ミズノプロ920に注目!打ちこなせるからこそわかる“本物の鍛造フィール”
今回のミズノプロアイアンシリーズで最も注目を集めているのが、ミズノプロ920である。深くソール方向にえぐられたバックフェースと大きめのヘッドシェープに大きな安心感とやさしさを感じる。これまでのミズノプロにはちょっとなかった感じのオーバーサイズモデルである。しかし、これが打ってみると「まさしくミズノプロだ!」と評判なのである。

ミズノプロ 920は、深くえぐれたバックフェースが特徴のモデル。複雑な構造に見えるが、そこはミズノプロ 。当然の如く軟鉄鍛造一体成型だ
深くえぐれたポケットキャビティ、そして薄肉にコントロールされたフェース。それだけみれば、最新の“飛び系アイアン”そのもののスタイルである。しかし、ミズノプロと冠するからには従来製法・構造のままでは商品化は難しい。ミズノならではのグレインフローフォージド製法から生まれる“鍛造フィール”を備えていなければ、ミズノプロのアイアンとは認められない。
前モデルにあたるミズノプロ918をエースに戦う原英莉花は、ミズノプロ920に関してこう言っている。
「私はもともとミズノの打感が好きで、MP55とかMP15っていう小さくて難しいクラブを使っていたんですけど、こういう大型のアイアンなのに、しっかりとしたミズノアイアンの打感になっています」(原)

ミズノプロ920。ほどよいグースネックとトップブレードの厚みが安心感を与えてくれる
鍛流線が途切れない独自の丸棒・一体鍛造製法“グレインフローフォージドHD”が生み出すソリッドなフィーリングに、伝統の銅下メッキを施すことでソフトなだけではないミズノプロだけの球持ちの良いフィールが生み出される。
ミズノプロ920は“軟鉄ボロン鋼”という特殊な素材を用い、これまでにないフェースの薄肉化に成功しただけでなく、デュアル‐スロット加工によってポケットキャビティを極限まで深め、スウィートエリアをミズノプロアイアン史上最大に拡大。

ミズノプロ920について、真剣な表情で語る原英莉花
よくあるぶっ飛びアイアンのように、チタンやマレージングなどの超硬金属をフェース材に使うことなく、軟鉄の単一素材で同様のやさしさと飛びを生み出すことに成功した。「やさしくて、打感が良くて、なによりも抜けがよかった」と原英莉花が語るミズノプロ920のやさしさは、ミズノの鍛鉄フィールをさらに広く知らしめる新しい一歩になりそうだ。
さらに操作性高く、感度を高く。伝統名器の深化形!ミズノプロ120
もちろん、ミズノプロ最高の鍛造フィールと伝統の操作性を存分に感じたいなら、マッスルバックモデルのミズノプロ120がオススメである。このモデルはみんなのゴルフダイジェストでも何度も紹介してきた、手嶋多一や武藤俊憲など多くのツアープレーヤーが極秘に使用してきたプロトタイプのいわば完成形だ。その特徴を使用プロはこう語る。

ミズノプロ120は、「これぞミズノ!」という美しいマッスルバックアイアン。ただし、シャープなだけでなくしっかりとやさしさも感じられるように進化している
「見た目は伝統のマッスルだけど、結構飛ぶんだよね。操作性がよいのに強風にも強い。沖縄での勝利もこのアイアンのおかげです」(手嶋多一/金秀シニア沖縄オープン優勝)

手嶋らが使用したミズノプロ 120のプロトタイプ。まだ「120」の刻印が入っていないが、性能はもちろん製品版と同じだ
「打感がいいのはミズノプロなので当然。ミズノプロ120はさらにスピンがしっかり入ってコントロールしやすい。構えた時のイメージと出球がマッチしているので安心できるんです」(武藤俊憲)
ミズノプロ120は伝統のマッスルバック形状に見えるが、逆テーパーブレードというこれまでにないバックフェースデザインが採用されている。これは基本的にはバックフェース中央から上部を従来モデルより厚肉化することでソリッド打感を向上させるためのものだが、トップライン(エッジ)を独自のクラフト技術によってグラインドし、厚みを感じさせないことでアドレスでは違和感なくスッと構えられるのだという。

コンパクトなヘッドサイズ、薄いブレード……顔の印象とは裏腹に、打ってみるとやさしさを感じられるのがミズノプロ120の特徴だ
ロング・ミドルアイアンは低重心に。ショートアイアンは高めの重心にしてコントロール性をアップ。こうした番手ごとの最適重心設計が従来マッスルを超える進化ならぬ、“名器の深化”に繋がっている。
ベストセラー518がさらに進化!メインモデル「ミズノプロ520」
さて、ニューミズノプロアイアンには、忘れてはならない進化系モデルがもうひとつある。それがミズノプロ520だ。これはミズノプロアイアン史上最も売れた前作“518”を正常進化させた期待のメインモデル。
2018年のLPGAツアーの最多勝モデルであり、契約外選手の使用も多い大人気アイアンの後継だけにそのポテンシャルには注目が集まる。

女子ツアーで契約選手がこぞって使用したミズノプロ518の正統進化バージョンといえるのが、このミズノプロ 520だ
グレインフローフォージドHD製法と銅下メッキによる、ミズノ打感はもちろんのこと、番手別にその組み合わせを変えたチタンプレートとタングステンウェートの複合設計が絶妙。これによってとくにロング、ミドルアイアンの打ちやすさがアップしているという。

見た目はシャープなミズノプロ520だが、タングステンウェートやチタンプレートなどが複合され、ロングアイアンでも打ちやすく、対象ゴルファーの幅は広い
そしてもうひとつ、これはミズノプロ520に限ったことではないが、ミズノプロアイアンには“リバースエンジニアリング”と呼ばれる、最新設計技術とクラフトマンシップを融合させる仕組みが導入されている。簡単にいえば、コンピュータ解析やCAD設計を駆使して最新のヘッド設計を行なうだけでなく、すべてのモデル、番手に経験豊富なクラフトマンの“手”によって細かな修正が加えられ、最終金型が作られているのだ。
ミズノプロアイアンに受け継がれる、伝統のクラフトマンシップとは?
ミズノプロアイアンの聖地といえば、岐阜県の養老(ミズノテクニクス)だが、最後にここでの変わらぬ取り組みについて紹介しておこう。ここのワーク部門には伊藤友男、野村武志という二人のアイアンマイスターを中心としたクラフトマンが常駐しているが、彼らの仕事は最新クラブをプレーヤーが使える“優れたゴルフ道具”にすることではないかと思う。
コンピュータ上のシミュレーション、ロボットマシンでのテストでいくら結果が良くても、プレーヤーが構え、いいイメージでスウィングできなければ、それは単なるゴルフの新製品である。しかし、長年、多くのトッププレーヤーと数々の名アイアンを作り上げてきたミズノのクラフトマンには、製品を使える“道具”へと変える技術がある。

何気なくクラブを置いてシャッターを切るだけで、なんともいえない曲線美が写し出される。これはミズノプロだけにしかない魅力と言ってもいいだろう
その端的な例が、見た目に大きな影響を与えるヘッドシェイプやトップラインのグラインド技術だ。この一手間によって最新設計によってバックフェースデザインがどう変わろうとも、常に違和感なくアドレスに入れるため、プレーヤーは安心してニューモデル移行することができるのだ。
ミズノ養老のクラフトマンシップというと、グラインダーに向き合い火花を散らす熟練の研磨技術というイメージが強いが、本当のクラフトマンシップとはその「手」ではなく、アイアンを見つめる「眼」に宿っているような気がする。
削り、構え、また削り、またシャフトを挿して構える。常にプレーヤーの目線でアイアンを見つめることで、ミズノプロアイアンは信頼される“ツアーアイアン”の頂点に君臨してきたのだ。
ミズノプロ。それは上級者モデルに冠される称号ではない。受け継がれるのは常に最高のゴルフ道具を生み出そうとする高い志だ。最新技術と伝統技術を融合させて生み出された、まったく新しい鍛造アイアンの世界。ミズノプロ120、ミズノプロ520、ミズノプロ920 あなたの琴線を震わせるベストモデルがきっとこの中にある。