2001年にスノーボード用ブーツに採用され製品化された、米国Boaテクノロジー社の『Boaフィットシステム』。靴ひもに変わり、ダイヤルでシューズを締められるその画期的なシステムはアウトドア、サイクリング、安全靴などのフットウェア、さらに医療用装具やヘルメット、もちろんゴルフシューズにも採用されている。プロゴルファーは、このBoaフィットシステムをどう評価しているのか? 重永亜斗夢プロに聞いた。

スパイクのダイヤルを回すBoaフィットシステムの「カチカチ」音は、ここ10数年でゴルフ場内でよく聞かれるようになった。その利便性から多くのゴルファーがBoaに乗り換えているが、その一方で買い替えに踏み切れないでいる人たちは「ダイヤル式は確かに履いたり脱いだりは楽そうだけど、プレーするにはやっぱりひものほうがいいのでは?」とその理由を口にする。

画像: 画期的な「Boaフィットシステム」がゴルフシューズのより高いフィット感を提供してくれる

画期的な「Boaフィットシステム」がゴルフシューズのより高いフィット感を提供してくれる

そこで今回は、実際にダイヤル式スパイクを履いてツアーを戦うプロゴルファー・重永亜斗夢と共に、改めてBoaのメリット・デメリットをチェックしてみた。

重永プロが履いているのは、キャロウェイの「TOURPRECISION BOA」。クラシカルなアッパーデザインながら様々なコーディネートにも合わせやすい、スポーティーなスパイク。キャロウェイ独自の“ラップフィットシステム”は、従来の靴紐やワイヤーが「点」で締め上げる感覚だったのに比べ、アッパーと一体化したストラップをサイドに搭載されたBoaフィットシステムで調節することにより、足の甲全体を「面」で包み込むようなフィッティングを実現。足を過度に締め付けることなく、甲周りの密着感と土踏まずのリフトアップを叶え、理想的なフットウェアと足の一体感が得られる。歩行時の負荷を軽減する、軽量&底床設計のTPUアウトソールを搭載した抜群のフィット感と機能性に優れたモデルだ。

画像: キャロウェイの「TOURPRECISION BOA」もBoaフィットシステムを採用している

キャロウェイの「TOURPRECISION BOA」もBoaフィットシステムを採用している

そもそも、重永はなぜ紐式のスパイクからダイヤル式のスパイクに替えたのだろう。まずはその理由を聞いてみた。

「とりあえず楽だったからです。脱いだり履いたりの楽さですよね。最初は、それでした」と、重永プロも最初は多くのアマチュアと同じように、脱着の楽さがチョイスの大きなポイントになったようだ。

『Boaフィットシステム』は、微調節可能なダイヤルと、強力で軽量なレース、低摩擦のガイドの3つの統合されたパーツから構成されていて、ダイヤルを片手で簡単に回すことで、素早い脱ぎ履きができる。ひもを結ぶ必要もないし、靴べらも必要ない。ストレスなくスッと履いたり脱いだりできるとこが「楽」なのである。

ただ、ポイントはプレーに対する影響の部分。Boaがゴルフのパフォーマンスに及ぼす効果について、重永に語ってもらおう。

「実は、僕は朝のラウンド前の練習段階では(ワイヤーを)少しゆるめに設定しておくんです。それで試合に入ってラウンド中に、ちょっとゆるいなと感じたら締めたり、逆にきついと感じたらゆるめたりの微調整を行っています」

画像: しっかりとフィットしたシューズがプレーには不可欠だが,手軽に好みのフィット感に調節できるのがBoaのメリットだ

しっかりとフィットしたシューズがプレーには不可欠だが,手軽に好みのフィット感に調節できるのがBoaのメリットだ

実は、重永が行っている、ラウンド中の締め付けの具合の微調整こそ、プレーのパフォーマンスに影響を及ぼす大事なポイントなのである。ご承知の通り、ゴルフのとくにトーナメントの場合、プレー中は、そのほとんどが「歩き」であり、1ラウンドで10キロ以上歩くと言われる。

この間、シューズ内は熱気がこもり温度が上昇し、これから夏場に向かい、湿度は90%以上にもなるとか。こうした環境下で、足はシューズ内でうっ血し、次第にむくんでくる。実際、甲の周囲の足回りは朝より夕方に1~2センチも大きくなるのだという。 

当然、ゴルフのプレー中もそれは起こっている。そこで、ラウンド後半になって足がむくんできたなと感じたら、重永のように、微調整をすることで足への負担が軽減され、その結果、疲労度がグンと違ってくるというわけなのだ。

もし、このラウンド中の微調整を靴ひも式のシューズでやるとなったら、面倒な手間が掛かるし、何より微調整が難しい。そして挙句の果てに、ひもが途中で解けてしまうといった不安も付きまとう。その点、ダイヤル式の場合は、ダイヤルを1クリック回すごとに1ミリずつテンションを変えられるので、微調整を楽に、しかも確実に行える。シューズ内でのむくみや、湿気・熱を感じたときに、ちょっとダイヤルを緩めてやれば、その後のプレーは快適にできる。

「プレー中に多いのは、基本的にはゆるまってきたら締め直すということ。ただ、ゆるくなるといっても紐式のように解けるわけではないから、普通にプレーはできるので、プレーに支障はないんですけどね。より高いフィット感を出したいときに、締め直すという感じです」(重永)

画像: 好きなフィット感に手軽に調整できるのがいいと話す、重永亜斗夢プロ

好きなフィット感に手軽に調整できるのがいいと話す、重永亜斗夢プロ

このフィット感というのもダイヤル式のメリットで、低摩擦設計で締め付け感が一か所に集中しないので、包み込まれるように足にフィットしてくれる。もちろん、足にしっかりフィットしたシューズでプレーをすることは、確実なショットを放つための不可欠の条件なのである。

アマチュアゴルファーの場合、ひも式シューズの場合は、朝一回ひもを締めたらラウンド後に脱ぐまで紐は解かないという人が多かろう。中には、脱ぎ履きするときに靴ひもを解かないという横着なゴルファーもいるかもしれない。

しかし、フィット感をなにより重視するプロや上級者の場合、その時々の足の状態を察知しながら、足への負担を軽減しつつ最適のフィット感を求めラウンド中にゆるめたり締めたりを繰り返す。もちろん、そういった微調整は、ダイヤル式のスパイクシューズの出現によって可能になったことなのである。しかも、Boa社は単にパーツを提供しているのではなく、シューズの持つ性能を引き出すために、各シューズメーカーとともに開発に携わっているという。

シューズが足にフィットしていることはナイスショットを生む条件のひとつ。それを革命的にやりやすくしてくれるBoaフィットシステムは、ひも式シューズしか履いたことがないという人にとっては、スコアアップの秘密兵器になってしまうかもしれない。

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