RIZAP KBCオーガスタで初優勝を遂げた25歳の出水田大二郎。最終日、後続の選手が追い上げる苦しい展開の中、勝ち切る姿は新たな大器の誕生を予感させた。「松山英樹に雰囲気が似ている」とも言われるホープのスウィングを、プロゴルファーの中井学が解説!

昨年初めて賞金シードを獲得したばかりということもあり、「これからの選手」と正直思っていた出水田大二郎選手。初優勝のプレッシャーのかかる中、最後まで崩れず、パットもしっかり打ち、スウィングも腕がしっかり振れていましたし、見事な勝利でした。

さて、体格も大柄で、キャップのロゴはスリクソンで、見た目にはちょっと松山英樹選手に似ている出水田選手ですが、両者のスウィングは大きくイメージが異なります。

画像: 183センチ、80キロの体格を誇る出水田。181センチ、90キロの松山と似た体格だ(撮影/姉崎正)

183センチ、80キロの体格を誇る出水田。181センチ、90キロの松山と似た体格だ(撮影/姉崎正)

一言でいえば、松山選手はフェースローテーションを抑えたスウィング。出水田選手はフェースローテーションを積極的に使うスウィングをしています。前者はどちらかといえばボールを運ぶイメージ、後者はボールを飛ばすイメージで、どちらが優れているというものではありませんが、タイプは違います。

たとえば、テークバックでほぼ同じポジションにきたときの、右ひじの“見える量”を比べてみましょう(画像1)。松山選手(右)に対して出水田選手(左)は右ひじの見える量が多いことがわかると思います。試してみるとわかりますが、これはアームローテーションの量の違いを顕著に物語っています。

画像: 画像1。出水田(左)は松山(右)より右ひじの見える量が多い。それだけアームローテーションが多いことを意味する(撮影/岡沢裕行)

画像1。出水田(左)は松山(右)より右ひじの見える量が多い。それだけアームローテーションが多いことを意味する(撮影/岡沢裕行)

世界的に見ると、タイガー・ウッズ、アダム・スコットらはアームローテーションを使うタイプ。ダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカらはローテーションを使わないタイプです。ローテーションの多いスウィングは、つかまりすぎると左にミスが出ますが、飛距離的には飛びますし、見た目にも非常にかっこいいんです。

出水田選手のスウィングは、生でみるとしなやかで、柔軟な印象を持っていましたが、今回改めて連続写真の状態で見てみると、ポジションごとにカチッと決まっていて、“ピクチャーパーフェクト”。実にカッコいいスウィングをしています。

25歳と若く、スウィングの見た目もバッチリ。松山英樹選手との比較でいえば、柔の出水田、剛の松山といったところでしょうか。松山選手に負けない活躍を、今後期待したいですね。

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