2020年のテーラーメイドの新作「SIM(シム)」の全貌が明らかになった。ダスティン・ジョンソン、ジョン・ラーム、マシュー・ウルフらをはじめ契約プロたちがこぞってスイッチした最新ドライバーの性能を、プロゴルファー・中村修と5人のアマチュアが試打検証した。

SIMはShape In Motionの略。エアロダイナミクスに注目した

例年通り、テーラーメイドの最新モデルが、セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズで契約プロたちによってお披露目された。これまでの「M」シリーズを終了し、新たに生まれたブランドは「SIM(シム)」。この名前は、“シェイプ・イン・モーション”の意味を持つという。

ドライバーは、「SIM」と「SIM MAX」の2機種。ともに460ccだが、「SIM」は同社おなじみのスライディングウェートが装着されたモデル。「SIM MAX」は、より寛容性が高くなったモデルだ。両モデルとも、一番に目を引くのは、ソール後方下部に設置された大きな「イナーシャジェネレーター」。昨年の「M6」にも似た形状だが、さらに後方に張り出している。

画像: ソール後方に張り出したウェートが「イナーシャジェネレーター」。これにより、慣性モーメントを最大化している

ソール後方に張り出したウェートが「イナーシャジェネレーター」。これにより、慣性モーメントを最大化している

この「イナーシャジェネレーター」は、エアロダイナミクスを取り入れ、ダウンスウィング中の空気の流れをスムーズにして、ヘッドの加速をサポートする機能を持っている。また重心位置が後方下部になり、高慣性モーメントと低重心を実現するという。

さらに、Mシリーズで搭載された曲がりを抑える「ツイストフェース」に、反発性能を限界ギリギリにキープする「スピードインジェクション」といった既存テクノロジーも踏襲。そこにさらに高い空力性能を加えたというモデルになっている。

新たな時代を思わせる、これまでにないヘッド形状

新ドライバーを見た中村は、まず形状が大きく変わったことに注目した。

「近年のテーラーメイドのドライバーは、ヘッド後方が低くなったシャローバックが大きな特徴でした。今回のSIMは、『イナーシャジェネレーター』が設置され、ヘッド後方にむしろ高さがある形状になりました。一方、フェースの厚みは、よりシャローになっています。ハイバックの良さを加えながら、ヘッド全体がシャローになった、これまでにない新たなヘッド形状です」(中村)

画像: 後ろが高いハイバック形状で、空気抵抗を感じず気持ちよく振りぬける「SIM」

後ろが高いハイバック形状で、空気抵抗を感じず気持ちよく振りぬける「SIM」

注目したいのはそのイナーシャジェネレーターが斜めに配置されていることだ。これは、実際にスウィングしたときに空気抵抗を受ける方向にあらかじめ向けておくことで、抵抗を抑え、より速いスピードで打つための工夫だという。こういう思い切った工夫ができるのはさすがテーラーメイドだ。

画像: SIM(左)、SIM MAX(右)ともに、クラブのロゴが入ったイナーシャジェネレーターは実際に空気抵抗を受ける方向=斜めに配されている

SIM(左)、SIM MAX(右)ともに、クラブのロゴが入ったイナーシャジェネレーターは実際に空気抵抗を受ける方向=斜めに配されている

さらに構えたときの形状もこれまでの同社のドライバーから、変化したという。

「構えたときの見た目が、これまでの『M』シリーズと違い、ヘッド後方のヒール部分がよりシャープになり、いわゆる洋ナシ型に近くなりました。このあたり、もしかしたらタイガー・ウッズのリクエストがあったのかもしれませんね」(中村)

ダウンスウィングでの加速を強く感じた!

まずは「SIM」から試打。シャフトは純正の「テンセイシルバー TM5」だ。アドレスした中村は、「形状は、M5に比べると座りもよく、ボールを上げてくれそうな印象です。ソールから見ると特徴のある『イナーシャジェネレーター』ですが、何の違和感もなく構えられますね」という。

そして、鋭く振り抜いたクラブから放たれたボールは、低スピンな中弾道で突き進み、中村も「これは飛ぶわ」と感嘆する弾道が飛び出した。

画像: 「インパクト前後ので振り抜きの良さは特筆モノ!」と中村

「インパクト前後ので振り抜きの良さは特筆モノ!」と中村

「打球が前に前に進んでいく、とても強い弾道になります。ダウンスウィングでは、インパクトに向かって加速感があり、抵抗を感じずに振り抜けます。M3とM4から好評だった『ツイストフェース』の曲がりにくさ、M5、M6から搭載された『スピードインジェクション』の反発の強さを残しつつ、さらに強いボールになる。これなら最大の飛距離が出せそうです」(中村)

大型ドライバーにありがちな振りにくさが軽減された!

