フェース上部でも当たり負けしない
「M3」「M4」シリーズは、アイアンも打点のズレに対する寛容性を大いに高めてきている。両モデルとも背面に「リブコア」というテクノロジーを投入。正確性と飛距離を求めたものだが、とりわけ、COR(反発係数)を上から下まで高めることができるようになった。
従来は「スピードポケット」で、フェース下部の反発は高かったが、上に行くにしたがって弱かった。地面から打つと飛ぶが、ティアップする、あるいはラフから打つ場合に、打点が上にズレると飛ばなくなる、という問題を解消すべく、フェースの反発力を下から全体に持っていったわけだ。

コンパクト&クリーンな形状で優れた飛距離と操作性の高さを両立する「M3」アイアン(左)とビッグフェース、ワイドソールなど、飛距離性能とやさしさを徹底的に高めた「M4」アイアン(右)
また、左右方向のCORは従来モデルでも「フェーススロット」で高められていたが、エネルギーがトウ、ヒールに逃げてロスしていた。それを「リブコア」で固めることで、エネルギーが集約され、フェース全面で高いCOR値を得られるようになったという。

フェース面にスロットを配することでスロット外側の合成を高め、エネルギーロスを解消(写真上)。フェーススロットに沿って配置された2本のバー“リブコア”が強度を高め、反発力を向上させている
フェース全面が均一に弾くので、多少芯を外しても当たり負けしにくくなり、ボール初速とスピン量、打ち出し角のバラツキがグッと減少。弾道、飛距離ともにミスヒットを感じさせない、高い安定感を実現している。
「リブコア」でフェースのどこで打っても弾くアイアンが完成!
「フェーススロット」の外側の剛性を高めたことで、エネルギーロスを解消。またヘッドの無駄なたわみや振動低減にも効果を発揮し、打感や打音も向上している。
田中秀道プロが試打! 「M3」、「M4」どう違う !?
では、「M3」「M4」はどちらがどのようなゴルファーに合っているクラブなのだろうか? 試打を担当した田中秀道プロにインプレッションを聞いてみた。
まずは「M3」を試打した田中プロは「分厚い打感がいいですね。それに、非常に抜けがいいんです」と、まずはフィーリング面を高く評価。次いで、機能面を詳しく分析してくれた。

「分厚い打感がいいですね」
「(形状が)比較的スッキリしているのがいいですね。サラッと打てるイメージがわいてきます。フェース面でシャープさを出しながら、トップブレードには厚みがあるので、安心感があります。このタイプは等速でサラッと打てれば高いボールで飛ばせる。自分で頑張らずに、クラブを生かす感覚を意識しやすいようにできています」(田中)

高性能なのにぼってりしていない「M3アイアン」の見た目。左から5番(23度)6番(26.5度)7番(30.5度)8番(35度)9番(40度)PW(45度)
続いて「M4」を試打。高弾道で予想をはるかに超えるキャリーを叩き出し「上がって、止まって、しかも2番手飛ぶ!」と田中プロ。

「球を追う目線が変わる」
「リラックスしてセットアップできる、やさしい顔をしています。フェースが思ったより大きすぎなくて、シャープ感もあるんです。ソールが厚くて低重心で、頑張らなくてもボールがとても上がりやすいイメージですね。セミグースネックでアップライトに見えることもあり、つかまりやすそうな安心感が高いですね」(田中)

セミグースがつかまり感を演出「M4アイアン」、左から5番(21.5度)6番(25度)7番(28.5度)8番(33度)9番(38度)PW(43.5度)
7番で28.5度とストロングロフトながら、ボールの上げやすさは抜群。アイアンでも飛距離が欲しい。さりとて上がりにくいのは困る、というアマチュアの悩みにピンポイントで応えてくれるアイアンだと言えそうだ。
早くも2018年のツアーを席巻しているテーラーメイドのMシリーズ。ドライバーを手に入れたゴルファーも多いかもしれないが、「M3」「M4」のアイアンもセットでそろえるのもいいかもしれない。