ゴルフ5の来店者データで最新モデルは平均「6ヤード」伸びていた
取材に応えてくれたのはゴルフ5草加店のクラフトマン大平博之さん。ゴルフ5では弾道計測器でフィッティングを行っているが、その際実際の試打記録をゴルフ5独自の「クラブ計測データバンクシステム」(以下、KDS)で集計したデータがあるという。

ゴルフ5草加店の大平博之クラフトマン(左)。深い知識を持つ腕利きフィッターとして活躍中だ。右はプロゴルファー・中村修
「12月7日にXXIO ELEVENが発売されましたが、それに先だって多くのお客さまが試打にいらしてくださいました。ゴルフ5では店舗で実際に試打していただいたデータをKDSに集約しています。今回、2016年人気モデル(3機種の平均値)と2017年人気モデル(3機種の平均値)、1世代前のXXIO10、XXIO10ミヤザキモデルと11代目のXXIOをデータで比較しました。更に店舗でもアンケートを緊急実施し、ニューモデルは本当に良いのか!?ということを徹底検証しました。」(大平さん)

ゴルフ5来店客の試打データ
来店客が実際に打ったデータを見ると、XXIO ELEVENの平均飛距離が213.5ヤードであるのに対して、XXIO10は207.5ヤード。つまりニューモデルのほうが平均で6ヤードも飛距離が伸びていることがわかる。
※来店客の実測データは、HS38.0~41.9m/sを対象としたもの
また2017年モデルを使っていた人の平均値が206.1ヤード、2016年以前のモデルを使っていた人の平均が204.8ヤードということは、この飛距離アップがゼクシオだけの進化ということではなく、ドライバー全般として最新モデルのほうが飛距離が伸びているということの証明でもある。
「実際、試打にいらっしゃるお客さまのほとんどが、新しいクラブを試したら飛距離が伸びたとよろこばれます」(大平さん)
緊急実施したアンケートでXXIO11代目とXXIO10代目を比較

前作のクラブと比べてもXXIO ELEVENやXXIO X-eks-が良いという声が多かった
「アンケート結果を見るとXXIO ELEVENは主に飛距離が出るという傾向から総合評価が高く、もともと評価の高いXXIOシリーズだけに『変わらない』と答えた人が多いのも特徴です。変わらない打感や見た目の構えやすさにプラスして飛距離が加わったという感想の方が多く見られました。さらに、XXIO X-eks-(エックス)の結果を見ると、新シリーズになったことで評価が分かれているが、飛距離、見た目の良さが評価され総合的には86%の人がXXIO X-eks-(エックス)の方が良いという結果になりました」(大平さん)
反発係数や慣性モーメントなどはルールで上限が規制されているなか、このようにアマチュアの飛距離が伸びるのはなぜなのだろうか。その理由をプロゴルファー・中村修は「やはりテクノロジーの進化のひと言に尽きる」と話す。
「多くのアマチュアゴルファーは、スウィングの効率が悪く、実際のヘッドスピードに対して十分な飛距離が出せていません。テクノロジーの進化によって、打ち出し角やバックスピン量を最適にしたり、ミスヒットしても球が曲がらず前に飛ぶようにできることで、飛距離アップにつながるんです」(中村)

打ち出し角やスピン量が最適化すれば、アマチュアは確実に飛距離が伸びる

フェースの反発の最大値が同じでも、反発エリアが広くなればミスヒットしても飛距離のロスは減る
「また、つかまりがアップすればスライサーでも曲がりが抑えられたりドロー系の弾道になって飛距離が伸びる。ヘッド内部の重心位置の最適化などによってこういった性能が年々アップしているんです。これはゼクシオに限らず、最新モデルのドライバー全般に言えることだと思います」(中村)

重心角が大きくなるなど、つかまりがよくなることも飛距離アップに大きく貢献する
また中村は、モデルの多様化や細分化なども、飛距離アップに貢献しているだろうと推測する。
「今回のデータを見ても『ゼクシオX-eks-(エックス)』の平均飛距離が220.0ヤードと、かなり飛んでいます。『ゼクシオX-eks-(エックス)』は、従来のゼクシオよりもちょっとハードめですから、このなかには、従来のゼクシオがジャストフィットしていなかったけれども、バリエーションとして『ゼクシオX-eks-(エックス)』という選択肢が増えた結果、ピッタリのクラブが見つかって飛距離が伸びた人もいると思います。
最近のドライバーは、シャフトのバリエーションなども含め、選択肢が増えるとともにモデルごとの役割分担が明確化してきているので、『自分に最適の1本』が見つかる可能性がアップしているんだと思います」(中村プロ)

モデルの細分化とそれぞれの役割の明確化も、アマチュアにとっては大きな恩恵がある
振りやすさがアップしている点も見逃せない
中村の指摘に加えて大平さんは、ヘッドだけでなくシャフトの進化やクラブ全体のバランスなどの向上も飛距離アップの大きなポイントになっているはずだと話す。
「シャフトの性能は明らかに進歩していますし、グリップエンドに『ウエイトプラス』を実装したXXIO ELEVENの『ウエイトプラステクノロジー』ように、振りやすさを高める機能も増えています。ニューモデルを試されてヘッドスピード自体が上がったというお客さまも多いですから、その辺も含めたクラブ全体の性能アップという点も見逃せないと思います」(大平さん)

どのクラブもオリジナルシャフトの性能が上がっており、初速やつかまり、打ち出し角のアップに貢献している

XXIO ELEVENとゼクシオX-eks-(エックス)の「ウエイトプラステクノロジー」のように、振りやすさの向上はヘッドスピードアップにつながる
ゴルフ5が取ったアンケートで回答者の声を細かく見てみると、ただ飛距離が伸びた、方向性がよくなったというだけでなく、打感や見た目なども「新しいクラブのほうがよかった」という意見が多い。
「これぞテクノロジーの進化の賜物ですね。たとえば高いつかまり性能をフックフェースを抑えて実現できたりとか、高い初速性能をよりよい打感で得られているということ。仮に性能が同じだったとしても、構えたフィーリングや打感の印象がいいほうが気持ちよく振り抜けるので、絶対に結果はよくなります」(中村プロ)
このように、近年のクラブの進化が著しく、それが飛距離アップに確実に貢献していることは、データからも証明された。1~2年前にドライバーを買い換えた人は、「これで数年は大丈夫」を満足しているかもしれないが、その予断を捨ててニュークラブを試打してみよう。驚くような結果が出るかもしれないぞ!
