次から次へと図ったように16アンダーでホールアウト
72ホールを終えて16アンダーで5人が並ぶプレーオフ。スタートが遅い順から各組ごとに一人ずつ選抜された様な形になりました。選ばれたのは、ショーン・ノリス、浅地洋佑、嘉数光倫、スンス・ハン、時松隆光の5人です。プレーオフ人数としてはJGTO史上最多とのこと。波乱のANAオープン終盤となりました。
最終組で序盤に抜け出したのは南アから国籍を変えてギリシャ人になり、オリンピックを目指すカーミス。出だし1、2番の連続バーディでスコアを伸ばして16アンダーでトップに立ちます。一方、時松も5番ホールをバーディとして16アンダーで追いつきます。
追いついた次のホール、6番ホールのセカンドショットは共にグリーン右バンカーに入れた時松とカーミス。先に打った時松はピン奥5メートル位につけます。これを沈めてパー。
カーミスのバンカーショット、彼の得意クラブであるウェッジで打つもグリーンをオーバーして奥のギャラリーロープ手前のラフへ。上手の手から水が! そこからのアプローチはグリーンにキャリーするもコロコロ転がってグリーンエッジまで。そこから寄らずのトリプルボギー。カーミスの優勝とオリンピック出場の夢が遠のくホールとなりました。
最終組もう一人は前日の三日目を64でラウンドした正岡竜二。ハウスキャディとの相性も良く、快調に3日目まで来ましたが、今日は持ち前のアグレッシブなゴルフに火がつきません。
前半を終え単独トップは時松ですが、その時松も決めたいバーディパットが決まらない、惜しいホールが続きます。
時松の優勝を想定していたこともあって12番パー5まで付いて行きますが、インに入ってからすべてパーで、この12番もパーです。
最終組が伸び悩んでいる内に、先行する各組みから、”ならば俺が勝つ”と名乗りを挙げるかの様に4人が飛び出して来ています。群雄割拠の様相を呈してきました。
まずは、石川遼と同組の南アのマッチョ男ショーン・ノリス。17番のセカンドショットは左足下がりの右ラフから5アイアンを打ち終え、3打目に向かう途中のノリスと目が合い、私が帽子のつばに手をやり目礼すると、ノリスはハンフリー・ボガードばりの堂に入った仕草で返礼してくれました。さすが伊達男、ノリスです。
ノリスのイーグルトライはグリーンエッジからパターですが入らず、バーディパットもカップに蹴られてこのホール無念のパーです。ですが、この後18番でバーディを奪い16アンダーでホールアウト。
次の組の浅地洋佑は、3日目で同組になった師匠/先輩格の片山晋呉と池田勇太を尻目に、66のスコアで上位に進出してきました。17番をバーディとしてこちらも16アンダーです。
更に次の組は嘉数光倫。15番から最終18番まですべてバーディでこれまた16アンダー。更に更に次の組のスンス・ハンは18番を決めてやっぱり16アンダー。
そして最終組の時松です。17番はセカンドは右ラフ。グリーンは狙わず刻みで三打目勝負でピン奥に乗せ、これを沈めてバーディで16アンダー。ここで5人のプレーオフ選手が揃いました。
プレーオフでは18番セカンド地点で選手たちを待ちます。ティショットは、右ラフにハン、右ファーストカットはノリス、右フェアウェイは時松、左ファーストカットに浅地、左ラフ奥まで行ってしまった嘉数。
ここから一番カップに近くに寄せた浅地が、唯一バーディを決め優勝をもぎ取りました。思えば今年初出場の全英オープンでも予選を通過した選手です。
ダイアモンドカップに続く2勝目で賞金ランクも2位に。持っていた実力が自力として花開き出したようです。賞金ランクトップの石川遼とは約1300万円差。これからはじまるの秋のビッグトーナメントを前に、堂々賞金王争いに名乗りを挙げました。