
クラブにはその素材や製法、形状や打感などに由来する多様な呼び名があった(撮影/三木崇徳)
クラブには「3番ウッド」「5番アイアン」というように数字での呼び名のほかに、「スプーン」「マッシー」といった呼び名もある(各番手別の名称は画像Aの通り)。
2番ウッドの「ブッラシー(Brashie)」は、当時の2番ウッドにはソールに真鍮版(brass)が付いていたのが語源。「スプーン」は当時の3番ウッドが極端な凹面フェースになっていたから。
4番ウッドの「バフィ」は、スコットランド語で芝生を擦るように打つという意味の“sclaff”に「平手打ち」の意味があり、その英語“buff”が変化したもの。
5番ウッドの「クリーク」は最初にできた鉄製のクラブが、鍵をかける際の音を表す“click”に似た音を発することからついた。元来、クリークはロフトの立ったロングアイアンの名称だったが、使いこなせないゴルファーが多かったため、より打ちやすい木製のクリークが登場し、鉄製のクラブにとって代わった。

画像A。かつて、クラブにはかくも多様な呼び名があった
9番アイアンの「ニブリック」はスコットランド語の「つぶれた鼻」を意味する「ネブ・レイク」が語源で、形状が丸くて不細工だったため。
5番アイアンの「マッシー」は形状がスマートだったので、洒落男を表す「マッシャー」が語源という説と、フランス語でこん棒を表す「マシー」に由来するという2つの説がある。
今では一般的なのはスプーンとクリークくらいで、バフィやブラッシーは番手自体が珍しいものとなってしまった。ましてやキャディさんに「すいません、ニブリックください!」と言っても(おそらく)通じないので、ご注意を。
(ゴルフダイジェストTVより。一部加筆)