全英オープン初日を終えて、110位タイと出遅れた松山英樹。だが、現地で取材するプロゴルファー・中村修は「悲観するのはまだ早い」と断言する。その理由は!?

全英オープンは2日目が始まり、各選手が続々とスタートして行っています。初日を終え、日本期待の松山英樹選手は4オーバーと大きく出遅れるカタチとなりました。ですが、現地で観ていた印象からすると、現段階であまり悲観する必要はないように感じています。

画像: 全英初日を4オーバーで終えた松山英樹(写真は2018年の全英オープン)

全英初日を4オーバーで終えた松山英樹(写真は2018年の全英オープン)

なぜか。初日の日本人選手のスタート時間と成績をまとめたので、ご覧ください。

<午前>
8:03 小平 +1
8:14 池田 -1
8:36 谷原 +4
8:47 宮里 E
11:04 市原 +7

<午後>
13:37 秋吉 +6
14:04 時松 +1
15:21 松山 +4
15:43 川村 +6
16:05 小林 +11

一目瞭然ですね。午前にスタートした5選手の合計スコアが11オーバーなのに対し、午後スタートの5選手の合計スコアは27オーバー。もちろん、日本人選手に限った話ではなく、全体的な傾向として、午後スタートのほうが(正確な数字ではなく、印象としてですが)平均3、4打はスコアが悪い。初日を終えて2位タイまでに入った4選手は、全員が午前スタートです。

なぜ午後のほうがスコアが悪いか。理由は大きく2つ。まずは風です。午前中は全英オープンのイメージとはかけ離れた、穏やかな風が吹き、半袖でプレー可能なコンディション。

それに対し、午後は体感値で2〜5メートルほどの風が吹きました。とくにフォロー(追い風)のホールでは、ティショットが着弾してからの転がりに大きく差が生まれ、そのあたりの計算は午後組のほうが確実に難しかったと思います。当然、午後のほうが体感温度も大きく下がりました。

続いてがグリーン上の芝の影響。カーヌスティのグリーンの芝には「ポアナ」という種類の芝が入っているのですが、このポアナは他の芝種に比べて生育が早く、午後になるとグングン伸び、それがボールに予測不能な転がりを与えることで、「入ったはずのボールが入らない」ケースが散見されたのです。松山選手は、この影響を多く受けていました。

見ている限り、ショット、パットともに、スコアほどには悪くありません。スタート直後はイマイチ調子が上がらない様子だった松山選手ですが、9番ホールの左のラフから打ったときに、なにか感じをつかんだ雰囲気がありました。そのホールのグリーン奥で、感覚をたしかめるようにシャドースウィングを繰り返し、10番からはナイスショットを連発。

ただ、その10番で放った3番ウッドでの会心の一打が転がり過ぎて400ヤード先のクリークに入ったり、11番ではティショット、セカンドともにナイスショットしたものバーディパットが入らないなど、どうにも噛み合わない様子でした。

もともと松山プロはスロースターター。初日の出遅れは残念ですが、まだ3日あります。優勝のチャンスまで、まだまだあると思います。

撮影/姉崎正

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