ゴルフ未経験の高校生ツアーキャディ・日曜(にちよう)の活躍を描いた伝説の漫画「カラッと日曜」には、ゴルファーの心に沁みるアドバイスがてんこ盛り! 今回は、日曜がアマチュア優勝を目指す少女「ひめね」のキャディをした際の一言。ティショットのミスを取り返そうとする少女に、日曜が放った一言とは⁉︎
ティショットのミスをギャンブルショットで取り返そうとする「ひめね」だが……

優勝争い真っ最中。少女は痛恨のティショットミスを、なんとか「取り返したい」と願う
日曜はこう素朴な疑問を口にする

成功確率は低いのに無謀にも挑もうとする心理が、日曜には理解できない
ミスを「次の一打」で“取り返す”必要って、本当にあるのだろうか。

なぜ、「前の一打」を「次の一打」で取り返さなくちゃいけないの? 「次の次」でも「次の次の次」でも「次の次の次の……」でも、いつでもいいのだ。前のショットをミスしたことは、次のショットで破滅するための理由にはなりえない
一打のミスは、一生かけて取り返せばいい⁉︎


一打のミスで仮に勝利を逃したとしても、一打のラッキーで勝利をつかむこともある。それがゴルフだ
ミスは「1打」。取り返そうとしてミスにミスを重ねたら……何打?

その通り。ひとつのミスは1打、せいぜい2打を支払えば済む。しかし、無謀なゴルフが支払う代償はそれどころではい
ゴルファーはミスをする。タイガー・ウッズだろうが松山英樹だろうが僕らだろうが、ミスをする。肝心なのはミスしたあと。「そのミスを取り返す!」と考えると、ゴルファーはつい林からグリーンを狙ってしまう。ラフからピンを狙ってしまう。ファーストパットにパンチが入ってしまう。それらはすべて、成功確率の低いギャンブル。賭けに負けると、一打で済んだはずのミスの代償が、2打、3打とどんどん増えていってしまう。
ギャンブルは一度ハマるとなかなか抜け出せないのと一緒で、「ミスを取り返す」ことを目的としたギャンブルショットもクセになる。「こないだのラウンドでは裏目ったけど、今回こそは……!」そう考えて、僕らは年間の、否、人生の平均ストロークの数字を悪くしていく。
ミスの後にはナイスがくる。不運の後にはラッキーがくる。一打のミスを取り返そうと考えず、「いつか取り返せるだろう」と考える。それが「人生の平均ストローク」を良くするコツなのだ。