大型で慣性モーメントの大きいパターはミスに強いと言われる。でも、それって本当なのだろうか? プロゴルファー・中村修が、オデッセイの最新モデル「ストローク ラボ ブラック シリーズ テン」と過去の名器を打ち比べて検証した。

まずはコースで打って比較

“すべてのゴルファーにツアープロレベルの再現性をもたらす”というフレコミでリリースされるや、アマチュアだけでなくツアープロの間でも高く評価されているパター「ストローク ラボ」。このモデルに「ブラック シリーズ」として、2タイプのニューヘッド「テン」と「バード・オブ・プレイ」がラインナップされたと聞いて、中村は真っ先にコースへ持っていきテストを行った。

「大型ヘッドは球がバラつかないって言いますけど、実際に過去のパターと比較したことはありません。実際にグリーン上でボールを転がして、比較してみたいと思います」と中村。

まず「ストローク ラボ テン」で、ほぼフラットな10メートルのロングパットを打つと、1球目でいきなりカップイン! それ以外の4球もすべて、カップから90センチ圏内に集まった。

同じ条件で、名器中の名器「ホワイト・ホット 2・ボール」を打つと、1メートル以上ショートしたり方向にバラつきがあり散らばっていた。

画像: ストローク ラボ テンでの10メートルのロングパットは1球がカップイン。残りの4球もほぼOK圏内に

ストローク ラボ テンでの10メートルのロングパットは1球がカップイン。残りの4球もほぼOK圏内に

「ボールの分布を見比べると『テン』の安定感がピカイチですね。打つ距離が長くなるほどストロークの幅も大きくなるので、打点はブレやすくなるもの。それでもこのパターは、タテ(距離)とヨコ(方向)のバラつきを抑えてくれました。2・ボールは名器の中の名器ですが、その差は一目瞭然でしたね」(以下、中村)

これは、スウィートエリアの広さに加えて、ヘッド・シャフト・グリップを含めたクラブ全体の作りに、打ちやすさの工夫があるようだ。2・ボールの時代から、確実にパターは進化していることがわかる。

画像: ストローク ラボ テンで打った際の打点跡。打点はやや上だが球はまとまった

ストローク ラボ テンで打った際の打点跡。打点はやや上だが球はまとまった

「ヘッドが効いているので手打ちになりませんし、ストロークのテンポが定まって距離感がそろう。フェースの打点シールを見てもわかりますが芯に当たりやすいんです。ストロークの再現性が高い上にヘッドのミスへの寛容性が高い。そりゃ、球もバラつきませんよね」

画像: カーボンとスチールの複合シャフトによって出た余剰重量をヘッドとグリップの手元に配分している

カーボンとスチールの複合シャフトによって出た余剰重量をヘッドとグリップの手元に配分している

それもそのはず。「ストローク ラボ」のパターには、オデッセイが独自に開発したカーボンとスチールの複合シャフトが挿さっていて、それが多くのアマチュアやツアープロに支持されるポイントなのだ。シャフト重量はカーボンをコンポジットすることで、オデッセイのスタンダードなスチールシャフトより約40グラム軽い75グラムと軽量化。

その余剰重量をヘッドとグリップの手元側に“周辺配分”している。この大胆な重量配分は、オデッセイが長年にわたり積み重ねてきたパットに関する豊富なテストやデータ、パター作りの高度なノウハウによって導き出した最適解。打つたびにストロークのテンポが不安定になりがちなゴルファーも、再現性の高いパットができるのだ。

長尺パターのような「振り子のイメージ」で打ちやすい

さて、過去の名器との比較では明らかな優位性が見られたが、気になるのは「ストローク ラボ ブラック シリーズ」が、前作からどう進化したかだろう。まずは、最大級の慣性モーメントを追求したヘッドであること。それでいて、ヘッドがブラック仕上げになったことで、引き締まったルックスになったこと。そしてフェースには、最新の「ホワイト・ホットマイクロヒンジ★(スター) インサート」を用いたことが挙げられる。

画像: ホワイト・ホットマイクロヒンジ★(スター) インサートを採用したフェースは今どきのボールとも愛称が良さそうだ

ホワイト・ホットマイクロヒンジ★(スター) インサートを採用したフェースは今どきのボールとも愛称が良さそうだ

「今までの『ホワイト・ホット マイクロヒンジ・インサート』に比べると、高めのインパクト音でややソリッドな打ちごたえになりましたね。かつての『ホワイト・ホット インサート』に似たようなフィーリングです。硬さと軟らかさのバランスが絶妙だし、カバーの素材がソフトになった今どきのボールとも相性が良いはず」

コースでのイメージだけじゃない。パットビューで科学的に検証した

さて、コースでの検証を終えた中村は、その足で都内のインドア練習施設「ヒルズゴルフアカデミー」(港区)へ向かった。なぜならここのパッティングエリアには、コースの転がりに限りなく近い自然の勾配を設けた人工芝やカップに向かって理想的なボールの軌道とスピードを光で投影する「パットビュー」が装備されている。

