「宮里藍サントリーレディス」で3位タイと好成績を収め、リランキング後の試合への出場権を手にした岩橋里衣。実は、プロとしては極めて珍しいクラブセッティングをしているという。なんと、3番ウッドを“抜いている”というのだ。でも、なぜ!?

QTランキング39位の資格で今シーズン前半の試合に出場していた岩橋里衣。出場した12試合中8試合が予選落ちと不調が続いていたが「宮里藍サントリーレディス」では優勝争いに加わり、3位タイと好成績を収めた。

大会前はパットに苦慮していたという岩橋だが、大会直前にパターを替えて調子を上げ、ふたを開けてみれば初日の合計パット数は24と好調だった。

「プロテストのときにもやっていたんですが、前の週からマイナス、ネガティブなことを口に出さないようにしていました。新しいものを取り入れようとしていた気持ちもあって、パターも変えたりしたことも大きかったと思います」

とは、岩橋本人の弁。実は、その他のクラブセッティングについても岩橋の個性、フィーリングにマッチするように工夫がなされている。その分かりやすい例がひとつある。プロとしては異例も異例、3番ウッド(3W)を抜いているのだ。

画像: 直前にパットを替えて臨んだ宮里藍サントリーレディスでは3位タイと結果を残した(写真/2018年の宮里藍サントリーレディス)

直前にパットを替えて臨んだ宮里藍サントリーレディスでは3位タイと結果を残した(写真/2018年の宮里藍サントリーレディス)

岩橋とクラブ契約を結ぶマルマンのツアー担当・岩井徹はこのセッティングの意図をこう明かす。

「元々はFW3本、UT3本の6本を入れていましたが、3Wの使用頻度が少ない、ミスしたときに大きなケガにつながるので3Wを抜いてます。3Wを抜いた分、下の番手を厚くしてます。下の番手はきっちり10ヤード、ロフトは4度ピッチにしています」(岩井)

岩橋の使用するアイアンは一般のピッチングに相当する10番アイアンがあり、そのロフトが42度。以下、46、50、55度のウェッジを入れているのだとか。実際、岩橋本人も、下の番手の距離の打ち分けが安定したことでゲームメイクしやすくなったと実感しているという。

3Wを抜けば、当然その分だけ2オンのチャンスは減る。しかし、もともと2オンのチャンスが少ないのであれば、より3オンの精度を上げたほうが得というのは、たしかに合理的判断と言えそうだ。

「(岩橋は)ヘッドスピード40m/sで飛距離は230ヤードくらいなのでアマチュアのみなさんとぴったり同じくらいではないでしょうか」(岩井)

これを聞いてしまうと、プロでも抜くというのに、我々アマチュアゴルファーがお守り代わりに入れている3番ウッドは一体なんのためにあるのか、と思ってしまう。旬の女子プロにならって、クラブセッティングを見直してみると、スコアアップにつながる、かもしれない。

写真/姉崎正

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