ショートコースの専門家として知られるプロゴルファー・石井忍は、「ショートゲームのマネジメントは2つに分けることができる」と話す。著書「考えないアプローチ」からスコアを縮めるマネジメント術を紹介しよう。

「どうしたいか」を冷静に検討する

マネジメントは、メンタルとテクニカルの2つに分けることができます。メンタルマネジメントとは、その名のとおり自分の内面のマネジメント。簡単に言えば、この1打を「どうしたいか」を判断することです。

たとえば同じような30ヤードのアプローチがあっても、朝イチのスタートホールなら「そこそこで収まればいい」と考えるかもしれませんし、最終ホールでベストスコアが出るかどうかの瀬戸際なら「何としても寄せワンが必要」と思うかもしれません。

前者の場合、まずはグリーンに乗せることを優先しますが、後者であれば、ミスを覚悟でピンを直接狙い、その結果そこから4打叩いてしまっても仕方がないと考えます。

狙いどころや打ち方を考える際には、この「どうしたいか」が根本的な土台になります。自分の置かれている状況や目指すべきスコア、調子や得手不得手などを総合的に判断できれば、使用クラブやアプローチの種類も変わってきます。打つ前に結果の優先順位をつけることはとても重要です。

画像: メンタルマネジメントとテクニカルマネジメント両方を加味して狙い方を決めよう

メンタルマネジメントとテクニカルマネジメント両方を加味して狙い方を決めよう

テクニカルマネジメントは、技術的な判断です。簡単に言えば「なにができるのか」ということです。

ライや傾斜、ピン位置、風などの条件に自分の技術を加味し、どうすれば一番良い結果が得られるのかを判断します。

この「良い結果」とは、必ずしも最少スコアの可能性を指すわけではありません。つねにミスの確率と、ミスしたときにもたらされる結果も考慮することが必要です。

そして、(メンタルマネジメントの結果)一か八かの賭けに出る場合以外は、基本的には4打以上を叩く可能性が一番低い狙い方、打ち方を選択してください。

これが、アプローチの際、置かれた状況から「平均2.5打」でホールアウトするための最大の秘訣なのです。

「考えないアプローチ」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/姉崎正

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