前週の「ニッポンハムレディスクラシック」は気温15度前後の寒さに雨、風の難コンディション。その中で優勝争いを展開したのは比嘉真美子、川岸史果、アン・ソンジュの実力者たちだった。今週の「サマンサタバサレディース」では一体誰が優勝するのか? みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファー中村修が練習日の会場を歩き回って考えた!

前週との気温差20度!

前週の「ニッポンハムレディスクラシック」初日は15度、好スタート切ったのは勝みなみ、永井花奈、新垣比奈の新世代の3人。ところが2日目、気温13.7度、風速6mと寒さに加えて雨と風も吹く難コンディションになった途端にスコアボードを駆け上がってきたのは比嘉真美子、川岸史果、アン・ソンジュ、テレサ・ルーの実力者たち。

結局、最終日の優勝争いの中で抜け出したのは3日間の安定感が抜群だったアン・ソンジュでした。今シーズン3勝目、難コンディションは実力者有利という定説通りの勝利でした。

さて、そんな寒かった北海道から一転、今週の茨城で、選手たちは猛暑の中でのプレーを余儀なくされます。会場のイーグルポイントGC(茨城県)の7月11日(水)練習日の気温は33度。先週との20度近い気温差に各選手もバテ気味の様子。話を聞いた勝みなみも「ちょっと風邪気味で、先週のどが痛くて少し鼻水が……」と、体調管理に苦慮している様子でした。

それでも、まず優勝候補にあげたいのが、まさにその勝みなみ。練習場でアイアンショットの練習をしている姿を見ましたが、毎ショット寸分たがわぬ素晴らしい音をさせていました。先週はドライバーが今ひとつ調子が上がらない様子だったので、そこが改善できればホステス優勝に手がかかります。

画像: 大会スポンサーである「サマンサタバサ」のウェアを着用し、ドライバーを練習する勝みなみ

大会スポンサーである「サマンサタバサ」のウェアを着用し、ドライバーを練習する勝みなみ

そして、今年から導入されたリランキング制度で後半戦の出場権を獲得した伸び盛りの原英莉花。師匠であるジャンボ譲りの飛距離を武器に上位に進出してくるでしょう。小谷健太キャディがバッグを担ぐようになって、マネジメントに変化の兆しが見えるのも好材料。無駄なボギーが減って、持ち前のショット力でさらにチャンスを増やせそうです。

画像: 靴を脱いで練習する原英莉花

靴を脱いで練習する原英莉花

モチベーションの面から見ると、賞金女王レースを引っ張る鈴木愛、2位の成田美寿々、3位のアン・ソンジュが欠場ということで、そのあいだに賞金を積み上げたいランク4位の比嘉真美子に注目です。

新アイアンをテストする様子をみていたところ、「先週より調子いいかも」と本人の弁が聞こえてきました。本当にいい音を奏でていましたし、高弾道で糸を引くような真っすぐの球を連発していました。

結婚を発表したこともあり、精神的にも充実した状態。唯一の課題といえるパッティングも入念に練習していましたので、間違いなく優勝争いに絡んでくるでしょう。

画像: 新アイアンをテストする比嘉真美子

新アイアンをテストする比嘉真美子

最後に実力者でいうと5月の「サロンパスカップ」以来の2勝目を狙うシン・ジエを忘れてはならないでしょう。イーグルポイントはトリッキーなところがさほどなく、実力が素直に出るコース。熱暑のコンディションでも、実力どおりしっかりと優勝争いに絡んでくると思います。

画像: 実力者のシン・ジエにも注目だ。(写真は2018年のアースモンダミンカップ 写真/岡沢裕行)

実力者のシン・ジエにも注目だ。(写真は2018年のアースモンダミンカップ 写真/岡沢裕行)

天気予報では初日から35度と猛暑に突入することを考えると、最終日のバックナインでどれだけの体力と集中力を残せているか。スコアを崩さずに最終ホールに向けて伸ばしていけるペース配分が大切になりそうな今大会。正直、初日を終えての順位はあまり参考にならない。そんな気さえします。初日からマックスの集中力で挑んでしまった場合、この暑さの中で3日連続集中し切るのは至難の業だからです。

気力体力みなぎる勝や原のような若手選手が暑さを吹き飛ばすような勢いあるプレーを見せるか、30歳を迎えて円熟味を増してきたシン・ジエら実力者たちが、みんながみんな疲れる中で技術・経験の差を見せつけるのか。選手たちの歩く様子、そしてその表情までチェックしながら観戦すると、より楽しめるかもしれません。

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