「AIが設計した」という触れ込みのキャロウェイの最新モデル「エピック フラッシュ」が大きな話題となっている。しかし、AIが設計って具体的にどういうこと? なにがすごいの? という声も多く聞く。というわけで、徹底解説します!

人が立てた仮説をAIが実現した

ドライバーには様々なパーツがある。ヘッド上部のクラウン。下部のソール。そしてフェース面。中でも、世界のゴルフメーカーが開発にしのぎを削っているのがこのフェース面だ。ルールで定められたCT値の上限値。そこにいかに反発を近づけ、ボール初速を上げることができるか。そこに、各社は開発リソースを注入している。

画像: AIドライバーとしてゴルファーの注目を集める「エピック フラッシュ」

AIドライバーとしてゴルファーの注目を集める「エピック フラッシュ」

CT値をあくまでもルールの枠内に収めつつ、フェースのどこに当たっても飛ばせる。最大の飛距離と、ミスヒットへの最高の強さを両立させ、なおかつ耐久性に優れたフェース。昨今のドライバー開発には、そんな“夢のフェース”を求めるという側面がある。

キャロウェイも例外ではない。独自のカーボン技術でクラウンを軽量化し、余剰重量を配分することで最適な重心設計をするノウハウ、そして「GBB EPIC」に搭載されたフェース裏側の2本の柱(ジェイル ブレイク テクノロジー)という飛ばしのテクノロジーもある。夢の高初速をもたらすフェースがそこに加われば夢のドライバーができる……そこで白羽の矢を立てられたのが、AIだった。

AIは、決められた枠組みの中で適切に課題を設定し、大量のデータを入力することによって機械学習を行い、最適な解を出すツール。適切な課題と、十分なデータがあれば、その答えの精度は人知を超えることは、AIが囲碁や将棋といった高度な知的ゲームにおいて、すでに人間を凌駕していることからもわかる。ポイントは、どんな課題、そしてデータを与えるかだ。

画像: AIが最初に「最大のパフォーマンスを出す」として導きだしたのがこの形

AIが最初に「最大のパフォーマンスを出す」として導きだしたのがこの形

キャロウェイはAIに、【1】R&Aのルールの範囲内にCT値を収め、【2】十分な耐久性があり、【3】ボール初速をアップさせる、そんなフェースを設計せよという課題をAIに与え、それをシミュレートするために必要な、過去に蓄積された大量の開発データも与えた。

その豊富なデータを元に機械学習を行ったAIが、将棋で「詰み」を見つけ出すように、1万5000回のシミュレーションを経て「これ以上のものは導き出せない」と判断したデザイン。それが、エピック フラッシュに搭載された“AIフェース”というわけだ。

分厚い部分と薄い部分が水面の波紋のように織りなす有機的ともいえるそのフェース形状は、キャロウェイ独自のフェース裏側にある2本の柱(ジェイル ブレイク テクノロジー)を前提にしており、あくまでもエピック フラッシュに搭載した場合に、最大のパフォーマンスを発揮するフェースとなっている。

画像: 上の写真であった円形のデザインを、ドライバーのフェースの形状に落とし込むとこのような形(下)に。上は従来の“人が考えたフェース”で、その違いは明らか

上の写真であった円形のデザインを、ドライバーのフェースの形状に落とし込むとこのような形(下)に。上は従来の“人が考えたフェース”で、その違いは明らか

この“AIフェース”の開発に成功した背景には、キャロウェイが自前でスーパーコンピューターを持っていたことも大きく影響している。スーパーコンピュータを用いたことにより、1万5000通りのバーチャルプロトタイプを設計するという、通常の家庭用PCならば34年かかるという計算を4週間で成し遂げることができた。

「エピック フラッシュは2019年モデルではなく、2053年モデル」などという冗談がちらほら聞こえてくるが、この性能に触れると、その冗談もあながち冗談ではないかもしれない。実際、このクラブを試打した多くのゴルファーが「初速性能ならば、エピック フラッシュ」と声を揃えていることも、その証明といえる。

画像: エピック フラッシュはジェイル ブレイクも計算にいれたうえで成り立っている

エピック フラッシュはジェイル ブレイクも計算にいれたうえで成り立っている

AI技術の発展に伴い、きっと今後、ますますすごいドライバーが誕生してくるだろう。しかし、ひとまず2019年のゴルフ界では、エピック フラッシュだけが、世界でひとつの“AIドライバー”だ。最新ではなく、最先端。一度、手に取って、クラブの進化を感じてみてはいかがだろうか。

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