ツアーの全日程が終了し、多くのプロゴルファーが全国を飛び回ってイベントやコンペに参加する12月。キャロウェイアパレル契約の藤田光里も都内でトークショーを開催し、2017年を振り返った。ケガによって今季不調だった藤田が心に秘めた思いを語ってくれたので紹介しよう。

ゴルフが出来ないことがこんなにも悔しいなんて……

こんにちは! バンキシャM子です。今回は2017年12月14日に東京都のキャロウェイアパレル丸の内路面店で行われた、藤田光里プロのトークショーにお邪魔してきました。藤田プロと言えば、2016年のエリエールレディースから左ひじの故障により思うようなプレーができず、今シーズンでは賞金シードを落としてしまいました。

正直、さぞ落ち込んでいるのだろうと思っていましたが、イベントに登場した藤田プロは笑顔。その理由を話してくれました。

司会はゴルフ業界でもお馴染みのお笑いタレントの黒田カントリークラブさん。集まったファンのみなさんもツアーの応援団の常連の方々が多く、とてもアットホームな雰囲気で藤田プロもリラックスした様子でした。

そんな藤田プロへの最初の質問は「今年を漢字1文字で表すと?」でしたが、どうしてもひとつに絞れなかったという藤田プロは漢字ふたつでこの1年を表現しました。

藤田:この1年を表す漢字は“変”と“好”です。この1年間はケガもあって成績も不振、思い通りにできることのほうが無かったですが、心境に“変化”があってゴルフが“好き”になりました。だから“変”と“好”です。

画像: ふたつの漢字を挙げてくれました

ふたつの漢字を挙げてくれました

司会:ゴルフが好きになったというのは?

藤田:今までずっと「ゴルフはやらなきゃいけないもの」と思っていました。それが、ケガによってゴルフができないことで、「悔しい、どうしてできないんだ」って気持ちになってきて、そのうち「ゴルフができないこと」がツラくなってきたんです。やりたくてもできないということで、初めてゴルフと向き合う時間ができたように思います。

司会:ゴルフと向き合うっていうのは?

藤田:2016年のエリエールからオフも込みで約1年間。父と二人三脚でやってきたゴルフだったけど父が亡くなり、全部自分の意思で決めたり、ひとりで向き合わなければならなくなりました。正直、ゴルフをやめちゃうかも、来年の今頃はこのイベントにも参加できないかもって思っていました。

司会:そこで「変わらなきゃいけない」と思った?

藤田:変わらなきゃいけないとは思っていません。でも、今のこの状況が私を変えてくれた。少し大人になれたんだと思います。1ラウンドで10打オーバーしたこともありました。周りは「10も叩いているのに何で笑ってられるの?」って目で見てたこともあった。でも私は最後まで諦めませんでした。何打叩いてもいい、予選に通らなくてもいい、私の目標は1打も諦めずに最後まで回りきろうということ。そんな自分をほめてあげようということでした。

画像: 最後まで笑顔を絶やしませんでした

最後まで笑顔を絶やしませんでした

司会:ジュニアの頃、北海道では最強選手とまで言われていましたよね。

藤田:懐かしいですね(笑)。正直、アマチュアのときはゴルフは「勝たなきゃいけないもの」だったから楽んだことはなかったです。今年1年間でシードや成績など失うものもあったけど、私の中では得るもののほうが大きかった。いい切り替えができました。今は2018年、2019年を見ています。練習したくてもできない自分のもどかしさを感じて、人生で初めてゴルフが好きなんだって思えた。私は“変”わって、ゴルフが“好”きになれたんです。

司会:最後に2018年の抱負は?

藤田:今まで通りにはレギュラーツアーには出られないけど、主催者推薦がもらえる大会で頑張りたいですし、ステップアップツアーにも行けるところは行こうと思っています。前半戦に頑張って、後半戦につなげられるよう頑張ります。ちなみに、来年最初の試合はグアム知事杯なので、よろしければみなさんグアムまで応援に来てください(笑)。

とのことでした。ツアー会場で話しかけるたびに笑顔で対応をしてくれて、自分のツラさを周りには見せない強さを知っている私としては、藤田プロの心の内を知ることができてその前向きさにこちらまで泣きそうに……。23歳とまだまだこれから。初めてゴルフに真正面から向き合えて、ゴルフを好きになれた藤田プロの進化を、これからも見守っていってあげましょう。

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