新TOUR B XSの初速マジックにタイガーも早くもぞっこん!
タイガー・ウッズのマスターズ復活優勝もあり、人気爆発のツアーボール「ツアーB X/XS」がさらなる進化を遂げた。ブリヂストンの開発チームは、2009年からアプローチのコントロール性能を高めるため、出球の勢いを殺す、つまりボール初速を下げる方法に着手。
10年の時を経て、ウレタンに衝撃吸収材を配合した次世代「リアクティブ・ウレタンカバー」の開発に成功、アプローチでの“低初速”を可能にした。ボール開発に詳しいミスターBも興味津々。
「アプローチで“低初速×高スピン”にしてコントロール性を高める考え方はユニーク。しっかり振っても飛ばずに、スピンが増えるわけです。ドライバーで“高初速×低スピン”の飛距離アップを目指す流れからすると、両立は難しい。それを実現できたのはすごいですよ」(ミスターB)
衝撃吸収材配合、というと飛距離性能は落ちそうだが、新しい「ツアーB X/XS」は飛距離もアップした。それは、タイガーを始め、契約プロがこぞって移行していることが証明している。
ツアーB Xを使用するマット・クーチャーは1月のSMBCシンガポールオープンで使用し優勝。
「今回の新ボールは、みんなが欲しいと思っているドライバーでの飛距離性能とチップショットでのコントロール性能の両立が実現できていることに本当に驚いています」(マット・クーチャー)
同じくツアーB Xを使用する、ツアー2勝目を目指す原英莉花もアプローチでの違いを実感。
「ドライバーで飛距離が確実に伸びています。少し弾道が高くなったけど風に強くて曲がらない。アプローチではゆっくり球が出てコントロールしやすいんです!」(原)
その飛距離性能とアプローチ性能がプロゴルファーに認められているのは間違いなさそうだ。
新TOUR B X/XSはどうして初速コントロールを実現できたのか
では、新TOUR B X/XSはどうして初速コントロールを実現できたのかをボール開発チームに聞いた。そこには3つの進化があったという。
ひとつ目は「“構造”の進化」。
「製造工程で水を加えることで、表面から中心への硬度を大きく変えられる“ハイドロコア”を採用しています。ロングショットでは中心がつぶれて低スピンに。今回カバーの反発を落としたことで逆にコアの外側と中間層の反発を上げて飛距離を伸ばすことができました」(構造担当:木村明 氏)
2つ目は「“カバー”の進化」。
「ウレタンは軟らかくすると、低速領域では反発自体は上がってしまいます。衝撃吸収材を配合することで、打感やスピン量を変えずに初速を下げられました。前作と同じ距離を打つにはより強く振るため、結果的にスピンも増えやすいんです」(カバー担当:望月雄宣 氏)
そして最後は「“ディンプル”の進化」。
「パターンを変えず、大きさを変えて、表面の占有率をアップさせました。占有率を高めることで、吹き上がりを抑えられ、弾道の安定性が高まります。また、前作と同様の2重形状を浅くなだらかな形に変更しました。高速領域での吹き上がりを抑え、低速領域では揚力を保つ性能の堅持しています」(ディンプル担当:桒原壮暢 氏)
TOUR B Xユーザーのプロも太鼓判! 前モデルと打ち比べをして分かったこと
続いて、クラブ開発の監修なども手掛け、ギアへの造詣が深い福永和宏プロにさまざまなシーンを想定して前モデルと比べながら試打してもらった。
まずはドライバーショットと7番アイアンによるパー3のティショット。
「ドライバーショットですが、TOUR B XSは前モデルより弾いて前へ前へ飛びます。でもTOUR B Xはそれよりもさらに前へ行こうとする。スピンが少ないですね。打感は両方とも新TOUR B X/XSボールのほうがソフトに感じます。パー3ですが、TOUR B XSは横の曲がりが小さく感じました。風に強くなったのだと思います。アイアンでも前作よりも前へ行く感じがありますね。TOUR B Xは前モデルより明らかに柔らかく、操作しやすくなりました」(福永プロ)
続いては100ヤードショットと50ヤードのアプローチだ。
「まずは100ヤードショットですが、この領域はTOUR B XとTOUR B XSの差が出ますね。TOUR B XSのほうがくっついている時間が長く感じます。高さを抑えて運ぶ感じが出ます。Xはヘッドスピードが速い人のほうが操れると思います。50ヤードのアプローチですが、TOUR B XSは一層スピンがかかる感じでしっかりと打てます。TOUR B Xも新モデルのほうがスピンが効くので自信を持って突っ込めるようになります」(福永プロ)
続いては15ヤード。ここではピッチエンドランとロブショットを試してもらった。
「ピッチエンドランですが、TOUR B XSは新モデルのほうがフェースに乗るし若干柔らかい球になるかな。TOUR B Xも新しいほうが圧倒的にスピンはほどけない。フェースに乗っている時間が長くなり、球離れが遅いです。ロブショットをすると、TOUR B XSはほぼ前モデルと変わらないイメージです。TOUR B Xは前モデルが初速の速いロブを打ちやすいのに対し、新モデルはゆっくりかつスピンのかかったロブショットが打てます。進化を感じますね」(福永プロ)
最後は左足下がりのグリーン奥と5メートルのパッティングだ。
「元々TOUR B XSは“死に球”を打ちやすかったけど、今回TOUR B Xでも打てるようになったという感想です。左足下がりのグリーン奥に来るのはミスをした場合だろうけど、球足を殺せればパーをもぎ取るチャンスが増えますね。最後パッティングですが、2モデルとも新しいほうが柔らかいです。グリーンで初速が遅いと扱いやすい。インパクトでゆるまず打てるので安定します。コントロール性能が高くなっているように感じました」(福永プロ)
8つのシーンで試してもらったが、どの場面でも高評価を獲得した新TOUR B X/XS。プロも認める性能の高さは「魔法のツアーボール」と言っても過言ではなさそうだ。
アマチュアゴルファーのみなさんも、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか?