「バウンスは友達」という言葉の意味は!?
バウンス角とは、シャフト軸線を地面と垂直にした時にソールがリーディングエッジかから張り出す出っ張りの大きさを指す。ウェッジの巨匠、ボブ・ボーケイは「バウンスは友達」と明言している。なぜバウンスがあると好ましいのか?
コースでウェッジを使う状況は、主に芝の上からだ。芝は土の上に生えており、芝の上にボールが乗ると硬い地面から少し離れた状態、つまりボールが浮いた状態になる。この浮いた状態からバウンスのないウェッジを使うとリーディングエッジが最初に接地し、地面に刺さってしまう。
その刺さりを防止するのがバウンスの大きな役目のひとつ。バウンスが大きいほど、ヘッドの入射角が鋭角でもソールが先に接地するため、ソールが滑って刺さりづらくなりミスを防止してくれるのだ。

ソールの出っ張り「バウンス」があることで、ウェッジはダフリにくくなると同時に前へと進む推進力を得る
バウンスがあることでヘッドは地面の『下』ではなく『前』に進む。その結果、ボールをキチンととらえられるわけだ。いわば、バウンスはウェッジのエンジン、というわけだ。
ボールの1点だけを打ち抜くテクニックがあれば、バウンスはそれほど必要ないがそんなゴルファーは世界で戦うほんの一握りのプロだけ。正直なところ、アマチュアゴルファーが一般的なコースをプレーしていてそんなテクニックや打ち方が必要になることはまずない。
プロが求めるウェッジは一か八かのショットでもテクニックを邪魔しないローバウンスウェッジである場合が多いが、アマチュアにとってはミスを緩和してくれるハイバウンスウェッジの優位性がはるかに高い。
14度のバウンスは入射角0〜14度、すべてが「許容範囲」
ボブ・ボーケイは、多彩なロフトとバウンス、ソール形状のバリエーションを誇るSM7のラインアップの中で、「ロフト56度、バウンス14度のSグラインド(ソールの“削り”がもっとも少ないもの)」こそが、アマチュアゴルファーにとってベストだと断言する。
なぜかといえば、バウンス角14度とは、クラブの入射角が0〜14度まで、インパクトでソールが地面に触れることができるという意味。バウンスが大きいほど、許容範囲が広くなるからだ。
バウンス角8度のウェッジならば、許されるヘッドの入射角度は0〜8度の範囲で、その範囲をはみ出した場合、それはミスショットになる。それに対して、14度のウェッジならば0〜14度の入射角度であれば、すべてがナイスショットになるというわけだ。

入射角0〜14度、すべてをナイスショットに変えてくれるのがバウンス14度のウェジだ
わずか6度、されど6度。ものすごく単純に言えば、バウンス角14度のウェッジは、バウンス角8度のウェッジに比べ、この6度の分だけやさしいということになる。この6度の“大きさ”は、グリーン周りでミスに泣いた経験のあるすべてのゴルファーが、感覚的に理解できるのではないだろうか。
ショップの床でアドレスすると、リーティングエッジが浮いて見える「罠」
さて、ハイバウンスにはこれだけメリットがあるにもかかわらず、アマチュアゴルファーはローバウンスウェッジを好みがち。理由はふたつあって、ひとつはプロがローバウンスウェッジを好むから、つい使いたくなってしまうというもので、これはゴルファー心理だからある意味仕方がない。スコアより、使いたい道具を使う喜びを優先するという考え方もあっていい。
問題はもうひとつの理由。それはショップなどでウェッジを手に取った時の見え方だ。ハイバウンスのウェッジをショップの床などに置いてみると、バウンスの張り出しによりリーディングエッジが浮いて見える。
前述した通り、ボールは芝によって浮いた状態なのでこの張り出しがエッジからの接地を防ぎ、ザックリやダフりのミスを軽減してくれるのだが、この浮いた状態がトップをイメージさせるために敬遠してしまう。この見え方の勘違いにより、アマチュアはやさしいウェッジをゲットするチャンスを、自らみすみす逃してしまっているのだ。

バウンス14度のウェッジは、ショップの床に置くとコイン3枚分ほどリーディングエッジが浮いてしまう。しかし、ここまで説明した通り、それは「やさしさ」の証なのだ
ウェッジはなかなかコースで試打して購入するのは難しいため、なかなかやさしいと体感できる機会は少なかったかもしれないが、よほどテクニックを使いたいゴルファーでない限り、バウンスがあった方が間違いなくやさしい。
バウンスを生かす構え方「ハンドファーストに“構えない”」
ではそのやさしいハイバウンスをより効果的に生かすにはどうしたらよいのか? 覚えておきたいのは、ハンドファーストにすると、シャフトの傾きの分だけバウンスは減るということだ。

ハンドファーストにするとバウンス角は減る(写真左)。シャフトを垂直に近い形で構えるのが、バウンスを生かすコツだ(写真右)
つまり、14度シャフトを傾けて(ハンドファーストにして)構えてしまうと、せっかくの14度のバウンスがゼロになってしまい、その分だけソールではなくリーディングエッジが先に接地しやすくなってしまうのだ。これでは、せっかくのエンジンが機能を止め、入射角の許容範囲も狭くなってしまう。シャフトは垂直か、軽めのハンドファーストに構え、なだらかな入射角をイメージして打つことが大切なのだ。
次にウェッジを買い替える機会が訪れたら、ウェッジ界の巨匠、ボブ・ボーケイの「バウンスは友達」という言葉を信じて、是非ハイバウンスのウェッジを検討してほしい。その安定感、そのミスへの強さ、そして結果的に生まれるスコアに、必ず満足するはずだ。


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