マネジメントの発明者と言われるピーター・ドラッカーの考え方をベースにした独自の「ゴルフ・マネジメント学習法」を考案、ベストスコア110がわずか半年で80切りに至るまでに上達したドラッカー研究者の飯田利男。自身の理論を若いゴルファーにもぜひ実践して欲しいと実施した、ベストスコア110~130の20代の男女を対象にした特別講義に潜入してみた。果たしてその内容は……!?

「まずゴルフ上達のために練習でやるべきことが3つあります。1つ目は“今日の課題に集中すること”。2つ目は“線でつながった練習をすること”。3つ目は“核となる課題を見つけること”です。長年、なかなか上達しないゴルファーは、これらのことを練習で意識できていないことが多いです。」(飯田、以下同)

ドラッカーの理論ということでかなり難解なものだと身構えていたが、言葉としてはシンプルで簡単で一安心。それぞれ詳しく解説してもらおう。

「まず“今日の課題に集中すること”。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、意外とみなさん出来ていない。レッスンなどで腰をもっと回せとか、どうのこうの言われることが多いかと思うのですが、言われているうちに自分が今日何をしようとして練習してるのか分からなくなってしまう。人間の集中力は脆弱で、色々な事を言われたり、もしくは偶然ナイスショットしてしまったりすることで、自分の今日解決すべき課題のことをすぐに忘れてしまう。まずは練習する前に、自分が今日どんな課題を持って何を練習するかというのを頭に入れて一打一打集中して練習することが必要です」

最初は“ここを気を付けて練習しよう”としていても、新たな課題を指摘されたり、すごく良い球を打てたりすると、その新しい感覚によって今日の課題の意識はどんどん薄れていってしまう。結果、たくさんのことを漫然と意識しながら練習することになってしまい練習効率が悪くなってしまうのだ。

画像: 受講者が記入しているのはゴルフ・マネジメント学習法の要である「フィードバック手帳」。これに記入することで、自分の現状や課題を把握できる

受講者が記入しているのはゴルフ・マネジメント学習法の要である「フィードバック手帳」。これに記入することで、自分の現状や課題を把握できる

では“線で練習する”とはどういうことだろう。

「たとえば今日練習して、腰をここまで回したらいいボールが出たから次の練習でも意識してやろうと思っても、一週間くらいしたときに、そのとき(前回)の良い感覚や、何を注意したらいいのかは、おそらく忘れてしまっています。とくに感覚的なところははっきりと思い出せないことが多い。前回やったことの延長線上として今日の課題があるという風にしないと上達速度はずっと遅いままです」

良かったときの感覚、悪かったときの感覚を、なるべくはっきりと呼び起こせるようにしないと、練習が“線”とならず、次につながらなくなってしまうのだ(どうすれば練習が“線”になるかは後述)。

画像: マネジメントの考えを取り入れることで練習は“線”となる

マネジメントの考えを取り入れることで練習は“線”となる

最後の“核となる課題を見つける”とはどういうことか?

「僕はインパクトするときに右肩が突っ込むクセがあるのですが、意識して直しても3カ月くらい経つとまた(そのクセが)出てきます。しかし、それを意識して直し続けることで、はっきりとスコアが上がります。人によってそれぞれある、これを直せばスコアが良くなるという大きな課題を、先ほどの線でつながった練習で見つけることが重要です」

「核となる課題を見つける」というのはドラッカーもビジネスにおいて一つの目標に設定していたことであり、ゴルフ上達のための最重要課題でもある。

これら3つのことを実現し、結果に結び付く練習をするためには具体的にどうすればいいのだろう。ここに経営コンサルタントとして「核となる課題を見つけ、他者に的確なアドバイスを送る能力」に優れていたドラッカーのビジネス理論が生きてくる。

「まず必要なのは現状の把握。自分がいまダフる傾向が強いのか、スライスする傾向が強いのか等、ゴルファーとしての自分を観察します。そしてたとえばスライスする傾向があるなら、自分はなぜスライスしてしまうのか、間違ってもいいから自分で分析して原因となる問題の解決を課題・目標として設定してみてください」

まずは自分で傾向を把握し、その解決策を考える。それができたら、お次は検証作業だ。

「設定した課題・目標を意識して実践した結果、効果がなければそれは自分にとって正しくない目標・課題だったということが分かるので、また新たに設定しなおします。成果の出た正しい目標・課題だけを残して練習していくことで一つ一つの練習が線でつながった練習となり、これを繰り返すことでいずれ核となる課題が見つかってきます」

目標を設定して、成果と照合することを繰り返す「フィードバック」の概念はドラッカーの世界観の中核をなすもの。この考え方がゴルフの上達につながるということだ。

画像: スコアが110〜120台のゴルファーを対象に、ゴルフのマネジメント講義が実施された

スコアが110〜120台のゴルファーを対象に、ゴルフのマネジメント講義が実施された

この練習メソッドの実践方法として4つの視点ごとに目標を設定・照合する「フィードバック手帳」を使った学習法を飯田さんは推奨している。

「これから練習で注力していきたいこと、定点観測していきたいことを思い浮かべ、4つの視点を決めましょう。たとえば“アドレス”や“ビジネスゾーン”などのようなものです。次に、それぞれの視点ごとに、具体的な目標を記入します。たとえばアドレスなら“前傾姿勢を意識する”“背骨と頭のラインをまっすぐにする”といったもの。実践したら成果や発見を目標の下の欄に記入します」

この方法を、実際にベストスコア110~130の男女4人に実践してもらった。4つの視点は、普段彼らを教えたこともあるゴルフコーチ・江口寿和に「アドレス」「インパクトゾーン」「ルーティン/リズム」「ボールコントロール」と設定してもらった。

実践した20代女性の方はこう語る。

「スクールにまめに通っているんですが、色んな先生に色んなことを言われて、その度に言われたところをその場で直すということを繰り返していて、その場では良くなってもすぐにまた悪くなってしまったりして、安定しませんでした。こうやってそもそも自分の課題は何なのかを考えて、その解決に具体的に取り組んでいくことで、安定していい状態をつくれるんじゃないかと思うので楽しみです」

もちろんすぐに上達が実感できた生徒はいなかったが、体験した4人が口をそろえていったのは「期待」「楽しみ」という言葉。飯田自身、この練習法を始めることで、上達を感じられるより先に、まず練習にいくのが楽しくなったそうだ。

一日だけではなく継続して行うことで意味が生まれる、このゴルフ・マネジメント学習法。みなさんも試してみてはいかがだろうか

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