“カルカタ”が飛ばしのキーワード!?
世界のトッププレーヤーからのフィードバックを集約したシャフトであり、ユニークなネーミングでも知られる「アッタス」シリーズ。9代目となる新作の「クール」はアッタス史上もっとも“走る”“飛ぶ”を追求した、紛れもない飛距離重視のモデルだ。
歴代のアッタスシャフトをテストして、その特性を熟知しているQPこと関雅史プロは、「クール」の性能をこう分析する。
「手元側がしっかりして切り返しのタイミングが取りやすく、中間~先にかけてシャープにしなって戻るシャフトです。シャープなしなり戻りの影響でヘッドが走るためボール初速が稼げるし、球を上げてつかまえてくれるんです。

ヘッドが手元を置き去りにするような走り感。それによる振り抜きの良さ、つかまりの良さがアッタス クールの魅力だ
そしてなによりも“振り抜きの良さ”が最大の魅力ですね。振り抜けることで、振っていてキモチいいし、爽快感があります。それでいて、振りにいっても球が引っかからないし、当たり負けしない。叩ける要素もあるシャフトです」(以下、関プロ)
実際、多くのゴルファーがこのアッタス クールを振ると「気持ちいい!」という感想を口にする。それには、シャープなしなり戻りによって、フィニッシュまで一気に振り抜かせてくれるシャフトの性能がモノを言っているようだ。
「軽い」からヘッドスピードがアップ! しかも「硬い」からヘッドがブレない
また、このアッタス クールのもうひとつの大きな特徴と言えるのが、“カルカタ”スペックの存在。カルカタとは軽・硬のことで、40グラム台、50グラム台という軽量の重量帯に、アッタスシリーズとしては初めて「X」フレックスの設定があるのだ。
カスタムシャフトといえば、圧倒的に60グラム台のSシャフトの需要が多い。しかし、練習不足や体力の低下によって「ちょっとキツくなってきた」とか「飛距離が少し落ちてきた」と感じているゴルファーは少なくない。関プロも、「『クール』の“軽・硬”スペックは、60グラム台のSシャフトがしんどくなってきた人に是非試してもらいたいシャフトです」とコメント。
そこで、ミズノ「MP タイプ2」のロフト9.5度のヘッドにアッタス クールの「4X」を挿し、ヘッドスピード40m/sで弾道データを計測しながら試打を行った。純正シャフトは50グラム台が多いが、それよりも軽く、硬い、まさに“カルカタ”なスペックだ。

アッタス クールの「4X」と「5X」をミズノMPタイプ2と組み合わせてテストした
「シャフトが軽くなることで、ヘッドスピードが上がりますね。ヘッドスピードが上がるとシャフトのしなりも大きくなるので安定感が下がりがちなのですが、硬く締めたほうがブレが少なくて素直な動きになる。だからこそより振れるようになるし、それでも振り遅れないで球をちゃんとつかまえてくれます」
続いて、ヘッドは同じで「5X」をテスト(ヘッドスピード43m/s)。こちらは、カスタムシャフトの「6S」を使っている人が、シャフトを軽くしてフレックスを硬くしたことを想定している。
「手を使う割合がやや多い“手打ち系”の人やインパクトの“当て感”が強い人は、軽いシャフトに替えるとクラブを操作しやすくなると思います。4X同様、シャフトが軟らかいとインパクトがバラつきやすくなりますが、Xの硬さがあることで、それも防げるわけです。それにしてもこのシャフト、飛びますね!」(関)
[アッタス クール/4X〕(HS40m/s)
キャリー/221.2Y
飛距離/ 238.9Y
打ち出し角/13.3度
ボール初速/59.5m/s
スピン量/2189rpm
[アッタス クール/5X〕(HS43m/s)
キャリー/239.1Y
飛距離/ 257.3Y
打ち出し角/13.8度
ボール初速/64.3m/s
スピン量/2249rpm
データを見ると、スピンの少なさは明らか。ボール初速も十分に出ている。プロが打ったとはいえ、ヘッドスピード40m/sで飛距離約240ヤードは極めて魅力的。コースでレギュラーティから回れば、多くのパー4でセカンドショットをショートアイアンかウェッジで打てる距離だ。
また、ある説によれば「ヘッドスピードの6倍が最大飛距離」とされている。プロのミート率が高いことはあるにせよ、今回のテストの弾道データを見るとその数値がほぼ達成されている。つまり「クール」は、ヘッドスピードを上げるだけでなく、そのポテンシャルをマックスの飛距離に変換できるシャフトだとも言える。
「球を曲げたくなければ、シャフトは硬くする方向に行くべきです。市場には“重・硬”のシャフトはたくさんありますが、それでは体力が落ちてきた人が振りづらくなるので、“軽・硬”のシャフトで安定感を求めるのは大いにアリですね」(関)
ものすごく大雑把に言って、一般にシャフトは重くなるほど硬くなり、軽くなるほど軟らかくなりやすい。軽いほどヘッドスピードが上がるのに、10グラム台のシャフトが存在しないのは、それだと頼りなさすぎて、メリットがないから。“軽・硬”は、技術力が背景になければ実現しないのだ。
「軽さ」にも「硬さ」にも先入観を抱く必要なし!
「私が振った感じだと、4Xも5Xも硬さの違いはあんまり変わらず、シャッキリした手ごたえがありました。もちろん、軽いほう(4X)が振り抜きの良さはより感じられましたが、質量をボールにぶつけること(5X)も飛ばしの要素です。また、手元がしっかりして中間~先がしなり戻るというシャフトの動きも変わりません。重量帯が軽いスペックでもヘンな“中折れ感”みたいなものがなくて、スムーズに振り抜かせてくれるところに『クール』というシャフトの作り込みの秀逸さを感じますね」(関)

4X、5Xともに甲乙つけがたいと関プロ。あとは「合うか・合わないか」の問題だ
関プロは“軽・硬”シャフトに対して抵抗感を抱く必要はまったくないし、アマチュアゴルファーほど、どんどん試して欲しいという。実際、2017年の男子ツアーで某シード選手が、4X、5Xのシャフトを練習ラウンドで試すなど、多くのプロが“カルカタ”を積極的にテストしている。
実際、300ヤード以上を楽々飛ばす世界のトッププロたちも60グラム台のシャフトを使うなど、シャフトの軽量化は世界のトレンドでもある。アッタス クールは、そのトレンドの先端にいる。そして、軽い分「X」という硬さにプレッシャーを感じる必要はない。
「試打の際、弾道データが測れるのならば是非『ボール初速』をチェックしましょう。ボール初速が稼げるシャフトは、その人に合っていると言えます。アッタス クールは、その可能性が高いシャフトだと思いますよ」
とまとめてくれた関プロ。“軽・硬”の「クール」をドライバーに挿すことで、2打目の景色がゼンゼン変わっちゃうかも!?