ツアーボールといえば高性能、ゆえに高価というのが定説。だが、そんな常識に一石を投じたのが、2018年11月に本間ゴルフが発売した「TW-X」だ。プロ・上級者が求める飛距離&スピン性能をクリアしながら、価格は1ダース3800円+税とあって多くのアマチュアからも高評価を得た。そしてこのほど、「TW-X」がリニューアルし、新たに「TW-S」も投入。コスパ最強という評価は本当なのか、コースとインドアのダブル試打でそのパフォーマンスをチェックした。

弾道と打感は違えど、どちらも飛距離性能は同等

コース試打の舞台はニュー南総ゴルフ倶楽部(千葉県)11番パー5。テスターはみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修だ。まずはドライバーショットから。使用クラブは「T//WORLD XP-1」を用意した。

ティイングエリアに立つと、風はほとんど感じない。飛距離性能に磨きをかけたという新しい「TW-X」で、次々に高弾道のナイスショットを重ねていく。

「打ち出しが高いですね。前作のTW-Xより柔らかさが増していますが、球自体は直進性の強さがあって、落ち際もねじれ(曲がり)が少ない。何球打っても飛距離も打感も同じで、品質の均一性の高さも感じます」

画像: 新「TW-X」は柔らかさが増して直進性も高くなったと中村

新「TW-X」は柔らかさが増して直進性も高くなったと中村

続いては、ソフトな打感を求めるゴルファーの声に応え開発された「TW-S」。

「TW-Xとは柔らかさが違います。より柔らかい分、弾かないでヘッドで押していける感じがあります。でも性能的にはTW-XとTW-Sは双子みたいなもの。数値の差はそんなになくて、どっちが飛ぶというのもあまりない。どちらも素直に自分が感じたイメージ通りの球が出ます。スピンがかかりすぎて吹けたり、曲がったりする心配もしなくていいですね。」

画像: TW-Xに比べてTW-Sはより打感がソフトだと中村はいう

TW-Xに比べてTW-Sはより打感がソフトだと中村はいう

続いて、比較のために他社製のツアーボール(ディスタンス系とスピン系)も打ってみる。

他社製ディスタンス系ボールはスピン量がかなり少ない。一発の飛距離がありますが、ある程度以上のヘッドスピードが求められると思います。TW-Xは、もう少し対象の幅が広い印象です。一方、他社製スピン系ボールのほうはTW-Sより“曲げやすい”ですね。スピン量が多いと思うので、スピンコントロールができる上級者、安定したインパクトができる人向けかなと感じます。」

TW-Xは高さで、TW-Sはスピンで止めるボール

続いて、残り150ヤード地点のフェアウェイに移動。飛び系アイアン「T//WORLD XP-1」で、風もややフォローなので9番を選択した中村は、TW-Xの1球目からグリーンをとらえる。打ち続けながら、「止まるーっ!」「高さはやっぱり出ますね」「何の不満もないです」と称賛の嵐だ。

次はTW-S。こちらもグリーンオンを連発し、飛距離差はあまり感じさせない。だが、やはり弾道に違いがあるという。

画像: ボールマークからの距離を見ても「止まるーっ!」というのがよくわかる

ボールマークからの距離を見ても「止まるーっ!」というのがよくわかる

「高さはスピンが入るぶんだけTW-Sのほうが出ていない感じかな。弾道が高いほうが好きな人はTW-Xが合うのでは?」

あえてグリーンオーバーを覚悟で7番でも打ってもらったが、傾向は変わらず。

「球の上がり方はTW-Xのほうが高いので、弾道を高くしたい人は絶対にTW-Xです。球の止まり具合はほとんど変わらないけど、TW-Xは高さで止める、TW-Sはスピンで止めるボール。飛び方の違いに特徴があるのはボール選びのうえで大事なんですよ」

ショートゲームではどちらも優れたスピン性能を発揮

次なる状況はグリーンまで85ヤード。中村には58度ウェッジのフルショットの距離だ。

「TW-Xはギューン! と止まりますね。これなら他のツアーボールと同じように、グリーン奥からスピンで戻すこともできる。あまりスピンが効いていない当たりでも止まるし、ほんとに他のツアーボールと何ら変わりない」

画像: 新TW-Xは他社のツアーボール同様の弾道やスピン性能を発揮していると中村

新TW-Xは他社のツアーボール同様の弾道やスピン性能を発揮していると中村

TW-Sは、ここにきて真価を発揮する。

「トン、ピタって止まる感じ。スピンがしっかりかかっています。感触が柔らかいのと高さが低いのは同じで、これは好みですね」

最後はピンまで18ヤードの花道からのアプローチ。

「TW-Xは出球がポーンと高く飛び出さず、ちゃんとフェースに食いついています。ファーストバウンドからスピンのかかりが良いですね。ボールにスピンがかかると信頼して、安心して突っ込んでいけます。TW-Sは打感が超柔らかく、弾道はやっぱり一段低い。こちらもスピンがかかりすぎて、前に行かないくらいです」

画像: TW-Sは「ピタッ」と止まりアプローチでもその性能を十分に発揮した

TW-Sは「ピタッ」と止まりアプローチでもその性能を十分に発揮した

最後に両ボールの印象をまとめてもらった。

「TW-X、TW-Sともにスピン性能は高く、スピンをかけたいときはかかってくれる。それでいて、前に行かせたい(ランを使いたい)ときは行ってくれるというように、非常に操作性が高いです。アプローチの引き出しをたくさん持っているトップアマや試合に出る人が使っても、要求に答えてくれる性能を持ち合わせたボールです。

ドライバーショットは高弾道だけどアプローチショットになると低くなるということがなく、どちらも常に弾道の傾向が一定しているのがいい。弾道を低くしたいならTW-Sというチョイスもあるでしょう。感触と弾道の違いがあっても、どちらも飛びもスピンも他社のツアーボールと何ら遜色はありません。価格の安さを考えると、コスパは最高です」

TW-Xは柔らかさが進化。TW-Sはさらにソフト

ニュー南総ゴルフ倶楽部から、インドアスタジオのヒルズゴルフアカデミー(東京都)に移動。ここからは同アカデミーの橋本真和プロも参加し、弾道測定器を使って詳細データを計測する。TW-X、TW-S共に初体験の橋本プロはドライバーを打ち終え、「このまま使えそう。いい感じです。今までの(1ダース)4000円ボールだと『そう(性能も価格なり)だよなあ……』という部分があったけど、これは安いボールには感じません」と高評価だ。

画像: 値段帯が同じの他のボールには感じなかった性能の高さに驚きを隠せない橋本プロ

値段帯が同じの他のボールには感じなかった性能の高さに驚きを隠せない橋本プロ

「感触が柔らかいですね。フェースに乗ってる時間が長く感じるので、コントロールできそうです。TW-Xはスピン量が安定していて、ハードヒッターもいけそう。とくにTW-Sはよりスピンが抑えられて、よりコントロールできる感じがします。何が違うのかほんとにわからないですね、他社のツアー系ボールと」(橋本)

A社、B社のツアーボールと比較してみると……

コースでの試打と同様に、ここで再び他社ツアーボールと比較してみる。今度は2社のボールと比較した。

橋本プロがA社のボールを打つと、スピン量、打出角は同等。なんと、飛距離はTW-Sがやや上回った。

一方、中村はA社スピン系のほうがスピン量が少なく、打出角も低い。トータル飛距離もTW-Sを超えた。

「ドライバーは明らかにスピンが少ない。弾道も低いですね。TW-Sよりもさらに食いついて、球の重さを感じます」(中村)

