「なぜシューゴ・イマヒラはあんなに飛ぶんだ!?」海外の記者も驚いた
2017年10月2日に25歳になったばかりの今平周吾がゴルフを始めたのは、9歳の頃だったそうだ。年齢から9を引くと出る数字は2001年。世はすでに大型チタンヘッドの全盛期。今平周吾は、大型チタンドライバーが“当たり前”の時代に育った、初めての世代と言えるかもしれない。
大型化するに伴って、ドライバーは左右に球筋を作るクラブから、曲がりにくいクラブへと進化していった。その結果、現在世界のトップ選手たちは300ヤードを超える飛距離を当たり前のように叩き出す。ドーン! とビッグボールで飛ばして、残りの短い距離のセカンドショットをショートアイアンやウェッジで寄せる。世界のゴルフは、そういった方向へと進んでいるように見える。
そんな中、今平は2017年からヤマハと契約を結んだ。その結果、2016年の278.88ヤードから、2017年は290.84 ヤード(2017年10月1日現在)へと大幅な飛距離アップに成功している。初出場した全米オープンでは、165センチ、60キロの体格で300ヤード近く飛ばす今平に、海外メディアも「なんでシューゴ・イマヒラは小柄なのにあんなに飛ぶんだ!?」と驚嘆の目を向けたという。

RMX118。この精悍なヘッドには、世界を狙うための技術が満載されている
前置きが長くなったのには理由がある。実は、ヤマハのニューモデル「RMX118ドライバー」は、そんな新時代のプロゴルファー・今平周吾が、世界を相手取って戦うために生まれたと言っても過言ではない、そんなドライバーなのだ。

身長165センチと小柄ながら、飛距離は300ヤードクラス。この飛びには、世界も驚いた
「RMX118は、今使っているRMX116よりもさらに球が強いのに驚きました。弾き感が強いので、自分で“振る”必要がなく、それでいて自分が理想とするスピン量2600回転前後の中弾道で飛んでいきます。ランも含めてトータルで飛距離が伸ばせていますし、なにより直進性の高さが魅力です」(今平)
現在ゴルフ調子が非常にいいのと、シャフトの最終調整を行っていることから、秋のビッグトーナメントはRMX116で戦っている今平だが、RMX118への評価と期待度は、相当に高い。ヤマハのプロツアー担当である大西裕士さんは言う。

シャフトの種類はもとより、長さ、硬さ……納得のいくまで調整ができるのも、RMXのいいところ。ツアー担当の大西さん(写真左)とテストを重ねる
「今平プロからは、とくに直進性の高さと、弾道の強さを評価してもらっています。2017年に入ってクラブをガラッと変えたばかりといえばばかりですし、これからRMX118に馴染んでいってもらえればと思っています」
RMX118はヘッド内部にインナーウェイト、ソール後方にRTSウェイトを配置することで、ヘッド慣性モーメントが非常に高い。これが、直進安定性をもたらしている。ドーンと強い球を打てる秘密は、このヘッド構造に秘密がある。それでいながら、構えた印象は「トップラインがまっすぐ見えるので、構えやすい」と今平が言うように、極めてオーソドックスなのがこのクラブの真骨頂だ。

ヘッド後方にウェイトが配置されたことで慣性モーメントを高めることで、今平を驚嘆させた直進性の高さを獲得している
RMX118の性能を簡潔に表現すれば「いい顔で、打つと真っすぐ強く飛ぶ」となる。従来、「いい顔」のドライバーは、イコール「左右に弾道を作りやすい」機能を持っていた。それが、日本のプロモデルドライバーの伝統だったからだ。しかし、RMX118はいい顔でありながら、真っすぐ強い球を打ちやすい性能に振っている。これが、ヤマハが今平のために作った“世界と戦うためのドライバー”の正体なのだ。
「打感の良さは、機能なんだ!」ヤマハと契約した今平周吾は気がついた
アイアンに目を向ければ、こちらもまた、プロがアイアンに求める機能が研ぎ澄まされている。それは、打感の良さ、抜けの良さ、顔の良さの三拍子が高次元で揃っているということだ。

今平がテスト中の「 RMX018ツアーモデル」。その打感は唯一無二だ
実は、今平はヤマハと契約して初めて「打感がいい」ということの意味を知ったという。使ったことのある人はご存知の通り、ヤマハのクラブ(とくにアイアン)は打感が抜群にいい。打感は耳からくる情報に非常に大きく左右されるが、打球音も含めた打感の良さは、楽器メーカーでもあるヤマハのお家芸。その打感を味わうことで、「打感がいいって、機能なんだ」という事実に、今平は気が付いたのだというのだ。
打感がいいと、手にはより多くのフィードバックがもたらされる。それによって、フェースのどこに当たると最適な弾道が出て、どこに当たるとミスになるのかの情報が蓄積され、それによって1ヤードの距離をコントロールしたり、あるいは思い切り振って飛ばしにいったりすることができる。あえて単純化するならば、打感がいいクラブを使うとスコアが良くなるのだ。

手に伝わる打感の良さが、今平のゴルフをさらに一段階進化させる
「現在RMX018をテストしています。今までマッスルバックのアイアンを使ってこなかったので、もう少し慣れは必要なのですが、とにかく抜けがいいんです。飛距離も変わりませんし、なにより手応えのある打感がいいんです」(今平)
「勝つために、進化。」それが、新しいRMXのキャッチコピーだ。まだまだ進化を続けている今平周吾が、RMX118ドライバー、そしてRMX018ツアーモデルアイアンの性能を、自由自在に調整可能なRMXのコンセプトを最大限に活かして100%引き出したとき、今平のゴルフそのものが、まさに「勝つために、進化。」するのだろう。

クラブを自ら手入れする今平のこの表情が、手応えの良さを物語る
そして、その機能は、競技ゴルフか、あるいは仲間内のコンペか、あるいはライバルとの一対一のマッチプレーか、はたまたコースや己との戦いか……戦いの舞台とその規模は異なれど、我らアマチュアゴルファーをも「勝つために、進化。」させてくれるに違いないのだ。
写真(屋外):姉崎正