全米ゴルフ協会が初めて日本で開催する「ゴルフ・イノベーション・シンポジウム」。2日目の今日は、まず日本におけるゴルファーと、非ゴルファーの意識調査の結果が発表された。ゴルフ業界の明日を占う、その内容とは!?

「1回のプレーで3万円くらいかかるんだよね?」そう思う人は今なお多い

ノンゴルファー(休眠ゴルファー含む)5000人、ゴルファー2000人を対象にアンケート調査を行ったのは、矢野経済研究所の三石茂樹氏。男女比率は56.1:43.9、回答者の平均年齢は47.87歳だというその結果は、非常に興味深いものだった。

まずは、ノンゴルファーを対象に聞いた「ゴルフをしない理由」。そのトップ5は以下のようなものだという。

1.道具にお金がかかりそう
2.プレーするのにお金がかかりそう
3.プレーするのに時間がかかりそう
4.上手くなるまでに時間がかかりそう
5.ほかに趣味がある

要約すれば「お金と時間がかかりそう」だから、ゴルフをしないというものだ。実際、この2点をゴルフの課題とする指摘は多く、世界中のゴルフ関係者の悩みといえそう。

画像: 「お金がかからず、気軽にできるなら」ゴルフをしたいと思う人は多い(画像は三石氏のプレゼンテーションより)

「お金がかからず、気軽にできるなら」ゴルフをしたいと思う人は多い(画像は三石氏のプレゼンテーションより)

ただ、三石氏曰く、「ある別の調査によれば、ゴルファーが1日に払うお金は1万円くらい。しかし、ノンゴルファーを対象とした調査では、2万円以上と思っている人が20%くらい存在している。いまだに90年代前半のように『1回のプレーで3万円くらいかかるんだよね?』と思っている人は多く、その誤解を解くことも重要となる」という。

プレーフィはバブル期に比べて大幅に下がっているが、当時の高額な印象を今も変わらず持ち続けている人は一定数いるようだ。

画像: 87.6%のゴルファーが初めてボールを打ったのは「ゴルフ練習場」と回答。練習場からコースへ送り出す仕組み作りも必要だ

87.6%のゴルファーが初めてボールを打ったのは「ゴルフ練習場」と回答。練習場からコースへ送り出す仕組み作りも必要だ

その一方、ゴルフの潜在需要に関するアンケートでは、ゴルフを「ゴルフをしたことがないが、きっかけがあれば初めても良い」と回答した人が17.1%、「以前ゴルフをしていて今はしていないが、きっかけがあれば再開しても良い」と回答した人が13.2%と、合わせて30.3%いるという。

「ゴルフには理論上最大で約3000万人の潜在層がいることになります。一方、1年に約170万人が新たになんらかの形でゴルフに触れたのに、そのうち3年後までゴルファーとして残っているのはわずか3万人という調査結果もある。新しいゴルファーを増やすことも当然必要だが、はじめてくれたゴルファーが、楽しさを実感できるところまで持っていくことも大切」(三石氏)

非ゴルファーが求めているのは、リーズナブルで、お金がかからず、健康に良く、家族と一緒に楽しめて、短時間で楽しめる「ゴルフ」の姿であるようだ。

画像: 多くのゴルファーが会社の同僚、上司など仕事の関係者に勧められてゴルフを始めているのも日本ならでは(画像は三石氏のプレゼンテーションより)

多くのゴルファーが会社の同僚、上司など仕事の関係者に勧められてゴルフを始めているのも日本ならでは(画像は三石氏のプレゼンテーションより)

だが、ゴルファーを対象とした調査では、95.7%のゴルファーが電車ではなくクルマで行くゴルフを好み、65.5%が18ホールスループレーよりハーフ食事休憩ありのゴルフを好み、70.1%が9ホールのハーフプレーを昨年行っていないという結果が出ている。現実に目をやれば、ノンゴルファーが求めるような気軽なプレースタイルは行われておらず、プレースタイルの硬直化が見られる。

画像: 「多様性あふれるゴルフ」を実現することが重要だと三石氏は指摘

「多様性あふれるゴルフ」を実現することが重要だと三石氏は指摘

「日本のゴルフ産業の課題を一言で言えば、多様性の欠如。これからの日本は働き方改革と言われるように、多様な働き方、多様な余暇の過ごし方が現実になる。ライフスタイルの変化に合わせて、多様性溢れるゴルフが実現できれば、日本のゴルフはまだまだ面白くなると考えています」(三石氏)

家の近所のゴルフ場に、数本のクラブを持って行き、サクッと9ホールプレーする。これからの時代に求められるのは、そんなプレースタイル、かもしれない。

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