USTマミヤの「The ATTAS(ジ・アッタス)」がデビューして1カ月余り、アッタス歴代9モデルの集大成といえる性能に、早くも多くのゴルファーが食いついている。そこで、「クラブの評価ならオレにまかせておけ」のプロゴルファー・関雅史に、市場で人気のヘッド5機種に「ジ・アッタス」を装着し、どんなヘッドが合うのか、試してもらった。

アッタスシリーズの10代目として開発されたシャフトは、粘って走る“粘走り(ねばしり)系”というこれまでにない特性を備え、どんなヘッド、どんなゴルファーでも持てる力を最大限引き出せるというもの。

具体的には手元側からシャフト全体が滑らかにしなる構造。そのためダウンスウィングではよくしなり、粘る感覚が得られる一方、インパクトではシャフトがしなり戻ってボールを弾いてもくれる。粘って走り、しなって弾くという、クセのない挙動が最大の特徴だ。

クセがないだけに、ジ・アッタスはどんなヘッドにも合いそうに思えるが……実際に打って試してみようというのが今回の企画趣旨。

画像: ジ・アッタスの6S(ローグ スターのみ5S)にヘッド5機種を組み合わせてプロゴルファー・関雅史が試打。「GC2」で3球ずつ計測した平均を掲載した

ジ・アッタスの6S(ローグ スターのみ5S)にヘッド5機種を組み合わせてプロゴルファー・関雅史が試打。「GC2」で3球ずつ計測した平均を掲載した

ヘッドにはそれぞれ違った特性があり、ゴルファーのスウィングもそれ以上にさまざまななか、万能で万人向きのシャフトなんてあるのだろうか。5機種のヘッドの特性とマッチするタイプの詳細を見てみよう。

ブリヂストン「ツアーB XD-3」の飛びを、ジ・アッタスが加速させる

カーボンと金属弦(アモルファス金属)の異素材ハイブリッド構造のヘッド。カーボンのたわみやすい特性に強靭で復元力の高い金属弦を組み合わせることで、インパクトのエネルギーでたわんだクラウンが強く弾き返すという“筋金入り”のヘッドだ。

そのヘッドに、ジ・アッタスの「6S」を合わせて、試打した。

画像: クラウンのカーボンに金属弦を組み合わせたハイブリッド構造のブリヂストン「ツアーB XD-3」

クラウンのカーボンに金属弦を組み合わせたハイブリッド構造のブリヂストン「ツアーB XD-3」

「これまでのブリヂストンのモデルとはちょっと違って、外ブラっぽいところがあり、寛容性もオートマチック性も高い。“筋金入り”が生む弾き感は、このシャフトでさらに生きてくる感じですね。ダウンスウィングとフォローとでしなり感が変わるのがジ・アッタス。ダウンでは粘り、フォローでは弾くので、インパクト以降の開放感がたまらないんです」(関)

とくに、“振れる”アスリートゴルファーには文句なしにはまるだろうというが、万人向きとはいっても「このヘッドだと、年齢から言ったら50歳代が限界でしょうね。それ以上になるとちょっと厳しいかな」と評価を聞かせてくれた。

画像: 「ツアーB XD-3」の筋金入りのクラウンの弾きとジ・アッタスの弾きが大きな飛距離を生む

「ツアーB XD-3」の筋金入りのクラウンの弾きとジ・アッタスの弾きが大きな飛距離を生む

【計測データ】
ヘッドスピード 47.2m/s
打出し角    10.8度
スピン量    2610rpm
飛距離     275ヤード

ブリヂストン「ツアーB XD-3」とジ・アッタスの相性はダウンで粘りフォローではじく特性との相乗効果でバッチリ。ただしアスリートモデルゆえにある程度のヘッドスピードが必要なようだ。

ミズノ「MP タイプ2」操作性の高いヘッドにクセのないしなりがマッチ 

フェースのたわみをより大きくしたことで、初速アップと同時に高初速エリアも大幅に広くなったというのが売りのミズノ MPタイプ2。操作性狙いのタイプ1に対してヘッドが大きく、ミスに対する許容性が高くなっている。合わせるのは、ジ・アッタスの6Sだ。

