キャロウェイからニューブランド「マーベリック(MAVRIK)」が発表された。一体どんなクラブなのか、その全貌をレポート!

マーベリックは「オフセンターヒットでも飛ぶ」のがウリ

「型破りな」という意味を持つというマーベリックという言葉。その名を冠したクラブはどのようなものなのか。まずはドライバーから見ていこう。

型破りという言葉をある意味で裏切るように、マーベリックはここ数年のキャロウェイのドライバー開発の集大成的な機能を持つドライバーだと言えそうだ。

画像: キャロウェイの2020年モデル「マーベリック」(撮影/小林司)

キャロウェイの2020年モデル「マーベリック」(撮影/小林司)

フェース面の裏側に2本の柱を立てることでボール初速を上げる「ジェイルブレイクテクノロジー」を搭載し、2019年モデルであるエピックフラッシュで好評だった“AIフェース”もさらに進化させて搭載している(後述)。深・低重心化を促すカーボンクラウンも健在だ。

画像: ジェイルブレイクテクノロジーは健在(撮影/小林司)

ジェイルブレイクテクノロジーは健在(撮影/小林司)

では、前年モデルのエピックフラッシュ、そして前モデルにあたるローグとの違いはどこにあろうのだろうか?

ポイントは「やさしさ」だ。

ゴルフクラブにおける「やさしさ」という言葉の意味合いは、そもそもの当てやすさ、ダフリにくさといった意味から、つかまりやすさ、上がりやすさ、振りやすさなど非常に多岐にわたるが、マーベリックにおけるやさしさは、オフセンターヒット時の飛距離の落ち込みの少なさであるようだ。

エピックフラッシュの開発時、AIに課されたタスクは「ルールの範囲内で、十分な耐久性があり、ボール初速を最大化すること」だった。そして今回は「ルールの範囲内で、十分な耐久性があり、ボール初速を最大化すること」に加え「高初速エリアを拡大すること」などがAIのタスクとして新たに加わったのだという。

そもそもエピックフラッシュのさらに前モデルである「GBBエピック」の頃から、「キャロウェイのドライバーは、2本の柱の間で打たないと飛ばない」という都市伝説がまことしやかに囁かれていた。

オフセンターヒットすればある程度飛ばなくなるのは当たり前の話だが、“2本の柱が飛ぶ”という評判とのトレードオフのように“2本の柱を外すと飛ばない”という口コミも広がってしまっていた。2本の柱による飛び性能はそのままに、その噂を払拭すべく開発されたのが今回のオフセンターに強いAIフェースというわけだ。

それに伴い、フェース面自体の重量も約6グラム軽くなっている。前作ではフェース面に厚みがある=重いことから浅くなっていた重心が、フェース面を薄くすることでより最適な位置に配置できるようになったことも、やさしさに寄与しているようだ。

飛距離(高初速)を追求するエピックシリーズ、やさしさを追求したローグを経て、両者のいいとこ取り的性能を実現させたのがマーベリック、といった位置付けのようだ。

「マーベリック」「マーベリック サブゼロ」「マーベリック MAX」の3モデル 

さて、そんなマーベリックドライバーには3モデルがラインナップされている。「マーベリック」「マーベリックサブゼロ」「マーベリックMAX」だ。どれも“飛んで曲がらない”という開発コンセプトは同じだが、これがなかなかモデルによってかなり違う。

まずスタンダードな「マーベリック」だが、これは“空力”を意識したクラブ。クラウンをフラットにしてソールの丸いハイバック(後ろが高い)形状にすることで、空気のまとわりつきをなくして、振り抜きを良くしているという。

画像: マーベリックドライバー(撮影/小林司)

マーベリックドライバー(撮影/小林司)

余談だが、テーラーメイドのニューモデル「SIM」ドライバーも空力を意識した設計がされており、業界をリードする2大メーカーの最新ドライバーが両方とも空力に着目してきたのが面白い。

画像: マーベリックドライバーはハイバック形状(撮影/小林司)

マーベリックドライバーはハイバック形状(撮影/小林司)

ただ、空力性能を強く意識しているのはスタンダードモデルのみ。サブゼロは低重心化を図るためシャローバック形状。MAXは重心を深くするためこれまたシャローバック形状となっている。

