タイガー・ウッズが史上最多勝に並ぶ82勝目の快挙達成で幕を閉じた「ZOZO チャンピオンシップ」。大雨による順延、無観客試合、月曜日の決着……と天候に泣かされて異例づくめとなるなか、選手たちは72ホールを完走し、無事大会はフィナーレを迎えた。その舞台裏では、様々な“事件”が起きていた。

28日は次大会への移動のため前の組に合流、6人で「ホールアウト」する組も

25日の金曜日に千葉県を襲った集中豪雨の影響でプレーが順延に。その影響で本来最終日のはずだった27日の日曜日は46選手がファイナルラウンドをホールアウトできずに、翌28日の月曜日に残りの競技を行ったZOZOチャンピオンシップ。

画像: 大雨による競技順延はあったものの初日の木曜日と第3ラウンドとファイナルラウンドが途中まで行われた日曜日は、詰めかけたギャラリーで大盛況だった「ZOZO チャンピオンシップ」の会場「アコーディア・ゴルフ習志野CC」(撮影/姉崎正)

大雨による競技順延はあったものの初日の木曜日と第3ラウンドとファイナルラウンドが途中まで行われた日曜日は、詰めかけたギャラリーで大盛況だった「ZOZO チャンピオンシップ」の会場「アコーディア・ゴルフ習志野CC」(撮影/姉崎正)

選手たちは競技の傍ら、その後のスケジュール調整に追われていた。「ZOZO」に参戦した選手のなかには、今週中国・上海で開催される「WGC HSBCチャンピオンズ」にも参加予定の選手が多くいた。そのほとんどの選手が28日の月曜日を「移動日」に設定し、航空機などの手配を済ませていたからだ。

そのため、なんとか日曜日中に72ホールをプレーしようと後半は早歩きになる姿も。バッバ・ワトソンもその1人だ。

ワトソンは、移動を火曜日以降にずらそうと試みたが、間に合わず「日曜日中に何としてもホールアウトしないと」と後半は同組の大槻智春とポール・ケーシーの了解を経て、極端に進行をスピードアップ。

日没の迫る最終18番ホールでは、事情を説明して前の組のジャスティン・トーマス、エミリアーノ・クリジョ、星野陸也らの組に‟合流“し、最後は6人でホールアウトしたという。

ボランティアも当初の予定になかった「28日」への対応にひと苦労

大会をあらゆる側面からサポートしたボランティアスタッフも大忙しだった。練習日から最終日まで、大会運営に尽力したスタッフは約1000人。

うち第2ラウンドが行われた土曜日の運営に関わった500人のスタッフには運営本部から「大会は、月曜の28日まで延びる可能性が高まった。近郊に在住の方で、28日にスタッフとして働ける方がいたら紹介して欲しい」との声かけが行われていた。

「ボランティアスタッフには沖縄や北海道など、遠方からお手伝いに来て下さった方々もかなりいて、その方々の多くは日曜日に現地を離れる予定を組んでいたので、26日の時点では、月曜日に参加して頂けるボランティアスタッフが足りない状況になっていたんです」(大会関係者)

結果的には、日曜日に一部の選手がホールアウトでき、月曜日のギャラリーが想定で3000名と少なかったことから、ボランティアスタッフは少なめで事足りたというが、見通しのきかない状況のなか、大会を成立させるために関係者すべてが奮闘していたことがうかがえるエピソードだ。

結局、コースは迅速に修復され、2万2678人が詰めかけた日曜日にも有事が起きることはなく、大会は成功裡に終わったといっていいだろう。

歴史的勝利を挙げたタイガー・ウッズに、タイガーとの一騎打ちを繰り広げた松山英樹らスター選手たちだけではなく、大会を成立させるべく奮闘したボランティアスタッフを含むすべての大会関係者が、大会を成功に導いた影のMVPと言えるのかもしれない。

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