2017年秋の最注目アイアンとも言える、キャロウェイの「Xフォージド」。Xフォージドといえば、歴代モデルが今なお高く評価され続ける大人気シリーズ。中でも前作にあたる2013年モデルは、いまだ愛用するプロが多く、名器と名高い。新Xフォージドは旧Xフォージドを本当に超えているのか? ガチンコ対決試打を決行した!

石川遼もミケルソンも使ってる旧モデルに、新Xフォージドが挑む!

新しいXフォージドの評判が非常に高い。そして、それには契約プロの深堀圭一郎が、長らく使用していた2013年モデルのXフォージドをあっさりと手放し、新Xフォージドをバッグに加えたことの影響が少なくない。

アイアンの名手として知られ、当然クラブにも並々ならぬこだわりを持つショットメーカーの、異例とも言える速やかなクラブ変更。それだけでも、「新Xフォージドは特別なクラブなのではないか?」と思わせるに足るものがある。

その上、今回のXフォージドは日本で企画されたモデルだが、その顔の良さ、完成度の高さから、グローバルモデルになった日本発のグローバルアイアンといっても過言ではない。

画像: 左が2017年モデル、右は2013年モデル

左が2017年モデル、右は2013年モデル

それだけに、海外ブランドであるキャロウェイのプロダクトでありながら、日本人ゴルファーにとってはひときわ愛着の持てるクラブなのだ。しかも、2年ぶりの新作サイクルを“一回休み”しての、4年ぶりの新作発表。さぞかし自信満々の一品となっているだろうとギアマニアならずとも思わざるをえない。

しかし、いくら前評判が良くとも、実際に構え、そして打たなければ納得はできない。しかも、今回のXフォージドは、深堀のみならず、石川遼、フィル・ミケルソンといったプロたちが未だに使い続ける「旧Xフォージド(2013モデル)超え」を果たさなければ製品として意味がないという巨大なハードルを飛び越える必要がある。

果たして、新Xフォージドは、本当に旧Xフォージドを超えたのか!? プロゴルファー・中村修が、「対決結果は、たとえ新モデルのほうが悪くても正直に書きます」とメーカーに宣言した上で、試打テストを実施した。

【構えやすさ対決】「顔の良さ」は互角! それでも「構えやすさ」は新モデルが勝利した理由とは!?

まずは顔の良さ対決、そして構えやすさ対決だ。果たして新旧Xフォージドで、顔がいいのはどちらか!? プロゴルファー・中村修はこう言う。

「顔の良さに限って言えば、『引き分け』となります。なぜかといえば、旧モデルとシェープの印象はまったく同じ(笑)。いいものはいい。変える必要がない。キャロウェイの開発チームの強い信念が伝わってくるようなシェープです。ただ、その上で構えやすさは新モデルに軍配が上がります」

一卵性双生児のような見た目の新Xフォージドと旧Xフォージド。クラブをソールしてみると、なるほどどちらも文句のつけようがなくいい顔だ。なのになぜ、新Xフォージドに軍配を上げたのか?

画像: ミラー仕上げでスコアラインの数が多かった旧モデル(左)に対し、新モデルはサテン仕上げで、スコアラインの数も標準的(右)

ミラー仕上げでスコアラインの数が多かった旧モデル(左)に対し、新モデルはサテン仕上げで、スコアラインの数も標準的(右)

「まず、一回りサイズアップされている点。そして、フィニッシュがミラー仕上げからサテン仕上げに変更になっている点です。まず、サイズアップの仕方が絶妙で、シャープさが失われず、野暮ったさが出ない絶妙のさじ加減を保ちつつ、絶妙に安心感を増しています。まずはここで“プラス1ポイント”」(中村)

その上で、ゴルフ場で比較したからこそわかった、仕上げの変更を中村は高く評価する。

「芝の上でボールに対して構えてみたときに、ミラー仕上げだった旧作に対して、サテン仕上げの新Xフォージドのほうが、ボールに集中して構えやすいんです。いい意味でボールとフェース面のコントラストが弱まり、ボールを包み込む印象が出ています。特に、日差しが強い日や、朝日、夕日のタイミングなどで、構えやすい仕上がりになっています」

