「親父のおさがり鑑定団」では、過去モデルではあるものの、未来に継承したいそのクラブにまつわるエピソードを紹介する。今回紹介するのは、1992年発売のダンロップ「マックスフライ DP-201」。
ダンロップ「DP-201」
ヘッドはオーソドックスな形状で、ネックは90年代プロモデルの主流となったストレート。先代と比べてヒール側が高くなり、もともと長いネックと相まって高い位置にある芯をダウンブローで打つ技術が求められた。
その人気は9年間衰えなかった
80年代のダンロップを象徴するモデルが「プロモデルDP-201」。ミズノ、ブリヂストンと並ぶ和製アイアン御三家のひとつで、伝統的なブレードアイアンの打感を踏襲しながら、様々なプロの好みを加えて使いやすく作られている。とはいえ、アベレージクラスにとっては難しいアイアンだった。自動車のCMではないが、「いつかはプロモデル」と憧れられた存在であったからこそ、これらのプロモデルの価値は高かったのだ。
プロモデルの「DP-201」は92年、「マックスフライ DP-201」となってリニューアルされた。傍目には、ブランド変更に伴う化粧直しに過ぎないと思われたが、実は微妙に顔つきが変えられていた。旧モデルと比べると、ストレートネックで、ヒール側がガッシリしたイメージになったのだ。
つかまり過ぎを嫌った“逃げ顔”は、90年代頃の日本のプロモデルに多く見られたデザインで、御三家のふたつ、ブリヂストンのジャンボ尾崎モデル、ミズノの中嶋常幸モデルの影響をありありと受けていることが分かる。
プロの意見や好みと時代の流れを上手く取り入れた「DP-201」は、旧モデルも含めて9年間、ゴルファーが憧れ続けたアイアンとなった。
※月刊ゴルフダイジェスト2013年10月号より
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