ゼクシオ テンといえば言わずとしれた大ヒットモデルであり、ドライバー、アイアンともに女子ツアーでの使用者が多いクラブ……なのだが、ドライバーに関して言うと、多くの女子プロがちょっと特殊なロフトを使用している。そのロフト、なんと「8.5度」。これ、一体なぜ!?

ゼクシオのドライバーを使う女子プロは多いが、注目すべきはそのロフトだ。市販品としては特注対応となり、普通は店頭に並ばない「8.5度」を使う選手が、実は非常に多い。

画像: 女子プロにモテモテ、「8.5度」のゼクシオテン

女子プロにモテモテ、「8.5度」のゼクシオテン

今季初優勝を挙げた黄金世代の新垣比菜、ベテランの吉田弓美子、昨年初優勝の青木瀬令奈、ほかにも東浩子、新海美優、酒井美紀、香妻琴乃……まだまだ書き切れないほどいる。

なぜ女子プロたちは「8.5度」を使うのか。まずは当の女子プロたちに聞いてみた。

新海美優は、「(ゼクシオ テンは)球が高いのと、スピン量が多かったので、それを抑えるために8.5で打ってます」と教えてくれた。また、青木瀬令奈はゼクシオの8.5度にしたことで、キャリーが伸びたという。

「データだと4ヤードキャリーが伸びています。その分スピン量がちょっと増えるから、(ランで飛ばしていた以前と総飛距離は)変わりはしないんですけど、キャリーが伸びるイコール飛びには直結するかなと思います」(青木)

二人のコメントに共通するのが、「スピンが増える」というキーワード。飛びには通常スピンが少ないほうがいいとされるが、実際は、ある程度スピンが入ったほうがボールに揚力が働いてキャリーが伸びるというケースも多くある。

画像: 見た目は普通のゼクシオだが、構えた顔はやはりロフトがない分だけ精悍に見える

見た目は普通のゼクシオだが、構えた顔はやはりロフトがない分だけ精悍に見える

女子プロが「8.5度」ロフトを選択するのには、女子プロの打ち方とも密接な関係があるというのは、プロゴルファーの中村修だ。

「アッパー軌道でドライバーを打つ選手が多いんです。アッパー軌道で打つことで、ボールのスピン量を減らし、ランを含めて距離を稼いでいるのですが、このとき怖いミスはスピンが減りすぎてドロップしてしまうこと。スピンが程よく入るゼクシオ テンの8.5度は、女子プロたちにとってスピンが減りすぎる心配なく思い切って振っていけるスペックなのでしょう」(中村)

とまあ、理屈はともかくとして、多くの女子プロが使うのであれば打ってみたくなるのが人情。8.5度ロフトのゼクシオ テンを入手し、コースに持ち込んで打ってみた。

いきなり結果を発表しよう。前出のプロゴルファー・中村が、ヘッドスピードを女子プロ帯の40m/s前後に調節して打ったデータだ(5球の平均)。

ヘッドスピード:40.2m/s
ボールスピード:58.5m/s
打ち出し角度:16.5度
スピン量:3093rpm
飛距離:242.1ヤード

参考までに、打ち出し角度16.5度は相当な高弾道。スピン量3000rpmはやや多めといったところだ。ヘッドスピードに対してかなりの高弾道ということになり、ヘッドスピード40m/s平均で飛距離が240ヤード超という好結果につながっている。

「8.5度と言うと、ヘッドスピードの速い人向けと思われるかもしれませんが、ボールの上がりやすさは抜群でした。打ち出し角度が高く、スピン量も多いため、ボールを浮かせられない人にとってはかなり強い武器になりそう。もともと弾道が高い私には正直ボールが上がりすぎますが、女子プロにとっては、思い切ってアッパーブローに打っていける安心感があるのでしょう」(中村)

やさしいヘッドのゼクシオ テンと8.5度のハードスペックの組み合わせは、性能的には「プロモデルの11.5度」と表裏一体のスペック、なのだが、現実にはプロモデルに11.5度の設定はほとんどない。というわけで、「ゼクシオ テンの8.5度」は他に代替物がない唯一性の高いスペックとなっている。それが多くの女子プロにとってピタリとハマるスペックだったというのが、ゼクシオ テンの8.5度が女子ツアーで人気を集めている理由なのだろう。

自分に合うのは9.5度とか決めつけてかかるのではなく、女子プロのように柔軟な発想でスペックを選ぶと、さらに自分に合うクラブの選択肢が広がるのかも。

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