











切り返しで右ひざが動かない、お手本「下半身リード」
勝みなみ選手が、プロ初優勝を果たしました。アマチュア時代の2014年4月に「KKT杯バンテリンレディース」で、15歳293日の史上最年少優勝。その後日本ジュニア、日本女子アマ優勝と実績を重ねプロテストも一発合格。それでも、プロに入ってすぐに「勝利」をつかんだのは立派の一言です。やはり「勝つ」というのは簡単なことではありませんから。
さて、勝さんの強さの秘密はどこにあるのでしょうか。私は、トップから切り返しにかけての下半身の動き、とくに右足に注目してみました。写真の左側、トップの写真を見てください。肩は90度を越えるほど深く回っているのがわかりますが、右足はまるで大地に根っこを生やしたように微動だにしていません。これにより、股関節にしっかりと体重が乗って体のねじりを受け止めているのです。

トップから右ひざを動かさずに切り返すことで上半身の開きを抑えた捻転差が大きくなる
6歳まで体操をやっていた影響もあるかもしれませんが、柔軟性が高い。「強靭」という言葉は、“強くしなやか”という意味ですが、まさにその言葉が相応しい。
写真右の切り返しで、ベルトのバックルはほぼ正面に戻り、左ひざも大きく動いて、ほぼアドレスの形に戻っていますが、手元やクラブはほとんど動いていません。右足が流れずに、しっかりと体重を受け止め切っているからこそ、切り返しでスムーズに下半身の回転を先行させ、上半身と下半身の捻転差をさらに作り上げることに成功しています。
パワーを生み、再現性の高いスウィングは強靭な下半身から作られる。そのお手本のようなスウィングです。プロ入り後すぐに、「優勝」という結果を出した勝さん。これからも大活躍間違いなしと言っていいのではないでしょうか。
写真/大澤進二