画像: 飛距離とミスに対する許容性を両立させたミズノ「MPタイプ2」

飛距離とミスに対する許容性を両立させたミズノ「MPタイプ2」

「ソールに溝を設けるなど、ミズノっぽくないところもあるけれど、反発がいいし、タイプ1ほどではないにしても操作性だってしっかりある。何よりMPの素晴らしいところは、プレーヤーの意図が伝わりやすいことで、『フェードを打とう』とイメージすればそれに応えてくれる」

画像: 操作性の高い「MPタイプ2」とクセのないジ・アッタスのマッチングも良かった

操作性の高い「MPタイプ2」とクセのないジ・アッタスのマッチングも良かった

言い換えるとコントロール性に優れているということになるが、こうしたヘッドにはクセのないシャフトがベストマッチなのだという。

「ジ・アッタスは先端と手元がしっかりで中しなりだから、ヘッドが持つコントロール性がますます生きてくる。操作もしやすいし、ヘッドスピード的には43m/s以上のアスリートクラスにズバリでしょうね」(関)

【計測データ】
ヘッドスピード 47m/s
打出し角    12.3度
スピン量    3249rpm
飛距離     267ヤード

5機種中のベストマッチ! 大慣性モーメントの良さがフルに出た「G400 MAX」

これまでのG400よりも大型化。それとともに慣性モーメントが大きくなり、さらにブレなくなったというのがピンのG400 MAXだ。

画像: G400シリーズの460㏄版。慣性モーメントが大きくブレずに飛ばせるピン「G400 MAX」

G400シリーズの460㏄版。慣性モーメントが大きくブレずに飛ばせるピン「G400 MAX」

「慣性モーメントが大きいということは、重心深度が深いし、重心距離も長め。こうしたヘッドには先端が硬めのシャフトのほうがヘッド挙動が安定しやすく、その意味ではジ・アッタスは最高でしょう。しかも感覚的には、中間のしなり戻りがスムーズなので先が硬い感じは全然ないんです」(関)

画像: 高慣性モーメントのヘッド「G400 MAX」は先端が硬めのジ・アッタスで最大限のパフォーマンスを引き出す

高慣性モーメントのヘッド「G400 MAX」は先端が硬めのジ・アッタスで最大限のパフォーマンスを引き出す

慣性モーメントの大きさを生かすならベストマッチングで、プレーヤーとヘッドそれぞれのパフォーマンスを最大限に引き出してくれる、と絶賛だ。実際、飛距離も最大級だった。

【計測データ】
ヘッドスピード 46.8m/s
打出し角    10.0度
スピン量    2587rpm
飛距離     278ヤード

「ジ・アッタスの本領がもっとも発揮できるヘッドのひとつですね。重心深度が深いからもともと球がつかまるので、『ティショットがどうも苦手』というアスリートゴルファーにもいい結果が得られるだろうし、重量を落として“5S”くらいにするともっと幅広い層に対応できそう。慣性モーメントが大きいので、ドローヒッターでもドローしすぎるという不安がなくなるのもいいですね」(関)

6Sでももちろんいいが、5Sのような軽量モデルでも良さそう。

テーラーメイド「M3」はさらに低スピン弾道に

多くのゴルファーが当たりやすいのがトウ寄りの上とヒール寄りの下。その結果低弾道フックや高弾道スライスになって飛距離をロスしやすいが、ツイストフェースがこれを抑え、同時に初速アップとスウィートエリアの拡大を実現。安定して飛ばせるというのが今年の大ヒットモデル「M3」の特徴だ。

画像: ツイストフェースでミスヒットに強いテーラーメイド「M3」

ツイストフェースでミスヒットに強いテーラーメイド「M3」

「重心深度が浅めなのでスピン量が少なく、強い球が出て操作性もいけど、ジ・アッタスを組み合わせるとますますスピン量が減る感じですね。シャフトが粘りながらインパクトゾーンに入ってくるので、フェースのやや上めに当たるからでしょうか。その意味ではヘッドにマッチしていると思います。先端強度が高いのでヘッドの挙動が安定するし、ヘッドでもシャフトでも曲がりが抑えられる印象です」(関)

