米国選抜のW・シンプソン&P・リード対世界選抜の松山英樹&C・Tパン(台湾)組の‟リターンマッチ“が実現したプレジデンツカップ3日目。注目マッチのプレーを、現地で取材のゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎がレポート!

再び「松山&パン」VS「シンプソン&リード」。初日のリターンマッチに

米国選抜の主将・タイガー・ウッズが3日目は出場せず、世界選抜・松山英樹選手は午後のフォアサムのメンバーから外れるなど、日本のファンには少し残念な3日目となりましたが、最終日を占ううえでも大事な意味を持つ1戦はありました。

初日と同じフォアボール(各選手がボールを打ち、1ホールごとにペアで良いほうのスコアを採用)で米国選抜のウェブ・シンプソンとパトリック・リード組と、世界選抜の松山英樹と台湾のC.T.パン組のリターンマッチが実現。

これは単なる偶然ではなく、米国選別にとっては、世界選抜に傾いた流れを引き寄せる意味合いがあったと思います。というのも、このマッチの組み合わせは先に世界選抜がオーダーを発表し、その後に米国選抜がオーダーを組む順番だったからです。

世界選抜の布陣を見て、米国選抜のキャプテンであるタイガーは、あえて初日に1アップ差で敗れた松山&パンに対し、同じ2人を起用してきました。起用の意図に「やり返せ!」の意味合いがあったことは想像がつくところです。

リード&シンプソン組は2日目まで、未勝利。なかでもパトリック・リードは前週の「ヒーローワールドチャレンジ」でのバンカーショットでの「罰打騒動」に加え、ゴルフの内容的にもイマイチ。貢献度が高いとはいえず、主将であるタイガーもこのリードをいかに勢いづかせるかに腐心した起用と言えるのではないかと思います。

画像: 逆風にさらされる調子の上がらないパトリック・リードを鼓舞しようと米国ファンが‟リードの歌”を大合唱

逆風にさらされる調子の上がらないパトリック・リードを鼓舞しようと米国ファンが‟リードの歌”を大合唱

そんなタイガーの親心は米国選抜を応援する現地のファンにも波及し、この日はリードがティグラウンドに立つと世界選抜を応援するギャラリーのブーイングを上回るほどの大ボリュームで米国選抜のファンが「パトリック・リードの歌」を大合唱。

もともと勢いに乗れば手がつけられないほどのビッグスコアを稼ぐタイプだけに、この大会で、米国選抜が逆転勝利を収めるための‟キーマン“は良くも悪くもパトリック・リードなのではないかと感じました。

ただ、実際にはタイガーや米国ファンの思惑はハマらずに終わりました。逆に言えば、それをさせなかった世界選抜の松山&パン組の好調ぶりが際立っていたとも言えるでしょう。

松山選手の正確なショットはこの日も健在。序盤1、2ホール目を取った世界選抜が前半9ホールまでに3アップと大差を奪いましたが、松山選手の正確なショット以上にこの日はパン選手が見事な働きを見せます。とにかくパッティングが絶好調。前半でアップした4ホールのうち、3ホールで2バーディー・1イーグルを奪うなど、世界選抜が優勢に試合を進める流れを作りました。

画像: 世界選抜のエースとして、引き続き安定感あるプレーを披露した3日目の松山英樹

世界選抜のエースとして、引き続き安定感あるプレーを披露した3日目の松山英樹

後半は松山選手もきっちりとそんな流れに乗ります。13番パー4では、4アップとする5メートルのバーディパットを沈めると、続く14番、183ヤードのパー3では、あわやホールインワンのカップをかすめるスーパーショットを見せます。最後は15番でパン選手がバーディパットを沈めて5アップ。シンプソン&リード組を返り討ちにしました。

松山選手自身、自分がフィニッシュしてホールをとるのに成功したのが13番のみだったこともあり、試合後には「パッティングが思うように決まらず、苦しかったのをCT(パン選手)が助けてくれた」と振り返っていました。それでも「ショットはいい感じ」とゴルフ自体には引き続き、手応えを感じている様子でした。

午前の競技を終了し、世界選抜が引き続き米国選抜に「9-5」と4ポイント差をつけます。松山選手は、午後のフォアサムのメンバーから外れて休養となりましたが、この間、米国チームがじりじりと追い上げを見せ、結局「10-8」で米国選抜が2ポイント差にまで詰め寄り、最終日を迎えることになりました。

最終日はシングルスのマッチプレー方式。米国選抜は主将のタイガーが自らを1番手に指名し、米国選抜タイガー・ウッズ対メキシコのイブラヒム・アンサー(メキシコ)から。松山英樹選手は続く2番手でトニー・フィナウとのマッチアップ。最終日はスタートからまさに目が離せない1日となりそうです。

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