「どうしたいか」を冷静に検討する
マネジメントは、メンタルとテクニカルの2つに分けることができます。メンタルマネジメントとは、その名のとおり自分の内面のマネジメント。簡単に言えば、この1打を「どうしたいか」を判断することです。
たとえば同じような30ヤードのアプローチがあっても、朝イチのスタートホールなら「そこそこで収まればいい」と考えるかもしれませんし、最終ホールでベストスコアが出るかどうかの瀬戸際なら「何としても寄せワンが必要」と思うかもしれません。
前者の場合、まずはグリーンに乗せることを優先しますが、後者であれば、ミスを覚悟でピンを直接狙い、その結果そこから4打叩いてしまっても仕方がないと考えます。
狙いどころや打ち方を考える際には、この「どうしたいか」が根本的な土台になります。自分の置かれている状況や目指すべきスコア、調子や得手不得手などを総合的に判断できれば、使用クラブやアプローチの種類も変わってきます。打つ前に結果の優先順位をつけることはとても重要です。
テクニカルマネジメントは、技術的な判断です。簡単に言えば「なにができるのか」ということです。
ライや傾斜、ピン位置、風などの条件に自分の技術を加味し、どうすれば一番良い結果が得られるのかを判断します。
この「良い結果」とは、必ずしも最少スコアの可能性を指すわけではありません。つねにミスの確率と、ミスしたときにもたらされる結果も考慮することが必要です。
そして、(メンタルマネジメントの結果)一か八かの賭けに出る場合以外は、基本的には4打以上を叩く可能性が一番低い狙い方、打ち方を選択してください。
これが、アプローチの際、置かれた状況から「平均2.5打」でホールアウトするための最大の秘訣なのです。
「考えないアプローチ」(ゴルフダイジェスト新書)より
写真/姉崎正