画像: 左が旧モデルで右が新モデル。サテン仕上げになった分、芝の写り込みが少なく、構えやすい。スコアラインの数も標準的になった

左が旧モデルで右が新モデル。サテン仕上げになった分、芝の写り込みが少なく、構えやすい。スコアラインの数も標準的になった

もう一点、これは好みもあるだろうが、旧モデルはフェース面上のスコアラインの数が非常に多い。それに対して、新モデルのスコアラインの数は標準的。旧モデルのスコアラインの数に違和感があったという人は、新モデルのほうがオーソドックスに構えられるはずだ。

【弾道対決】「飛距離」「抜けの良さ」はこれまた互角! 進化したのは「直進安定性」だった

さて、いくら構えた顔が良くっても、打った結果が良くなければ意味がない。というわけで、ゴルフ場の芝の上から、弾道計測器「フライトスコープ」で弾道を数値化しつつ、試打を行った。7番アイアンで実際にグリーンに向け、5球ずつ打った結果を見てみよう。

画像: 【弾道対決】「飛距離」「抜けの良さ」はこれまた互角! 進化したのは「直進安定性」だった

いかがだろうか。飛距離、打ち出し角、スピン量、弾道高さを見る限り、「間違って同じクラブを10球続けて打ったのでは?」と思えるほど、数値が似ている。新モデルのほうがやや打ち出しが低く、その分スピン量が多いが、それも誤差の範囲と言っていい数値。弾道対決」も互角と言って良さそうだ。

この結果を受けて中村は「注目したのは『ブレ幅』です」と言う。

「数値にも表れていますが、新モデルの最大の長所は直進安定性の高さです。深堀圭一郎プロは、その性能を『ラインから外れない』と表現していましたが、新モデルの良さは、『旧モデルと同じ顔、同じ弾道で、オフセンターでも曲がらない』と言う点ではないでしょうか」

画像: 新モデルは左右へのズレが極めて少なかった

新モデルは左右へのズレが極めて少なかった

それには、“構えやすさ対決”でも挙げた、クラブヘッドのサイズアップの影響が大きいようだ。サイズアップによって慣性モーメントがアップ。それにより、オフセンターヒット時の飛距離ロスならびに、左右への弾道のブレ幅が収まっている。また、平均値の表には表れないが、「飛んだり、飛ばなかったり」ということがなく、いわゆる“弾道が揃う”のも新モデルの特徴といえそうだ。

「もうひとつ、忘れてはいけないのが抜けの良さですが、ここに関しては“引き分け”です。ラフや傾斜地からもテストしましたが、どちらも抜けは抜群にいい。ただ、新モデルはサイズアップしているにもかかわらず抜けの良さは変化なし。それには、ソール形状の進化を感じました」(中村)

【まとめ】変える必要がないところは変えない。その上で進化させてきた!

すでに完成された一皿の絶品料理。そこに、「ほんの少しの大型化」と「直進安定性」というスパイスを足したら、完成形だと思っていた料理が、さらに一段階進化した。そんな印象が今回のXフォージドにはある。

旧Xフォージド、というかXフォージドという名前が付けられた過去の名器の伝統があって初めて生まれたアイアン。それが、新しいXフォージドだ。

画像: フェース面は大きいが、打感やつかまりの良さは変わらない。オーソドックスな形状ながら、たしかな進化が感じられた

フェース面は大きいが、打感やつかまりの良さは変わらない。オーソドックスな形状ながら、たしかな進化が感じられた

「おそらく、キャロウェイにとっても、完成度の高い前作を超えるというハードルは低くなかったんだと思います。これは間違いなく旧モデルを超えているという確信を持てるクラブを作るのに、4年という歳月を必要としたのではないでしょうか。そして、この4年の間に、プロが使うアイアンは世界的にずいぶんやさしくなっています。そのトレンドも、新Xフォージドの誕生の背景にはある気がしています」

難しいクラブを使って弾道を操るゴルフから、直進性の高いクラブでコースを圧倒するゴルフへと、世界のゴルフは進化している。その進化に対応した最新系のワンピースのフォージドアイアン。それが、新しい「Xフォージド」なのかもしれない。

写真/小林司

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