「スター」に変わって「マーベリックMAX」が登場

さて、3モデルの中でもうひとつ注目したいのはマーベリックMAXだ。エピックやローグでは、スタンダード、サブゼロ、そしてスターというクラブが用意されていたが、スターはなくなった。スターはネックの調整機能を持たないモデルだったが、MAXの場合はネックの調整機能あり。つまり、マーベリックにはネックに調整機能のないモデルは存在しないことになる。

画像: マーベリックMAXドライバー(撮影/小林司)

マーベリックMAXドライバー(撮影/小林司)

見た目にも「ローグ」を思わせる投影面積大きめのやさしそうなヘッドで、実際につかまりが良く、慣性モーメントの値も大きいのだという。

また、マーベリックは打球音もAIを用いて最適化をはかっている。エピックフラッシュはガキン!
という打球音に好みが分かれる部分があったが、マーベリックは低めのいわゆる上級者好みの打球音となり、打感も柔らかく感じられるようになっている。

【マーベリック ドライバー】
ヘッド体積(cm3):460
ロフト角(度):9、10.5、12
クラブ長さ(インチ):45.75
ライ角(度):58
クラブ重量(g):約299(Sシャフト)
シャフト重量(g):約46(Sシャフト)

【マーベリック サブゼロ ドライバー】
ヘッド体積(cm3):450
ロフト角(度):9、10.5
クラブ長さ(インチ):45.75
ライ角(度):56
クラブ重量(g):約309(Sシャフト)
シャフト重量(g):約53(Sシャフト)

【マーベリック マックス ドライバー】
ヘッド体積(cm3):460
クラブ長さ(インチ):45.75
ロフト角(度):9。10.5
ライ角(度):59
クラブ重量(g):約290(Sシャフト)
シャフト重量(g):約45(Sシャフト)

マーベリックはフェアウェイウッドにもAIフェースを搭載

フェアウェイウッド(以下、FW)もドライバー同様3モデル。大きな特徴は、ドライバーのみならずフェアウェイウッドもフェース面をAIがデザインしているという点だろう。

画像: マーベリックFW、マーベリックサブゼロFW、マーベリックMAXFW(撮影/小林司)

マーベリックFW、マーベリックサブゼロFW、マーベリックMAXFW(撮影/小林司)

ジェイルブレイクテクノロジーも搭載されていることで、初速性能はドライバー並というのがウリ。また、マーベリックとマーベリックMAXはリーディングエッジが地面に近いデザインがされており、ボールが拾いやすいようだ。

また、サブゼロはソールの前方と後方にひとつずつ配置されたウェートを入れ替えることで打ち出し角度やスピン量などの調整が可能となっている。

【マーベリック フェアウェイウッド】
番手、ロフト角(度):#3(15)、#5(18)、#7(21)
ヘッド体積(cm3):174
クラブ長さ(インチ):43.25
ライ角(度):56
クラブ重量(g):約313(Sシャフト)
シャフト重量(g):約45(Sシャフト)
※ヘッド体積以下のスペックは#3のもの
価格:4万8000円+税〜

【マーベリック サブゼロ フェアウェイウッド】
番手、ロフト角(度):#3+(13.5)、#3(15)、#5(18)
ヘッド体積(cm3):169
クラブ長さ(インチ):43.25
ライ角(度):55
クラブ重量(g):約320(Sシャフト)
シャフト重量(g):約51(Sシャフト)
※ヘッド体積以下のスペックは#3のもの
価格:4万8000円+税〜

【マーベリックMAX フェアウェイウッド】
番手、ロフト角(度):#3(16)、#5(19)、#7(22)、#9(24)
ヘッド体積(cm3):197
クラブ長さ(インチ):43.25
ライ角(度):57
クラブ重量(g):約305(Sシャフト)
シャフト重量(g):約44(Sシャフト)
※ヘッド体積以下のスペックは#3のもの
価格:4万8000円+税

ユーティリティには「マーベリックプロ」が登場

ユーティリティも同じく3モデルだが、ドライバー、フェアウェイウッドとは異なり、「サブゼロ」がなく、代わりに「プロ」というモデルが存在する。マーベリック、マーベリックプロ、マーベリックMAXの3モデルだ。

画像: マーベリックUT、マーベリックMAXUT、マーベリックPROUT(撮影/小林司)

マーベリックUT、マーベリックMAXUT、マーベリックPROUT(撮影/小林司)

