「ロングアイアンとミドルアイアンは構造も素材も違うし、シャフトの長さも違う。同じ5番でもロングアイアン(LX)とミドルアイアン(MX)では飛距離が10ヤード違う。
LXのロフトが28度、MXが27度と、MXの方がロフトが立っていても、素材やシャフトの長さでこれだけ違ってくるんです」

4番と5番、重複した番号を押し通した裏には、近頃のストロング設計や、番号とロフトに食い違いを見せるクラブと同列に考えてもらいたくないという考えがある。
「このインテストは、ロフトに関して何も特別なことをしていない。あくまでもヘッド素材の特性や構造の相違によって1番手違ってくるんだ、という点を主張したかった」
標準的な9本セットの組み合わせは、ロングアイアン(LX)3~5番、ミドルアイアン(MX)5~7番、ショートアイアン(SX)8~PWだという。
「このようなクラブは、昔なら作れなかったと思う。発想はあったとしても、素材の問題もあるし、ユーザーも受け入れてくれないでしょう。
その意味でハイテクが生んだ典型的なクラブだと思うし、ユーザーの意識も随分かわってきている」

近いターゲットを狙うには自然に前かがみになる(図左)
1インチ長く作られているLXはスウィングしやすい姿勢を与えてくれる(図右)
取材の最中に一通のファックスが送られてきた。発信人はある(有名な)トーナメントプロである。
文面を読ませてもらったら『ロングアイアン(LX)の1番を使用したい』。オフに試打してみたい、ということらしい。
昔ならオモチャとして見向きもされなかったようなクラブをベテランプロが使用してみたがる。これは大きな時代の変化だ。

(1989年チョイスVo.46)
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