ドライバーの飛距離というのはゴルファーにとって答えが出ない永遠の悩み。1ヤードでも前に飛ばしたいと思うのは当たり前のことだ。シニアツアーで活躍中の田村尚之プロは、「飛距離に悩んだときはシャフトを長くするのもアリ」と話す。著書「田村流『あきらめる』ゴルフ」からその理由をご紹介しよう。

飛距離に悩んだら道具を調整してみる

「あと5ヤード、10ヤードでも飛距離を伸ばしたい」。ゴルファーだったら、誰もが願うことでしょう。歳とともにヘッドスピードが落ち、飛距離が伸び悩んでいるアマチュアの方も多くいます。

飛ばすための必要条件として、ヘッドスピードが速いことはもちろん求められます。ヘッドスピードを上げるためには、体幹を鍛えて、スウィング中に体軸がブレないような準備をするのが得策ですが、なにも、「ジムに通え!」と言っているのではありません。

エレベーターを使うよりなるべく階段を使う、電車の中では座らずに立って揺られてバランスをとるなど、日常生活のほんの少しの工夫で補うことができます。

また、なによりも、「スウィング軌道の最下点でインパクトする」ということがとても大切です。いくらヘッドスピードが速くても、芯に当たらなければ意味がありません。よく言われる「ミート率」です。

ヘッドスピードがそれほど速くない女子プロが、アマチュアより飛ぶことが多いのは、女子プロのミート率が高いからです。

画像: シャフトを長くすることがヘッドスピードを上げる近道

シャフトを長くすることがヘッドスピードを上げる近道

あとは、やはり、シャフトを長くするのがヘッドスピードを早くする近道だと思います。もちろん、軸がブレてミート率が下がっては意味がないので、その限度というかバランスは大事ですが......。

シャフトを1インチ伸ばすだけで、ヘッドスピードは通常1m/s上がると言われています。ドライバーのシャフトを昔の43インチから46インチに伸ばしたとすると、理論上は3m/s上がったことになり、その恩恵もあって、プロの世界ではパーシモンヘッドの時代からは飛躍的に飛距離が伸びているのです。

しかし、アマチュアの方の中には、シャフトを長くすればするほどヘッドスピードが上がるタイプと、ほとんど上がらないタイプがいます。大別すると、ゆっくり遠心力を使ってヘッドを振るタイプの人はヘッドスピードが上がりやすく、どちらかというと上半身、それも腕っぷしに頼ってクラブを振るタイプの人は、シャフトを長くしてもヘッドスピードが上がらない傾向にあります。

それはシャフトを長くしたことによって、クラブの慣性モーメントが大きくなり、振りにくくなるからです。そういう場合は、クラブの総重量も軽くします。だいたい1インチ長くするとバランスは5ポイント近く重くなります。シャフトを軽くし、ヘッド重量とできればグリップも軽いものにすれば、クラブの慣性モーメントが小さくでき、振りにくさが緩和されます。

技術を上げることはもちろん大事ですが、道具に頼るのもお勧めですよ。

「田村流『あきらめる』ゴルフ」(ゴルフダイジェスト社)より

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