画像: 低スピンヘッド「M3」とジ・アッタスはさらに曲がりが少なくなる組み合わせだ

低スピンヘッド「M3」とジ・アッタスはさらに曲がりが少なくなる組み合わせだ

ヘッドが持つポテンシャルをより引き出してくれるので、広い意味で言えば万人向きだが、とりわけ自分をよく知っているアスリートゴルファーにとっては、好結果が得られそうという。

【計測データ】
ヘッドスピード47.5m/s
打出し角   12.3度
スピン量   2274rpm
飛距離    277ヤード

「もうちょっとロフトを多めにしてもよさそうだし、あるいは5Sくらいにすれば、ヘッドスピードがそんなに速くなくても飛ばせる可能性大です」(関)

こちらも6Sでも5Sでも、さらには他のシャフトでも、幅広いスペック選びに応えてくれそうな組み合わせと言えそうだ。

50グラム台のSシャフトがドンピシャ! キャロウェイ「ローグ スター」

大きな話題になったジェイルブレイクテクノロジーをさらに進化させた構造で、より薄肉化したフェースと相まってボール初速がアップしたというヘッド。また重心距離も短めに抑えられていて、スクェアインパクトしやすく、自然にドローボールが出るというのが売りなのが、キャロウェイのローグ スターだ。

ヘッドの特性をかんがみて、関は他の4モデルとは異なり、シャフトを「6S」から「5S」に変更。軽くした分、ヘッドスピードを47m/sから40m/sに落として試打。結果はどうか。

画像: フェースの奥に進化した2本の柱で初速がアップしたキャロウェイ「ローグ スター」

フェースの奥に進化した2本の柱で初速がアップしたキャロウェイ「ローグ スター」

「もともとつかまりやすくて、上がりやすいしスピードも出るヘッドだけど、ジ・アッタスだとますます楽になりますね。きれいなドローボールになる。40~43m/sあたりを中心に、だれでも気持ちよく振れるんじゃないかな」(関)

画像: ジ・アッタス50グラム台のSシャフトと「ローグ スター」との組み合わせは誰でも気持ちよく振れる

ジ・アッタス50グラム台のSシャフトと「ローグ スター」との組み合わせは誰でも気持ちよく振れる

【計測データ】
ヘッドスピード 40.3m/s
打出し角    11.7度
スピン量    2494rpm
飛距離     228ヤード

つかまりやすいヘッドなので、このモデルのみ5Sにしてみたが?

「狙い通りドンピシャですね。一般に先端が硬いとつかまりやすさを相殺してしまうことがあるが、ジ アッタスはダウンスウィングで粘りがあるので、それがない。ヘッドの持ち味がそのまま生かせるというか、不思議な感覚です。先端がしっかりしているから、アンダーめから入ってもOKだし、スライサーには最高でしょう」

ヘッドの持ち味を引き出す「ジ・アッタス」

ゴルファーの間で安定した人気を誇る5つのヘッドは、それぞれに個性がある。これに同じシャフトを挿したら、ヘッドの持ち味を殺してしまうケースもあるのでは?

テスト前にはこんな不安もあったけど、まったくの心配無用。ジ・アッタスの万能性が十分に実証された。関も「一度打ったらスタンダードになってしまいそうなシャフト」と太鼓判を押す。

「悪く言えば個性がないと言えなくもないけれど、逆にその点こそが強烈な個性で、さすがにアッタスの集大成というだけのことはありますね。ヘッドの持ち味をストレートに伝えてくれるので、アマチュアの人はこのシャフトでいろいろなヘッドを試してみると、自分のベストスペックが見つけやすいと思います。ツアーでもますます関心が高まりそうですね」(関)

ジ・アッタスで、自分史上最高飛距離の組み合わせを、見つけてみては?

(写真/小林司)

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