画像: 別のツアーボールとも比較したところ打感の違いに注目が集まった

別のツアーボールとも比較したところ打感の違いに注目が集まった

次に、A社のディスタンス系。橋本プロのデータは打出角がTW-Xより低く、飛距離はTW-Xに及ばなかった。

「間違いなくいいですけど、打った感触はTW-Xとそんなに変わらない。それに飛ぶんだったら安いほうがいいですよね」(橋本)

中村もデータはTW-Sの場合とほぼ一致したが、打感に違いを覚えたという。

「やっぱりちょっと硬いですね、スピン系に比べると。カチッとしてて、TW-Xとはまた別の硬さです。表面の硬さを感じます」(中村)

別メーカーのボールと比較してもその性能に遜色はなく、プロが使用できるボールだと二人は口を揃えた。

1球がランチ1食分とコーヒー1杯分、性能が同じなら選ぶべきは?

試打を終えた2人に、他社ツアーボールとの違いも踏まえた感想を聞いた。

「ヘッドスピード40メートル/秒くらいの人にとっては、ドライバーで打出角が14〜17度くらいないとキャリーが出ず、距離が伸びません。その点、TW-XもTW-Sもそこをクリアしています。計測データを見てもTW-Xは他社のツアーボールに比べて、多少ヘッドスピードを落としても弾道が高く出て飛距離もそれほど落ちてはいませんでした。

TW-Sは、打感はソフトなのに、飛距離的にはTW-Xとほぼ一緒。グリーンを狙うショットでのスピン性能も抜群です。TW-XもTW-Sも、スピン性能も曲がり幅も、他社のツアーボールと変わりません。ヘッドスピード40〜50メートル/秒まで使える、”アマ向けのプロ仕様”ボールといえますね。

それに価格が安いと、『もったいないからOBを打ちたくない』といった恐怖感なく打つことができるので、メンタル的にもメリットがあります。性能は同じで、かたや1球がランチ1食分、かたやコーヒー1杯分。この差は大きいでしょう」(橋本)

画像: 旧モデルや他社のツアーボールと打ち比べたところ“アマチュア向けのプロ仕様ボール”との評価に

旧モデルや他社のツアーボールと打ち比べたところ“アマチュア向けのプロ仕様ボール”との評価に

「ツアーボールは、フェースのどこに当たったのか感触がわかるのがメリット。この点はTW-XもTW-Sも備えています。

でも、ゴルフをする人はボール代金も気になるもの。ホンマは『D-1』がコスパ最高でアマチュアゴルファーに受け入れられましたが、TW-XもTW-Sも実際に測ってみると、他社のツアーボールに飛距離もスピンも曲がり幅も遜色ない。ボールをもっと自分でコントロールしたい中上級者にとって、同等の性能でこの金額はありがたいはずです」(中村)

今使っているボールの感触や飛び方、安心感に満足している人は、なかなか銘柄を変えられないのが普通。ただ、ボールは消耗品だし、高価だと使い込むのも難しい。そういう意味では、TW-X、TW-Sにチャレンジしてみる価値は十分にある。

他社製品に引けを取らない性能ながら、価格はぐっとリーズナブル。憧れのツアーボールが、ここまで身近になった。

【ボールスペック】
《TW-X》
構造 3ピースコア 高初速NCコア
レイヤー 新高反発IOTHレイヤー
カバー スピンウレタンカバー
ディンプル 326
カラー ホワイト/イエロー
税抜価格 950円+税(スリーブ)/3800円+税(ダース)
 
《TW-S》
構造 3ピース ウレタンカバー
コア S-fastコア
レイヤー 高反発IOソフトレイヤー
カバー スピンソフトウレタンカバー
ディンプル 326
カラー ホワイト/イエロー
税抜価格 950円+税(スリーブ)/3800円+税(ダース)

協力/ニュー南総ゴルフ倶楽部(アコーディア・ゴルフ)・ヒルズゴルフアカデミー

This article is a sponsored article by
''.