続いて、「SIM MAX」の試打。シャフトは純正の「テンセイブルー TM5」。「SIM」に装着されている「テンセイシルバー」に比べると、同じフレックスでも軟らかい仕様だ。

「投影面積が大きいヘッドですが、ダウンスウィングでのヘッドの加速感を感じます。このあたりは新たにエアロダイナミクスを取り入れて、空力性能を向上させた点が大きいでしょう。大慣性モーメントのドライバーにありがちな振りにくさが解消されています」(中村)

画像: 構えやすい形状でボールをしっかりつかまえてくれる「SIM MAX」

構えやすい形状でボールをしっかりつかまえてくれる「SIM MAX」

460CCの大慣性モーメントのドライバーに振りにくさを感じるゴルファーは実は少なくない。イナーシャジェネレーターを斜めに配するなどの形状の工夫により空力性能を高めたSIMとSIM MAXは、その“振りにくさ”に対するテーラーメイドからの回答と呼ぶべきものだ。

中村は、そういった裏側の形状だけでなく、構えたときの「見た目」も秀逸だという。

「洋ナシ型風のスッキリした形状もとても構えやすいです。このようにトウ側のボリュームが強調されると、本来は出玉が右にいきがちになるのですが、その傾向がまったくなく、しっかりとボールをつかまえてくれます。打点のブレへの寛容性が非常に高く、打感も前作に比べて、ぐっと軟らかくなりました。ボールが上がりやすく、幅広い層に扱えるドライバーに仕上がっています」(中村)

アマチュアにも「SIM」の進化が感じられた!

新ドライバー「SIM」シリーズをひと足先に5人のアマチュアにも試打してもらい、感想を聞いてみた。果たしてアマチュアゴルファーにもその違いは感じられるのだろうか。

▪️須賀 京介さん(26歳、平均ヘッドスピード49m/s)

画像: ヘッドスピード49m/sの須賀さんにはハードヒッター向けのSIMが合っていたようだ

ヘッドスピード49m/sの須賀さんにはハードヒッター向けのSIMが合っていたようだ

「ボールが上がるのに、吹き上がらずに強い球で前に飛んでくれます。ダウンスウィングでの振り抜きが鋭くなったのが感じられ、戻るべき場所に戻ってくれる感じです。ヘッドスピードも速くなっています。振り切った感じがとても気持ち良いです」

▪️SHOTAさん(32歳、平均ヘッドスピード42m/s)

画像: M5ユーザーのSHOTAさんはSIMのつかまりを実感

M5ユーザーのSHOTAさんはSIMのつかまりを実感

「現在は、M5を使ってるんですが、ヘッドが走るし、弾きが強く、さらに飛んでいます。普段は割と右に行きがちなのですが、SIMはしっかりつかまって真っすぐ飛んでくれます」

▪️軒原創さん(30歳、平均ヘッドスピード38m/s)

画像: SIM MAXで左右のバラつきが少なくなったと軒原さん

SIM MAXで左右のバラつきが少なくなったと軒原さん

「私はSIM MAXが良かったです。普段はボールがバラつきがちなのですが、左右のばらつきが少なくなりました。構え心地がいいですね」

▪️岡田一郎さん(43歳、ヘッドスピード平均45m/s)

画像: 自分のクラブと比べて飛距離も出た岡田さん

自分のクラブと比べて飛距離も出た岡田さん

「ねじれずに真っすぐ飛んでいく、いい球になります。SIM MAXは、構えた感じに安心感があります。打感もいいですね」

▪️佐藤司さん(45歳、平均ヘッドスピード39m/s)

画像: SIM MAXで初速がアップした佐藤さん

SIM MAXで初速がアップした佐藤さん

「振り抜きがスッとフォローまで出る感じがあります。初速が出て、前にどーんと飛んでいく感じが気持ち良いですね。高い弾道で、吹けたかなと思うようなボールも前に飛んでいます」

3つのテクノロジーを合わせた相乗効果でさらなる飛びを期待出来る!

新たに誕生した「SIM」。中村は、前作との差を感じたという。

「昨年発売されたM5とM6は、プロ・アマ問わず、非常に人気の高かったドライバーです。しかし、M5は使いこなすには、ある程度のヘッドスピードが必要で、M6は大型ヘッドが苦手な人には持て余す感じがありました。しかし、SIMは、その点で大きく進化し、より幅広いゴルファーに使える様になりました。ボールもつかまり、振り抜きが良くなる結果、飛距離性能も向上しています」(中村)

画像: 新たに搭載されたイナーシャジェネレーターによりヘッドスピードが向上

新たに搭載されたイナーシャジェネレーターによりヘッドスピードが向上

その性能を、中村は「近年のテーラーメイドのドライバーの集大成」だという。

「新たに搭載された『イナーシャジェネレーター』によって、ヘッドスピードの向上と、高慣性モーメントによる寛容性と低深重心という相反する要素を実現。さらに、これまでも定評のある『ツイストフェース』で方向性を、『スピードインジェクション』でボール初速向上が可能になります。3つのテクノロジーの相乗効果で、大きく進化したドライバーになっていると感じました」(中村)

画像: 「SIM」は2020年を席巻するドライバーになるのだろうか

「SIM」は2020年を席巻するドライバーになるのだろうか

Mシリーズから大きく進化した「SIM」。世界のトッププロもすでに実戦投入しているのを見ても、2020年を席巻するドライバーになりそうだ。

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