ゴルフの醍醐味のひとつに、大自然の中で気の知れた仲間と楽しいひと時を過ごすというのがある。しかし、家族や友人、上司に誘われてゴルフを始めてもコースに出る前に「うまく打てないから」と挫折してしまう人が多いのもまた事実。ゴルファーを増やすにはどうしたらいい? 業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が考えた。

ゴルフを楽しむよりも「コースデビューは走り回ってツラかった」という人のほうが多い!?

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。みなさんは、コースデビューの日を覚えていらっしゃいますか。私は、父と一緒でえらく緊張していたのを覚えています。私は、ゴルフを始めてから3カ月ぐらいでコースデビューすることができ、個人的にはまぁまぁ早いほうなのかなと思っています。

みなさんはどのくらいでデビューされましたか? 練習場に通い出して、3カ月? 6カ月? 1年ぐらい練習してからなんて方もいらっしゃるんじゃないかなと思います。

なぜこんな話をするのかといいますと、ゴルフを始めたものの、練習場で上手くいかずコースデビューをしないままゴルフから遠ざかってしまう方が少なからずいらっしゃるそうです。そんな方々を増やさないためにも是非ゴルファーの方々にお願いを込めて提案したいことがあるのです。

ゴルフは非常に魅力がありハマり度の高いスポーツで、年齢を重ねても楽しめますが、楽しさを実感するのにやや時間がかかるのが難点だと私は考えています。その理由のひとつが、練習場とコースの環境の違いです。

画像: 広いコースで球を打つ! というだけでも非日常の爽快感が味わえる(撮影/岡沢裕行)

広いコースで球を打つ! というだけでも非日常の爽快感が味わえる(撮影/岡沢裕行)

ゴルフの魅力のひとつにコースでの美しい風景と開放感を味わえるという点があります。そんな非日常的な広大な広い緑の中で、ドライバーをぶっ放すのはたとえようのない快感がありますよね! さすがにドライバーを気持ち良く打つには、ある程度練習が必要ですが、コースでの開放感や美しい風景は腕前関係なくコースに行きさえすれば、味わうことができます。

また芝の上からボールを打つという行為は日本の場合、ほぼコースでないと体感することができません。練習場のマットでの練習は非常に大事ですが、芝の上から打つことに慣れるというのも上達には非常に重要なことだと思います。

そこでお願いしたいのがみなさんの周りでゴルフ歴の浅い方がいたら積極的にコースに誘ってあげて欲しいのです。現在の日本では、ある程度コースを回れる程度のスキルがない状態でコースに出るとスロープレーなど周りに迷惑が掛かると考える方が多いです。実際にその通りなのですが、それは18ホールがっつりプレーすることが前提になっている考え方です。

遅れていないときはプレーをし、もし前に進まない状況になって遅れるようだったらボールを拾い上げ、また余裕ができたらプレーを再開するくらいの柔軟さがあって良いと思うのです。無理に全部プレーしようとするからツラくなるわけですし、全ホールプレーしなければならない理由はありません。

以前私はこのコラムで初心者を含めてスクランブル方式でプレーすると良いという提案をしました。スクランブルとは、プレーヤー全員が打ったボールのベストなボールを選び、それ以外の方のボールは拾い上げて、選択したボールの地点からまた全員で打つ、を繰り返すルールです。これなら毎回みんなと同じ数を打つことができますし、ミスを怖がる必要がありません。

拾い上げて何ホールかプレーしなかったからと言ってプレー代金が安くなる訳じゃありませんが、18ホールボロボロになって走り回り、嫌な思い出だけで帰るよりも周りの人の流れに合わせつつ、自分のペースで芝の上から練習する。遅れそうなら拾い上げて、ほかの方のプレーを見る。それぐらいの余裕を持った流れでコースに出たほうが「上手くなったら楽しいだろうなぁ、もっと上手くなりたい!」と強く感じてもらえるんじゃないかなと思っています。

これは初心者だけのグループだと成り立たないことなので、簡単にはできないと思います。ある程度ゴルフの熟練者が最低でも組に1人はいないとダメです。できたらキャディさんもついてもらいたいところ。ゴルファーの人口が減少しつつある現在、こういった小さな取り組みからやっていくことがゴルフの楽しさを広めるためにも重要かなと思っていますが、みなさんはどう思われますか?

This article is a sponsored article by
''.