2019年の主役候補となるであろうドライバーが発表された。「ミズノプロ モデルE」、そして「ミズノプロ モデルS」のふたつのドライバーだ。国産ブランドの威信をかけたこのドライバー、一体いかなるものなのか。12月14日の発表会での情報を、いち早くお届けする。

禁断の素材・βチタンでミズノ史上最高反発を実現した

ミズノプロのアイアン3モデルが世に出たのは2017年9月のこと。フィッティングを前提とした販売という特殊な販売形態ながら、ミズノプロ118、518、918の3モデルハズレなしのすべてが名器という評価を受けたこともあり、異例のヒットモデルとなった。その後、今年に入って319、719という2モデルを加えラインアップは充実を続けているが、ファンからはこんな声が挙がっていたのも事実だ。

「ドライバーは、まだか」

その問いに対する答えが、発表会で示されたことになる。それが、ミズノプロ モデルEとミズノプロ モデルS、ふたつのドライバーだ。

画像: 左がミズノプロ モデルE、右がミズノプロ モデルS

左がミズノプロ モデルE、右がミズノプロ モデルS

以前、ミズノ関係者からこんな話を耳にしたことがある。「ミズノのドライバーは飛ばない。一般ユーザーの方々は、そんな風に思っていると思うんです。そこを覆せるドライバーを、我々は開発する必要がありました」。もしかしたら、“飛ばない”という一般ゴルファーの先入観を、“飛ぶ”に180度裏返すためには、それ相応の開発期間が必要だったのかもしれない。発表された2本のドライバーは、高らかに“飛ぶ”を宣言している。いわく「ミズノ史上最高反発」をこの2本のドライバーは獲得しているという。

そこでポイントとなるのは新しいミズノプロのドライバーはいかにして飛ぶのかという点だ。昨今のドライバーの開発競争は凄まじいものがあり、とくに海外ブランドは様々なテクノロジーを駆使し、前より飛ぶクラブを毎年市場に投入してくる。正直、ミズノを含めた国産メーカーはその攻勢に防戦一方という印象があった。しかし、今回のミズノのドライバーは、まだ海外ブランドが見つけていない“飛ばし方”を手に入れたように見える。そして、その中心にあるのが「βチタン」の存在だ。

画像: βチタンを採用したフェース面。その反発性能は“ミズノ史上最高”だ

βチタンを採用したフェース面。その反発性能は“ミズノ史上最高”だ

ある程度キャリアのあるゴルファーならば「生チタン」という言葉に聞き覚えがあるかもしれない。ミズノが2005年に発表した“高反発ドライバー”JPX E300。そのドライバーの飛ばしのためのキーテクノロジーが“生チタン”という愛称を与えられた高反発素材、すなわち今回ミズノプロ のふたつのドライバーに採用されたのと同じ素材“βチタン”だ。

JPX E300は反発係数の極めて高い高反発ドライバーだったが、もちろんミズノプロのドライバーはルール適合品。ではなぜミズノはわざわざ現在はルール適合外の高反発ドライバーでしか用いられていないというこの高反発素材を採用したのか? 答えは製法にある。

従来のドライバー開発におけるフェース面の反発性能はいかにしてルールギリギリまで迫れるか、を努力目標としていた。ところが今回ミズノは、一般的なチタンに比べ8%たわみやすく、17%強度が高いというβチタンを採用することで、まず“高反発フェース”を作り、そこからフェース面のデザインを工夫することで適合内まで落とし込むという、従来とは真逆のアプローチを採用している。

ギリギリまで“迫る”のではなく、ギリギリまで“戻す”。これがコロンブスの卵となり、ミズノプロ モデルEとモデルSは「ミズノ史上最高反発」を獲得することになった。さらに、ソール部に搭載された深い波状の溝がフェースのたわみ量を5%アップ。フェース中心部に厚みを持たせ、周辺を薄くしたフェース設計によりフェースのたわみ量も増している。

