タイガー・ウッズの復帰戦として話題となった2018年の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」。そこで日没サスペンデッドとなったプレーオフに進出する活躍を見せたのが、スウェーデンのアレックス・ノレン。そのノレン、昨年の全米オープンで、風変わりな練習をしていた。現地で取材したプロゴルファー・中村修が分析!

2016年に欧州ツアー年間4勝の大ブレイク

スウェーデン出身のアレックス・ノレンは2016年に欧州ツアーで年間4勝を挙げ、大注目を浴びた選手。日本での知名度はさほど高くはありませんが、その実力は折り紙つき。そんなノレンをウォッチしたのは、2017年の全米オープンでのことでした。

注目した理由は画像1を見ていただければ一目瞭然。練習場で、一風変わったドリルを繰り返していたからです。

画像: 体が先行し、手元が体の近くを通るイメージ。この後、普通に打つ

体が先行し、手元が体の近くを通るイメージ。この後、普通に打つ

この極端なダウンスウィングを見てください。おへそがターゲットを向くくらい体を回しているのに、手元はまだシャフトが地面と平行になる位置。しかも、手首のコックをキープしたまま、右太ももに当たりそうなくらい体すれすれを下ろしています。この動作を行ったのち、普通にスウィングして、ボールをとらえる。このような練習を黙々とこなしていました。

もちろん実際のスウィングでは遠心力が働き、クラブヘッドがリリースされるので、このドリルの通りには振れませんが、このドリルからは、ボールをインサイドから、浅い入射角でインパクトしたいという意識がみてとれます。

入射角が浅くなると、インパクトゾーンが長くなるとともに、フェース「上下」の打点が安定します。フェース上下の打点が安定すれば、スピン量と弾道の高さが一定となり、いわゆる“縦の距離感”がより精密になります。1ヤード刻みでの距離感、その精度で競い合うのが世界のトップレベル。そこで生き残るための、精度を磨くドリルだと言えます。

この練習を行っていた2017年の「全米オープン」では残念ながら予選落ちでしたが、それから半年を経ての今回の優勝争い。このような地道な練習の成果がようやく出てきたといったところかもしれません。プレーオフの相手は元世界1位のジェイソン・デイ。どのような結果になるか、楽しみにしたいと思います。

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