2018年、すべての打席のすべての打球を弾道計測器「トラックマン」が自動的に計測してくれ、スマホやタブレットにそのデータを送信してくれるという確信的な練習システムを導入した「トラックマンレンジ(フルヤゴルフガーデン)」が大きな話題となった。
そしてどうやら、練習場の進化はまだまだ止まりそうにない。フライトスコープ社のジョンソン社長はいう。
「私たちはボールのフライトだけでなくクラブのデータも大事だと考えています。すでに練習場全体のボールフライトに加え、打席にもレーダーを設置している施設がありますが、おそらく今後は計測したデータからクラブパス(軌道)やフェースの向きからどう修正した方がいいか教えてくれるアプリが出現するでしょう。そして計測データをもとにオンラインでプロからレッスンを受けられるようにもなっていくと思います」(ジョンソン)

フライトスコープの最新版では、練習場にいながらにして風の日のゴルフの練習ができるという。黄色から赤になる弾道が気象条件の影響のない弾道で、水色が影響を受けた弾道
元来、たとえばボールがスライスするのは「スウィングが悪いから」と考えられてきた。ボールがスライスするならば、体の開きを抑えることを意識しようといった具合だ。しかし、フライトスコープのような計測器の出現により、スライスの理由はフェースの開き具合なのか、クラブの軌道の問題なのか、あるいはそれらの複合的な理由なのかといったことが明らかになってきた。
すでに世界のトップ選手の間では、それら弾道+クラブ軌道の計測値をもとにスウィングを微調整することが常識となっており、その恩恵をアマチュアゴルファーも受けられるとしたら魅力的だ。
また、フライトスコープの最新版ではアプリ上で風向きや風速、標高や気温、湿度などの気象条件とボールが着地する高さ、つまり打ち上げや打ち下ろしまで設定することができようにアップデートされた。そして、それらの条件が「あった場合、ない場合」で弾道がどう違うかが比較できる機能も搭載されている。

「未来の練習場では計測したデータからアプリが練習方法教えてくれるよ」と、ジャパンゴルフフェアのため来日していたフライトスコープ社のヘンリー・ジョンソン社長は語る
通常であれば、打ち上げや打ち下ろしでどれくらいの距離の調整が必要かは経験やキャディさんのアドバイスによって覚えていくものだが、それが可視化されたのはとくにアベレージ層には恩恵がある。
「気象条件や、打ち上げ打ち下ろしの条件でどう弾道が変わるかを知ることができます。コースでの経験を持ち帰ってインドアで復習練習することもできますし、少ない経験でもよりゴルフが上達し楽しくプレーできるようになります」(ヘンリー)
忙しい現代人にとって少ない時間で上達できるとなれば、それはありがたい話。練習場へのテクノロジーの導入、そしてその進化は、ゴルファーにとってメリットしかないと言えそうだ。
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