよね。ところが、優勝争いになるとそんなことお構いなしにプレーするようになるんです。(トーマスとのマッチプレーでは)絶対勝つんだっていう、なりふりかまわず自分のスウィングが変わってもぶっ壊れてもいいからっていう気迫を感じました。

編集部:来季の松山選手はどんな目標を持ってツアーに臨むと思いますか?

倉本:もちろん、「メジャー制覇」という期待が一番大きいです。また、松山選手というのはプロになる前からも同じですが、目標を作って、それに向かって練習していきますよね。それをずっと貫いている選手ですから、今回も一旦シーズンが終わり一段落した後、恩師である阿部靖彦監督(東北福祉大学)に仰いで、次の目標をまた設定して気持ちを切り替えて、ツアーに臨むのではないでしょうか。

編集部:学生の頃からアジアパシフィックアマを優勝してマスターズに出場し、そこでローアマ(最優秀アマチュア)を獲得するなど、目標を一つずつ達成してきているということですよね。アメリカに行っても変わらず、毎年レベルアップ続けているといったところでしょうか?

倉本:そうですね。ここ2年間は体を作るということやショートゲームに相当力を入れてきたと思うんですよ。それにだいぶ目処がたってきて、さあこれからどこに向かっていくのかなと。このまま継続するかもしれませんし、ひょっとしたら新しいものがあるかもしれません。それはまた、ゆっくりと自分で振り返って分析してから冷静に決めるのではないかと思います。

写真/姉崎正

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