234ヤードをナイスオン! 「黒田カントリークラブ」さんの動画は本当か?
キャロウェイの新作フェアウェイウッド「スティールヘッドXR」の男女ツアーでの評判がやけにいい。となればアマチュアの我々も打ってみたくなるのが人情。しかもこのクラブ、3番ウッドで5番ウッドの長さという大きな特徴があるという。さてどんなテストをするかと思案していたら、ある動画を発見した。
Steelhead XR フェアウェイウッドお助け隊 3番ウッド編
youtu.beお笑い芸人の黒田カントリークラブさんが、残り234ヤードのフェアウェイから、スティールヘッドXRの3番ウッドで見事2オンに成功するというもの。動画によれば、ショートレングス仕様であるため3番ウッドでも5番ウッドの打ちやすさであり、それでいて弾きの良いフェースカップを採用したことで、飛距離性能も落ちていないという。
実際、以前藤田光里に取材した際、「(スティールヘッドXRの3番ウッドは)ドライバーより飛んでるかも……」というコメントを聞いている。藤田の使用ドライバーは2017年最大のヒット作といっていい「GBBエピック」。無論条件次第ではあるだろうが、“EPIC超え”の可能性まであるとなったら、これはもう打つしかない。
短いのに打ちやすい! これって一体、なんで!?
さて、動画では一発しか打っていないが、たった一発ではラッキーパンチ、まぐれ当たりの可能性もある。より多くのデータを集めるため、動画と似たようなシチュエーションから、試打者にスティールヘッドXRの3番ウッドと試打者のマイクラブ(3番ウッド)を10発ずつ打ち比べてもらった。

芝付きのいい広々としたフェアウェイから、気持ち良くカッ飛ばしてテストした
試打者はゴルフ大好きイラストレーターの野村タケオさん。唐沢ゴルフ倶楽部三好コースの18番ホールのグリーンまで残り230ヤード地点でテストした(ボールはキャロウェイのクロム ソフト Xを使用)。
さて、試打を終えた野村さんが結果をイラストにまとめてくれたので、もったいぶらずにいきなりお見せしよう。こんな感じだ。

スティールヘッドXRのほうが_、総じて5〜10ヤード飛んでいた!
マイクラブでもグリーンをとらえたショットはあったが、平均すればスティールヘッドXRのほうが「前」に行っているのは明らか。たしかに、短いのに飛ぶ! 野村さんは言う。
「やっぱり、短いと振りやすいんですよね。実は最初の数発は、短いから球が上がりにくいだろうと思って、スウィングで上げようとしていたんです。そうすると、かえって飛ばない(笑)。でも、『このクラブ、短いのにボールがよく上がるぞ!』って気づいてからは、スウィングも良くなって、グリーンオン連発でした」

最長不倒は驚異の240ヤード! ヘッドスピードは39.5メートル/秒だから、弾きの良さがうかがえる
「現在使っている某社の3番ウッドもいい顔しているし気に入っている」という野村さんだが、打ち比べると5〜10ヤードスティールヘッドXRのほうが飛んでいる。繰り返しになるが、“短くて、打ちやすいのに飛んでいる”というのが大きなポイントだ。
実際、この日の最長不倒はなんと「240ヤード」。まさにドライバー級の飛距離だ。それで5番ウッド級のやさしさなんだから、これはフェアウェイウッドが苦手なゴルファーには本当にありがたい。
キャディバッグの“お飾り”じゃない。“使える”3番ウッドだった
なぜ短いのに飛ぶのか。試打に立ち会ったみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修はこう解説する。
「一番はやはり短くて打ちやすくい分ミート率がアップするということ。さらに、弾きの良さも見逃せません。また、このクラブはスピン量が絶妙。ボールを上げつつ多すぎず少なすぎない適正スピンで前へ飛ばす、そのさじ加減が上手いから、打ちやすいのに飛ぶ弾道になるんです」

構えた見た目も秀逸。往年の名器「スティールヘッド」「スティールヘッドプラス」のエッセンスを色濃く受け継ぎつつ、時代に合わせて大型化している
中村は、このクラブを「飾りじゃなくて、使える3番ウッド」と形容する。
「プロの世界では280ヤードを3番ウッドで狙う時代ですが、アマチュアならば『トッププロマイナス50ヤード』が目標。つまり、230ヤードを3番ウッドをクラブの力を借りて狙っていきたい。そのときもっとも重要な機能はまず打ちやすさ、すなわちミート率の高さです。ミート率が高いから、平均して飛ばせる。キャディバッグの飾りじゃなくて、“使える”3番ウッドになるんです」

ソールは舟底形状で抜けの良さも◎。気持ちいいほど“実用性”に特化している
試打者の野村さんも、「平均して飛距離と高さが得られるから、実際のラウンドでは使う場面が多くなりそうですね」と、早くも購入を前提としたかのようなコメントを残してくれた。
ドライバーの長尺化に足並みを揃えるようにじわりと長くなっていた昨今の3番ウッド。それはどこかでアマチュアには使いこなすのが難しい道具と化していたきらいがなきにしもあらず。スティールヘッドXR、それはフェアウェイウッドの“新基準”となり得るクラブかもしれない。