これもフェース設計はもちろんAI。これまたフェアウェイウッド同様、モデル別、番手別に異なる設計が施されている。

形状でいうと、マーベリックは3モデルのなかの中間的なサイズで、形状はどちらかというとアイアン寄りで、フェース面にはスコアラインが入っている。プロは小ぶりなフェアウェイウッド型。ライ角がフラットなことと重心設計により、つかまり過ぎない(左に生きにくい)クラブに仕上がっているようだ。最後のマックスは大型でアイアン的な形状が特徴。高慣性モーメントで、ボールが上がりやすいという。

【マーベリック ユーティリティ】
番手、ロフト角(度):3H(18)、4H(20)、5H(23)、6H(26)
ヘッド体積(cm3):122(4H)
クラブ長さ(インチ):40(4H)
ライ角(度):58.5
クラブ重量(g):約350(Sシャフト,5H)
シャフト重量(g):約52(Sシャフト,5H)
価格:4万3000円+税

【マーベリック プロ ユーティリティ】
番手、ロフト角(度):2H(18)、3H(20)、4H(23)
ヘッド体積(cm3):107(4H)
クラブ長さ(インチ):39.5(4H)
ライ角(度):58
クラブ重量(g):約385(MC80シャフト、4H)
シャフト重量(g):約79(MC80シャフト、4H)
価格:4万3000円+税

【マーベリックMAX ユーティリティ】
番手、ロフト角(度):4H(21)、5H(24)、6H(27)
ヘッド体積(cm3):133(4H)
クラブ長さ(インチ):40(4H)
ライ角(度):59
クラブ重量(g):約343(Sシャフト)
シャフト重量(g):約47(Sシャフト)
価格:4万3000円+税

アイアンも「マーベリック」「マーベリック プロ」「マーベリックMAX」の3モデル

最後にアイアンだが、こちらも3機種がある。すなわち、「マーベリック」「マーベリックMAX」「マーベリックプロ」だ。

画像: マーベリックアイアン、マーベリックMAXアイアン、マーベリックPROアイアン(撮影/小林司)

マーベリックアイアン、マーベリックMAXアイアン、マーベリックPROアイアン(撮影/小林司)

7番アイアンのロフトで比較すると、マーベリックは27度とかなりの飛び系。マーベリックMAXは30度、マーベリックプロは30.5度と、やや飛び系といったところ。

すべての番手にAIフェースが搭載され、ロングアイアン、ミドルアイアン、ショートアイアイんでそれぞれフェースデザインが変更されている。他の番手同様、フェースの初速性能が高いアイアンだ。

現状、日本の激飛び系アイアン市場ではヤマハのインプレスUD+2と同じ7番26度がスタンダード(あくまで激飛び系のなかで)となっているが、あえて1度寝かせている感がある。

MAXの30度も今どきのアマチュア向けアイアンとしては“寝ている部類”とも言えるから、これはその分の飛距離はフェース性能で出せるという自信の表れかもしれない。

【マーベリック アイアン】
番手、ロフト角(度):#5(21)、#6(24)、#7(27)、#8(31.5)、#9(36)、PW(41)、AW(46)、GW(51)、SW(56)
クラブ長さ(インチ):38.25(#5)
ライ角(度):61.25(#5)
クラブ重量(g):約359(#5、ディアマナ50)
シャフト重量(g):約49(#5、ディアマナ50)
価格:12万円+税(5本セット)

【マーベリック プロ アイアン】
番手、ロフト角(度):#4(21)、#5(23.5)、#6(26.5)、#7(30.5)、#8(34.5)、#9(38.5)、PW(43)
クラブ長さ(インチ):38(#5)
ライ角(度):61(#5)
クラブ重量(g):約415(#5、NSプロ モーダス3ツアー105)
シャフト重量(g):約106.5(#5、NSプロ モーダス3ツアー105)
価格:14万4000円+税(6本セット)

【マーベリックMAX アイアン】
番手、ロフト角(度):#5(23)、#6(26)、#7(30)、#8(34)、#9(38)、PW(43)、AW(48)、SW(54)
クラブ長さ(インチ):38.375(#5)
ライ角(度):61.25(#5)
クラブ重量(g):約350(#5、ディアマナ40)
シャフト重量(g):約43(#5)
価格:12万円+税(5本セット)

エピックフラッシュで話題となったAIの活用をさらに進め、やさしく飛ばせるクラブへと進化したというマーベリック。スタンダードとサブゼロ、プロシリーズは2月7日発売予定。マックスは4月上旬発売予定だ。

石川遼による「マーベリック」試打動画はこちら

マーベリック、マーベリック サブゼロ、マーベリックMAXの比較試打動画はこちら

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