今週開催の米女子ツアー「スウィンギングスカートLPGA台湾選手権」に出場する横峯さくら。横峯の深いトップスウィングを、プロゴルファー・中村修が解説。

オーバースウィングで平均258.26ヤード飛ばす

渋野日向子選手が出場することで注目を集める米女子ツアー「スウィンギングスカートLPGA台湾選手権」ですが、同じく大会に横峯さくら選手も出場します。実はこの試合、彼女にとっても勝負どころとなりそうなんです。

2015年に米女子ツアーへ主戦場を移した横峯選手。キャディを務める夫、森川陽太郎さんと夫婦で転戦を続けており、実際に現地で拝見しましたが仲睦まじく、とても良い雰囲気で戦えているようですね。今シーズンはすでに来季の賞金シードを確定させており、現在は11月18日に行われる最終戦「CMEグループ ツアー選手権」への出場を目指し戦っています。

画像: 2015年から米女子ツアーで戦う横峯。今週は最終戦への出場権をかけた戦いとなる

2015年から米女子ツアーで戦う横峯。今週は最終戦への出場権をかけた戦いとなる

現在横峯選手のポイントランクは67位タイ。最終戦出場資格は60位タイまでで、次週開催でポイントを獲得できる最後の試合でもある「TOTOジャパンクラシック」は、ウェイティング1番目で出場が確定していません。つまり確実にチャンスを掴み取るためにも今週の成績が非常に重要となるのです。

さて、そんな横峯選手のスウィングはみなさんもご存知の通り、トップが高いオーバースウィング。平均飛距離258.26ヤード、フェアウェイキープ率66.70%と飛距離を出しつつ安定しています。小さな体で飛ばすために作り上げてきたスウィングと言えますね。

腕の動きが大きいと手で打っているように見えてしまうかもしれませんが、実は下半身をすごく使っているスウィングです。トップを見ると、腕を頭の上まで振り上げていても、下半身がどっしり構えられているのでひざが伸び上がったりはしていませんよね(写真A)。

画像: 写真A:深い位置までクラブを上げるオーバースウィング。トップ位置でも下半身をどっしりと構えている

写真A:深い位置までクラブを上げるオーバースウィング。トップ位置でも下半身をどっしりと構えている

ダウンスウィングでは下半身をしっかり回転させ、それに伴って腕が降りてきます。インパクト直前には左ひざを伸ばすような動きが見られ、インパクト時は左足かかとが浮いています(写真B)。地面を踏みしめることで生まれた反力を、ボールに伝えることで飛距離を生み出していることがわかります。

画像: 写真B:左ひざ、右足かかとに注目すると、地面反力を活かして飛ばしていることがわかる

写真B:左ひざ、右足かかとに注目すると、地面反力を活かして飛ばしていることがわかる

横峯選手はフェースを開いて閉じるタイプ。アップライトなスウィングからフェードを打っているので、インパクト以降ではフェースをしっかり返してボールをつかまえる動きが見られます(写真C)。

画像: 写真C:インパクトからフォローにかけて、腕を返してフェースを閉じていく

写真C:インパクトからフォローにかけて、腕を返してフェースを閉じていく

現地で行われたプロアマを数ホール観戦しましたが、ドライバーは非常にスムーズに振り抜けています。クラブ契約フリーのため見るたびにクラブが替わっている横峯選手ですが、プロアマではブリヂストンの新しいツアーB JGRドライバーを使用していて、感触も良さそうです。アイアンはキャロウェイのローグ。距離感も良くピン横に付けることができており、コンディションは良さそうです。

一通り取材を終えて退散しようとしたところ、横峯選手から呼び止められました。この秋、日本各地で台風による被害が出ていることは、海外で戦う横峯選手の耳にも入っていたようで、「台風の被害に遭われた方々へメッセージをお願いしたい」と頼まれました。

画像: キャディを務める夫、森川陽太郎氏とコースを確認している横峯

キャディを務める夫、森川陽太郎氏とコースを確認している横峯

「本当に心が痛いですし、少しでも活躍してお役に立てることができればいいなと思っています。だから今週はすごく思い入れが強い大会なんです」(横峯)

様々な思いがつまった今週の試合。渋野選手と同様、注目しておきたい選手です。

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