フルモデルチェンジのタイトリストTSシリーズ！ 実力やいかに
タイトリストは近年「915」「917」といったシリーズでドライバーを展開してきたが、今年一気にフルモデルチェンジ。「TS」という新シリーズを発表し注目を集めている。「TSシリーズ」は、タイトリスト伝統のアスリート向けモデルの系譜に連なる「TS3」と、球のつかまりや上がりやすさが付加された「TS2」の2モデルがラインナップ。
マーク金井（右）が試打し、杉山クラフトマン（左）に話を聞いた
その「TS2」「TS3」の試打クラブが入荷したという噂を聞きつけた“人間試打マシン”の異名を誇るクラブアナリスト・マーク金井「ゴルフ5西葛西店」におもむき、クラフトマンの杉山智徳さんとともに試打を行った。
黒と赤を基調にするカラーリングは踏襲しながらも、ソールのデザインもガラリと一新
試打はまず「TS2」からスタート。マーク金井は、構えるやいなや「VG3にそっくりですね！」とひと言。ヒール側にボリュームのあるヘッド形状やシャローフェースなどの構えた印象が、つかまりやすそう、上がりやすそうと感じさせ、タイトリストの日本向けモデル「VG3」に近い印象を受けたという。
構えたときの安心感にもVG3を感じさせる
「これは従来のタイトリストの917のシリーズとは、ガラッと変わりましたね。見た目どおり球がつかまるし上がりやすい。フェースの弾きもいいので、初速も出ていて、やさしく飛ばせるドライバーと言っていいんじゃないでしょうか」とマーク金井。ソールしたときのすわりもよく、とても構えやすいドライバーだと評価する。
ヘッドスピード43.8m/sでトータル260Yの飛距離。ボール初速も63.8m/sとかなり出ている
杉山クラフトマンも「たしかに、従来の感覚ではタイトリストらしくないクラブかもしれませんね。ヘッド重量も917より軽くなっていて、シャフトも約50グラム。かなり“振りやすさ”を重視した設計と言えると思います」と話す。
こういった進化は、ジャパンマーケットを強く意識した結果だろうとマーク金井は分析する。
「日本でヒットした商品は、世界でも売れるという傾向があるんです。そこで、日本向けのVG3で培った、深い重心と重心アングルで球をつかまえるという“飛ばし”にフォーカスした機能を、インターナショナルブランドにも取り入れてきたんでしょうね」（マーク金井）
ソール後方のウェートによって深重心化し、つかまりと球の上がりやすさがアップ
これは、日本のタイトリストファンにも嬉しい進化だと杉山クラフトマンは言う。
「従来のタイトリストがちょっとしんどいなと感じ始めている年配のプレーヤーにも扱いやすいクラブになっています。飛距離も出ますので、今までタイトリストを敬遠していた層にも、ぜひ手に取ってみてほしいですね」（杉山クラフトマン）
TS3は917の正統後継モデル
続いて「TS3」をテスト。こちらはシャフト重量も60グラム台で、ヘッドの形状も「TS2」よりもシャープな印象。
「こっちは917の正統後継モデルという感じですね。ヘッドは917よりもやや低重心になったのか、球が強くてスピンの少ない球が出ました。ヘッドスピードの速いアスリートが、左へのミスを恐れずに思い切って叩けるモデルです」とマーク金井。
TS3のデザインもかなりシンプルになり「X」状のデザインが特徴的
マーク金井の試打データを見て「かなりボール初速が速いですね。僕が打ったときにも、かなり初速がでていて、飛ぶなという印象を受けました」と、杉山クラフトマン。これに対し、マーク金井は「これは多分、スウィートエリアが拡大した影響でしょうね。いつも芯で打てるから、ミート率が上がって初速が出る。実際、飛距離性能は高いと思います」と分析する。
TS2に比べると操作性が高そうなTS3
「TSシリーズは、従来のラインナップで言うと、TS2はVG3に近く、TS3は917に近い。その意味では2つのモデルの差がハッキリ出て、つかまりのよさや安定した飛距離を求める人はTS2が、操作性や球の強さ、叩けるしっかり感を求める人はTS3が合うと思います。また、TS2には調節機能がついておらず、TS3にはネックの調節機能やソール後方のウェートバーがあるのでそういった調節機能を求める人はTS3がいい。どちらも飛距離性能は高いので、自分の求める機能に応じて選ぶといいと思います」（マーク金井）
TS3にはウェート調節機能なども備わっている
このタイトリスト「TS」シリーズは9月6日(木)から全国のゴルフ5店舗で試打できる。秋のベストシーズンに向けて、ゴルフ5にニュークラブをチェックしに行ってみよう！
撮影／小林司