年間王者となれば約11億円(1000万ドル)のビッグボーナスが手に入るPGA(米男子)ツアーのフェデックスカップ。そのプレーオフ2戦目は年間王者を占う大事な1戦だ。そして、このデル・テクノロジーズ選手権はもうひとつ注目される要素があるのだが……ツアー通算9勝の佐藤信人が予想&解説!

プレーオフ第2戦はデル・テクノロジーズ選手権です。第1戦を終えて生き残った100位までの選手のうち98名(フランチェスコ・モリナリ、リッキー・ファウラーは欠場)がエントリーしています。この大会を勝ってフェデックスカップの年間王者になった選手がこれまで4人おり、ロリー・マキロイ、ジャスティン・トーマスとここ2年連続でこの試合の勝者がそのまま年間王者に輝いています。

年間王者を占う大事な1戦ということで優勝候補としては、連覇を狙うトーマスをはじめ、メジャー年間2勝のブルックス・ケプカ、まだ年間王者に輝いたことがないダスティン・ジョンソンやジェーソン・デイ、2度目の年間王者を狙うマキロイやジョーダン・スピースといったスター達の名前がずらっと並びます。

画像: メジャー年間2勝のブルックス・ケプカは初の年間王者となるのか(写真は2018年全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

メジャー年間2勝のブルックス・ケプカは初の年間王者となるのか(写真は2018年全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

今週のもうひとつの注目点としてライダーカップメンバー選考があります。アメリカチームはすでに12名中8名は決まり、4名のキャプテン推薦のうち3名がこの大会の後に発表されます。ヨーロッパチームは今週が終わった時点でランキングによる8名が決定します。

ヨーロッパの8名のうち7名はすでに抜かれる可能性がないので決まっています。ランキング8番目の座をトービヨン・オールセン、マシュー・フィッツパトリック、エディー・ペパレルが今週デンマークで争うことになります。PGAツアーの試合はこの8名の決定には関係ありませんが、残りの4人をキャプテンが選ぶ際に重要になります。

アメリカチームのキャプテンであるジム・フューリックは今のままで行くとタイガー・ウッズとフィル・ミケルソンは確実に選び、もうひとりはデシャンボーが今のところ有力だと思われますが、今週このふたりのどちらかが勝つとフューリックは頭を抱えることになると思います。

画像: 復活のタイガー・ウッズはほぼ確実にライダーカップメンバーとなりそう(写真は2018年全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

復活のタイガー・ウッズはほぼ確実にライダーカップメンバーとなりそう(写真は2018年全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ひとりはトニー・フィナウ。今季はトップ10が9回、メジャーでのトップ10が3回、予選落ちもわずか3回とシーズンを通して安定しています。全米プロではまるで面接かのようなジム・フューリックと同組での予選ラウンドでしたが、初日の非常に苦しいスタートからしっかりと予選を通ったことで充分にしぶとさや我慢強さは伝わってることでしょう。

ふたり目はケビン・キズナー。今季は昨季に比べるとやや安定性に欠けてますが、フェアウェイキープ率が高いことやパッティングのスタッツが素晴らしいことは変わりません。ライダーカップ会場のル・ゴルフナショナルはとにかくフェアウェイが狭くタフなコースなので、キズナーの特長が活きるコースだと思います。メジャーでも優勝争いをしましたし、何と言っても昨年のプレジデンツカップでのミケルソンと組んで無敵だったイメージが強く残っています。

ヨーロッパチームの方が8名が決まった後の4名を決めるのは大変かもしれません。プレーオフ進出ならなかったセルヒオ・ガルシアは選ばれるのか。ヘンリク・ステンソンの肘の具合は大丈夫なのか。ライダーカップ男のイアン・ポールターの選出は絶対なのか。キャプテンのトーマス・ビヨーンの「若い人たちに託したいんだ」というような微妙な発言も出ていて誰が選ばれるのかまったくわかりません。ヨーロッパ選手からも注目選手として2名を挙げたいと思います。

まずはポール・ケーシー。ここ2カ月ほど良い成績が出ていませんが、今大会は昨年が4位タイ、一昨年が2位と非常に相性の良い大会です。アメリカでの家族との生活を優先させるために数年前にヨ
ーロピアンツアーメンバーの保持を諦めましたが、ライダーカップにやはりもう1度出たいということで今季からまたメンバーに復帰しました。得意コースで再度アピールしたいところです。

画像: 大会との相性が良いポール・ケーシー。ライダーカップメンバーとなるかどうかも注目だ(写真は2018年トラベラーズ選手権 撮影/岡沢裕行)

大会との相性が良いポール・ケーシー。ライダーカップメンバーとなるかどうかも注目だ(写真は2018年トラベラーズ選手権 撮影/岡沢裕行)

もうひとりはラファ・カブレラベロ。前回のライダーカップは初出場でしたが、3マッチ負けなしで2.5ポイントを獲り活躍しました。今季はヨーロピアンツアーが一番華やかな7月のフランス・アイルランド・スコットランドで3週連続予選落ちを喫しました。全英オープンで苦しみながらなんとか予選を通過してからは順調に回復している感じで、予選落ちもなく全米プロではトップ10に入りました。今週優勝争いに入ってくれば間違いなくキャプテンの頭を更に悩ませることになるでしょう。

フェデックスカップ争いもますます激しさを増しますが、ライダーカップメンバーの選出争いからも目が離せません。

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