もちろん、そのすべてが飛距離アップのための工夫だ。正直な感想をいえば、顔でも操作性でも打感でもなく、ここまでストレートに“飛び”を謳ったミズノのドライバーは、すごく久しぶりという印象で、これはミズノの自信の表れと考えていいだろう。

画像: 発表会に勢ぞろいした、左から手嶋多一、小林正則、武藤俊憲、小鯛竜也、原英莉花、野澤真央、川岸史果のミズノ契約プロたち。ほぼ全員がすでにミズノプロドライバーを実戦投入済みで、飛距離アップに成功

発表会に勢ぞろいした、左から手嶋多一、小林正則、武藤俊憲、小鯛竜也、原英莉花、野澤真央、川岸史果のミズノ契約プロたち。ほぼ全員がすでにミズノプロドライバーを実戦投入済みで、飛距離アップに成功

実際、ミズノの契約プロたちは過去にないスムーズさでこのニューモデルにすでにスイッチしているという。原英莉花に至ってはMPタイプ2と比べて9.8ヤードものキャリーの伸びを見せたというから、それも当然といえば当然だろう。

大型ヘッドでもスクェアにインパクトできる!

ミズノプロモデルEとモデルSの違いについても触れなくてはならない。まずモデルSについてだが、これは説明が簡単だ。一言でいえば、過去のミズノのプロモデルドライバーの伝統を引き継いだクラブ。パーシモンからの流れをくむ奇をてらわないオーソドックスな顔つきで、435ccの精悍な顔つきかとやや丸みを帯びたフェース面からは、打感の良さ、操作性の高さが感じられる、極めてエモーショナルなクラブだ。

画像: ミズノプロ モデルS。ミズノらしい締まった“いい顔”で打感の良さ、操作性の高さを感じさせる

ミズノプロ モデルS。ミズノらしい締まった“いい顔”で打感の良さ、操作性の高さを感じさせる

一方の450ccのモデルEに関しては、多少の説明が必要となる。ある意味で「ミズノらしくない」クラブだからだ。

ヘッド後方が薄いシャローバック形状で、パッと構えたときの投影面積がまず大きい。操作性の高さよりも、そこから感じるのは直進性の高さ。ミスを怖れずに振り切れそうな安心感だ。パッと見、海外ブランド風。

画像: ミズノプロ モデルE。投影面積が大きいが、スクェアインパクトはしやすい

ミズノプロ モデルE。投影面積が大きいが、スクェアインパクトはしやすい

だが、ミズノの説明によればその内部重心設計は、重心距離の長いものが多い海外ブランドとは異なり、重心距離を36ミリと非常に短くし、スムーズなヘッドターンを促す方向に特化している。スクェアに当たらなくても大丈夫、という思想ではなく、スクェアにインパクトできるから大丈夫、という思想だ。事故後の損害が少ないのではなく、事故を起こさない考え方とも言える。フェース面の向いた方向に真っすぐ飛ぶのはいいことだが、そもそもフェース面が狙ったところを向いていなければ意味がない。

画像: モデルEのヘッド形状はシャローバック(後ろが低い)で投影面積が大きい

モデルEのヘッド形状はシャローバック(後ろが低い)で投影面積が大きい

モデルEが450ccとフルサイズ“ではない”のも、同じ考え方からなのだという。実際、460ccのものもプロトタイプの段階では試作し、テストを重ねていた。その上で、450ccのほうがスクェアにインパクトしやすかったことから、このヘッドサイズが採用されたのだそうだ。スクェアに当たる。そこへの努力が徹底している。スクェアに当たりさえすれば、あとはβチタンフェースがブッ飛ばしてくれるということだろう。

ミズノのコーポレートメッセージは「REACH BEYOND」、すなわち「一歩先へ」。文字通り、一歩先に行けるドライバーが発売となるのは、2019年2月22日だ。

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