世界ランク3位、6位、8位、10位がM5/M6を選んだ
今年のツアー会場を席巻している新製品ドライバーの一つが、テーラーメイドのM5とM6だ。マウイ島カパルアで開催されたセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズから正式にお披露目となり、注目を集めたが、現在世界ランク3位のダスティン・ジョンソン、6位のジョン・ラーム、8位のローリー・マキロイ、10位のジェイソン・デイなど世界のトップ10の中の4人(2019年1月31日現在)がM5・M6使用者だ。
そこで、ファーマーズインシュランスオープンの会場で、M5の性能についてマキロイ、デイ、タイガーらに直撃インタビューを試みた。
ファーマーズでは5位に入賞したマキロイは、M5ドライバーについて以下のように語っている。

ドライバーの飛距離が5ヤード伸びたというマキロイ。後方のウェートをヒール寄りにして、つかまりを良く調整している
「ボクはM3からM5に変えたが、M5のほうがインパクトの弾きもよく、ウェートの微調整ができるようになったのが素晴らしい。ボクがミスするときは右に行きがちなので、ドローにウェート調整をしてあるが、こうした調整が以前はできなかったので大きな進化だ。初速は少し速くなり、5ヤードは飛距離が伸びたと思う。もともとスピン量が少ないタイプだが、M5を選んでスピン量が最適で、自分にとってはちょうどよくなったね。全体的によくまとまっているドライバーだと思う」
彼はドライバーにM5を使用しているが、M5シリーズの特徴は、新テクノロジーである「スピードインジェクション」を採用している点にある。全てのドライバーヘッドの反発係数をルール最大限に揃えることがこの技術により可能になったのだ。
これは具体的にいうと、まずはフェースの外周を20%薄くし、進化したハンマーヘッドスロットによりスイートエリアが約66%アップした「ルール適合外」のヘッドを製造。そしてフェース面に開けた2つのポートからヘッド内部にレジン素材を注入し、反発係数をルールの限界値にチューニングしている。その上で製造された製品の全数検査を行い、フェース各部分の反発係数がルール適合の限界値となっているかを確認するというものだ。

タイガーの実使用ヘッド。「スピードインジェクション」により、ヘッドの反発係数をルール最大限に揃えることが可能に。このタイガーのヘッドも市販品も、同じ性能ということだ
だから、ルール適合内のギリギリまで反発係数において“攻めた”ドライバーとも言え、発想的には限界までプラスするのではなく、いったん適合値を超えたものからマイナスする発想によって作られたクラブとも言える。また前作から採用されている「ツイストフェース」テクノロジーにより、弾道のバラつきを低減することでまっすぐ遠くへ飛ぶドライバーが完成したのだという。
マキロイはフェアウェイウッドに、これまた新製品のM6を採用。新製品を積極的に使用して、自らのゴルフのパフォーマンスアップにつなげているようだ。
ジェイソン・デイは「M6」を選んだ
また、ファーマーズインシュランスオープンで過去2勝を挙げているジェイソン・デイは、今年も上位争いに食い込み5位に。彼は今年初戦のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズでは去年のモデルをバッグに入れていたが、その数週後の今大会ではドライバーとフェアウェイウッドにM6を使用していた。
「いろんな球筋を打ち分けられるドライバーだ。打感も音も好きで、正確性がいい。M6のほうがシンプルに使える。とても気に入っているよ」

M5と異なり可変ウェートのないM6ドライバーを「シンプルに使える」と評価するデイ
M6も「スピードインジェクション」と「ツイストフェース」を搭載しているのはM5同様だが、M5のように「リバースTトラック・システム」(重心位置の調整が可能)はソールには装着されておらず、至ってシンプルに飛ばせるドライバーだ。
さらにアイアンは、P760アイアンを使用。マッスルバックタイプのP730アイアンと、やや大型軟鉄中空ヘッドにスピードフォーム充填剤を注入したP790アイアンの中間に位置するアイアンで、各番手に応じて必要な操作性と寛容性を兼ね備えているという。デイは
「打ちやすく、打感もいい。グリーンに向かって打っていく時、やさしくピンを狙っていくことができるね。球も上がりやすいから高さで止めることもできるし、気に入ってるよ」
そして、タイガー・ウッズのバッグにはドライバー(M5)、3W(M5)、アイアンと新製品がズラリ。従来と変わらないのは5Wとウェッジ、パターのみだという。ドライバーはM5を使用しているが、大会前には
「まだ試合で使っていないから飛距離がどのくらい伸びたとか、はっきりしたことは言えないが、とにかく全体的にこのM5を気に入っているよ」と語っていた。彼はなかなかクラブを変えないことで有名だが、年齢的なことも加味しながらクラブのチョイスを考えているのか、去年くらいから積極的に新製品を取り入れて、よりやさしくスコアメークできるクラブを選んでいるようだ。

クラブを変えないことで有名のタイガーはドライバーと3WをM5にチェンジ。
先週は欠場していたダスティン・ジョンソンからもM5の方向性のよさ、弾道の安定感について満足しているコメントを聞いている。飛びだけでなく、方向性の良さにおいてもM5、M6シリーズに対する評価は高い。2月15日に両シリーズとも発売される予定なので、店頭で一度は手にとって試してみてほしい。