日本ツアーとアジアンツアーの共同主管で開催されるアジアパシフィック・ダイヤモンドカップには、21カ国から132名の選手が出場する。そこで、ツアー通算9勝の佐藤信人が注目の外国人選手をピックアップ!

日本ツアーとアジアンツアーの共同主管競技のアジアパシフィック・ダイヤモンドカップが埼玉県の武蔵カントリークラブ笹井コースで行われます。

日本ツアーはこれから賞金王争いや65位のシード権争いが次第に熾烈になっていきます。一方アジアンツアーもメジャー・WGCを除く30試合のうちの21試合目ということで後半戦に入ったところではありますが、アジアンツアーの選手からするとこの秋のCIMBクラシックやWGC- HSBCチャンピオンズといった大きな大会への出場権争いが今まさに熾烈で、ダイヤモンドカップは賞金額が大きいため今週はアジア側の選手の方がモチベーションが高いかもしれません。

10月7日Yeangder TPC終了時のアジアンツアーの賞金ランク上位10名がマレーシアで行われるPGAツアーのCIMBクラシックに出場できます。上位4名はさらにWGC- HSBCチャンピオンズにも出場できるとあって、アジアンツアー上位の選手たちはダイヤモンドカップも含めてあと3試合は賞金ランクを気にしながらのプレーとなることでしょう。

ガガンジート・ブラーは現在賞金ランク4位につけるインドの30歳の選手で、アジアンツアー9勝とインド人選手としては最多勝利数を誇る実力者です。手首の怪我で思うように行かなかった2014〜2015年を除くと2009年からアジアンツアーでは毎年勝利を重ねています。特に今年は欧州ツアーとの共催フィジー・インターナショナルで勝利し、来シーズンまでの欧州ツアー出場権を獲得しました。

画像: 現在アジアンツアー賞金ランク4位のガガンジート・ブラー(写真は2018年のダイヤモンドカップ)

現在アジアンツアー賞金ランク4位のガガンジート・ブラー(写真は2018年のダイヤモンドカップ)

ブラーの最大の武器は曲がらないドライバー。昨シーズンの欧州ツアーのフェアウェイキープ率はラウンド数は少ないものの82.9%と驚異的な数字で1位を獲得しました。林間でタイトな印象の笹井コースでは曲がらないティショットは間違いなくアドバンテージになることでしょう。

スコット・ビンセントはジンバブエ出身の26歳。アジアンツアー3年目の選手です。178センチ、68キロとやや小柄な印象を与えますが、飛距離も出ますし、穴がないオールラウンドな選手です。

ビンセントはアメリカのバージニア工科大学出身でオールアメリカ1stチームにも選ばれたことがあるいわゆる大学のスタープレーヤーでした。大学卒業後にプロ転向してカナディアンツアーからアジアンツアーへと拠点を移し、まだ優勝はありませんが賞金ランクも1年目は29位、2年目が17位、3年目の今年が現在5位と着実に力をつけている印象です。今季はアジアンツアー15戦中半分以上の8試合でトップ10入りしており、先週韓国でも優勝争いを演じて単独2位でフィニッシュしています。

最終的にはPGAツアーでプレーしたいと公言しています。WGC-HSBCの出場権は当然モノにしたいでしょうし、今年の賞金ランク2位以内で終えれば来年のWGCメキシコ選手権に出場出来ます。賞金王になれば欧州ツアーのシード権や全英オープンの出場権など今週の活躍次第でいろんな可能性が大きく出てきます。

プーム・サクサンシンはタイの25歳で現在アジアの賞金ランク22位、日本の賞金ランクは63位につけています。昨年のダイヤモンドカップでは最後まで優勝争いを演じて片岡大育選手に2打差で敗れました。秋に日本のクオリファイングトーナメント(編注:翌年のツアー出場権を争う試合)を受験し81位に終わりましたが、共催試合で上位に入りリランキングで大きく浮上しシード権に手が届く位置に現在います。

画像: 稲森と同じくショットの正確さが武器のタイ人選手プーム・サクサンシン(写真は2017年のダイヤモンドカップ 撮影/姉崎正)

稲森と同じくショットの正確さが武器のタイ人選手プーム・サクサンシン(写真は2017年のダイヤモンドカップ 撮影/姉崎正)

サクサンシンは日本の稲森佑貴選手のように飛距離よりも正確性で勝負をするタイプです。今年の日本ツアーのフェアウェイキープ率では稲森選手に次ぐ2位、パーオン率は5位とそのショットメーカーぶりが伺える数字を出しています。

ロングヒッター向きだった今年のフジサンケイクラシックでは予選落ちに終わりましたが、武蔵カントリークラブのようなコースの適性は非常に高いと思います。

21カ国から132名が出場する普段の日本ツアーにはない国際色豊かな雰囲気が特徴の試合です。誰が日本とアジア両ツアーの2年シードを獲得するでしょうか。

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