画像: パットビューとCAPTO(キャプト)を使い中村のストロークを丸裸にする

パットビューとCAPTO(キャプト)を使い中村のストロークを丸裸にする

そして、パット時のフェースローテーションや入射角、パットプレーンやストローク支点の3D表示、ストロークのテンポなどを詳細にわたって解析するセンサー「CAPTO」(キャプト)を使い、ストロークラボ テンの実力をさらに深堀りしていこうというわけだ。

中村は始めに、5メートルのほぼストレートなラインをテスト(各10球)。ここでも、オデッセイの過去モデルと「テン」(ダブルベントネック)を打ち比べた。その結果は「ホワイト・ホット 2・ボール」が6球カップインしたのに対して、「テン」は9球がカップに吸い込まれた。

画像: 5メートルのラインをテスト。過去モデルに比べてストローク ラボ テンのカップイン率は断トツで高かった

5メートルのラインをテスト。過去モデルに比べてストローク ラボ テンのカップイン率は断トツで高かった

続いては、1.2メートルのショートパット(各10球)。絶対に外したくない距離であり、それだけプレッシャーがかかるパットでもある。ここでは「ホワイト・ホット2・ボール」が8球、「ストロークラボ テン」は10球が入ってパーフェクトだった。

「『ストローク ラボ テン』は、コースで打ったときと同じように、ストロークの安定性・再現性に秀でていますね。タッチを気にしたりフェースの向きや打点にシビアにならず、カップに向かってボールを打ち出すことだけを考えれば、あとはパターが動きたいように動くだけ。シビれるような場面でも、オートマチックに“パター任せ”でストロークできて、パットが決まります」

さらにもうひとつ、インドアに来て改めて「ストローク ラボ テン」のヘッドを見て気づいたことがあった。

画像: 絶対に外したくない距離は10球打って10球カップイン!

絶対に外したくない距離は10球打って10球カップイン!

「他の大型ネオマレット型よりもヘッドがややコンパクトで、見た目より操作性があります。しかも、ネック形状がダブルベント、センターシャフト、ショートスラントの3タイプあるので、その人の打ち方や感覚にマッチするモノを選べばストロークがよりスムーズになると思いますね」

『ブレ』の度合いが過去モデルの約半分。専門家も驚いた

このテストを「CAPTO」のオペレーターであり、パット解析のスペシャリスト・橋本真和氏に計測&解説をしてもらった。

画像: 実際に打ったときの数値を橋本真和さんに科学的に比べてもらった

実際に打ったときの数値を橋本真和さんに科学的に比べてもらった

「『ストローク ラボ テン』のヘッドは、ミスヒットによる当たり負けに対して圧倒的に強いことが、計測データからわかりました。当たり負けによってフェースがどれだけ動いたかを平均値で見比べると過去モデルは83.1度もブレているのに対して『テン』は42.6度。ブレの度合いが、およそ半分に収まっています。それだけミスヒットの許容範囲が大きい=スウィートエリアが広いことがわかります」(橋本)

画像: 上が過去モデル、下がストローク ラボ テンのデータ

上が過去モデル、下がストローク ラボ テンのデータ

また、カーボンを複合した「ストローク ラボ」シャフトが、さらなる安定感・直進性を生むこともわかった。

「慣性モーメントを大きくしてヘッドが重くなると、振ったときにシャフトのしなりが出てきます。でも『ストローク ラボ』シャフトは、カーボン部分をスチールよりも硬くしているのでしなりが抑えられ、ヘッドの挙動がよりブレにくいし、それがバックスウィングの安定感につながります。過去作の振り幅が30〜36センチとバラついたのに対し、ストローク ラボ テンは40センチ前後で安定していました」(橋本)

画像: すでにツアーでも人気のストローク ラボ テン。その実力が改めて証明される結果となった

すでにツアーでも人気のストローク ラボ テン。その実力が改めて証明される結果となった

それに伴い、バックスウィングのテンポも明らかに揃うことがわかった。いつも同じテンポで振れるということは、距離感も揃うということなのはいうまでもない。

ストロークのテンポが一定になって、振りやすくて芯に当たりやすいから距離感も方向性も安定する。距離があるパットで打点がブレても、大慣性モーメントのヘッドとしなりを抑えたシャフトの相乗効果でコロがりがバラけない。新形状の黒ヘッドと“軽・硬”シャフトの絶妙なコンビによって「打てば入るパター」「結果が出せるパター」になったと言えそうだ。

画像: キャロウェイ契約プロの上田桃子も使用中

キャロウェイ契約プロの上田桃子も使用中

実際のフィーリングはもちろん、科学的に見てもその性能の高さが証明されたストロークラボ。続々とキャロウェイゴルフ契約プロが、ツアーで使用している。パットが苦手だという方も、興味があるという方も、一度自分で打って確かめてみる価値はありそうだ。

撮影協力/東京湾カントリークラブ(アコーディア・ゴルフ)、ヒルズゴルフアカデミー

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