タイトリストのマスタークラフトマン、ボブ・ボーケイ氏が満を持して世に送り出した新作ウェッジ「SM8」。6タイプの豊富なソールバリエーションを、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修がグリーン周りでとことんテストした。

安定したアプローチを求めるなら「Fグラインド」「Sグラインド」

“すべてのゴルファーにより良いウェッジショットを”との信念に基づき、常にウェッジを進化させてきたボブ・ボーケイ氏。今回誕生した「SM8」は、「Fグラインド」「Mグラインド」「Sグラインド」「Dグラインド」「Lグラインド」「Kグラインド」の6タイプのソールバリエーションを展開する。自分にはどのタイプが合うのかわからないという人のために、それぞれのクラブの特徴や性能を紹介しよう。

画像: 基本グラインドの「Fグラインド」と万能タイプの「Sグラインド」

基本グラインドの「Fグラインド」と万能タイプの「Sグラインド」

ヘッドの入り方や球の飛び方がバラつきがちなアマチュアが、ウェッジのバウンスを生かして安定したアプローチを打つには、「Fグラインド」や「Sグラインド」が選択肢に入るだろう。

「単品ウェッジデビュー」なら、SM8の“Fグラインド”“Kグラインド”を選べば間違いない

とりわけ、6タイプの中で最もオーソドックスなソールデザインが、「Fグラインド」だ。ソールのどこかが大きく削られているわけではないから、芝の上で打つと“バウンスの効き”を十分に感じながら、つかまった前へ行く球でピンへ寄せていける。

「バウンスがしっかりとついていて、膨らみの頂点がソールの後ろ側(バックフェース側)にあります。接地したときにそのバウンスが頑張るので、鋭角に打ち込んでもソールが地面に深く入り込まないし、ボールの下を抜けすぎて“ポッコン球”になることもありません。距離感が一定するんです。これなら薄い芝でもダフリにくいし、ピンが奥でも突っ込んでいける。アマチュアの皆さんは、ウェッジのバウンスを使って打つことを覚えられる『Fグラインド』を、まずは試して欲しいですね」(以下、中村)

画像: バウンス効果を最大限に発揮するソール形状

バウンス効果を最大限に発揮するソール形状

さらにこう続ける。「バウンスが大きくなるほど、ソールが接地したときにロフトが起きよう(立とう)と作用します。ロフトが立ちながらボールを捉えることで、球を押し込むことができ、スピンがしっかりかかる。試打クラブは56度ですが、ピンが手前にあっても、球を低めに出してスピンをかけたり、手前からコロがしたりして寄せられますね」

こいつはラクだ!幅広ソールでオートマチックに打てる「Kグラインド」

画像1: バンカーや厳しいラフで性能を発揮する「Kグラインド」

バンカーや厳しいラフで性能を発揮する「Kグラインド」

一見するとカンタンそうだけど、芝がまだ薄いこの時期の花道は、“チャックリ”をしやすいデンジャラスゾーンだ。このような、アマチュアがミスしやすいタイトなライでもダフリを回避して、オートマチックにやわらかい球を打てるタイプが「Kグラインド」。

「ソールの幅が広くて前後左右にラウンドしているので、ヘッドが手前に落ちても地面を横滑りしてボールにコンタクトできます。素振りをすると明らかにソールが滑っているのがわかるので、ソールが芝をサッと擦る感覚のまま打てばOK。ダフリ気味に入っても、“ザックリ”のミスにならないし、球をロフトなりに上げてくれます。このように、ソールが芝の上を滑ることでインパクトロフトが安定するので、球の高さとスピン量が一定になる=距離感がそろうということです」

画像2: バンカーや厳しいラフで性能を発揮する「Kグラインド」

バンカーや厳しいラフで性能を発揮する「Kグラインド」

ヘッドを上から打ち込んでスピンをかけようとしたり、フェースを開いて球を上げようとする必要はナシ。ましてや、フェースの刃先をボールの下へクリーンに入れようなんて、シビアな感覚や技術もなくていい。スクェアに構えて真っすぐ引いて下ろせば、ヘッドの入り方がアバウトでもいつも同じような球が打てる“お助けソール”というわけだ。

画像: フェースを開かなくても高いバウンス効果を発揮

フェースを開かなくても高いバウンス効果を発揮

ワイド&ラウンドソールの「Kグラインド」は、バンカーでも絶大な威力を発揮した。フェースを開かなくても、ボールの手前にヘッドを「ドン」と落とすだけで、砂が前へ飛ぶ文句ナシのエクスプロージョンに! バンカーから球を打ち出した後の“砂の跡”を見ながら、中村はこう解説する。

画像: 砂が薄めに取れることがわかる

砂が薄めに取れることがわかる

「砂の取れ方が深くありません。ソールが潜らず滑っているから、砂が薄めに取れるのでしょう。しかも、ソールのトウからヒール幅よりも広い跡になっていることから、クラブが砂をワイドに爆発させているのがわかります。

この『Kグラインド』なら、ソールが砂に埋まって『球が飛ばなかった』なんてこともないし、アゴがあるバンカーでも、ピンまで距離があっても問題ありません。とにかく、バンカーショットが苦手で“砂地獄”になりたくない人には、このソールデザインがオススメです」

オートマチックさとミスカバー力を追求した「Kグラインド」は、グリーン周りのスペシャルなソールといえる。

バウンスを効かせつつ、フェースも開ける万能型「Sグラインド」

ほどよいバウンス効果がありつつ、ソール後方のトレーリングエッジを小さく削り落としてフェースを開くこともできるタイプが「Sグラインド」だ。

「このソールはフェースを開いても、リーディングエッジがあまり浮かなくて構えやすく、それでいてバウンスが効くので、ソールが地面に刺さるのを防いでくれるし、フェースを開いてもボールの下を抜け過ぎません。そのようにバウンスが適正に地面へ当たると、フェースが自然に返ろうとするので、球がつかまってスピンがかかりやすくなります」

画像: あらゆるコンディションに対応してくれる

あらゆるコンディションに対応してくれる

Sグラインドの最大の特徴は“万能型”である点だ。

「グリーン周りの状況やライコンディションを問わず、フェースを開いて球を上げたりスピンを入れることもできるし、スクェアなままピッチ&ランで距離感を合わせることもできる。やさしさと操作性を兼ね備えた、オールマイティなソールグラインドですね」

アプローチを自在に打ち分けるなら「Dグラインド」「Mグラインド」「Lグラインド」

画像: バウンス効果が最も少ない技巧派向け「Lグラインド」、多彩なショットを操りたい人向け「Mグラインド」、フルショットにも対応の「Dグラインド」

バウンス効果が最も少ない技巧派向け「Lグラインド」、多彩なショットを操りたい人向け「Mグラインド」、フルショットにも対応の「Dグラインド」

“フルオートマチック”な「Kグラインド」とは真逆で、フェースの開き具合をコントロールしながらテクニックを使ってアプローチを自在に打ち分けられる“マニュアル”なタイプが、「Dグラインド」、「Mグラインド」、「Lグラインド」の3タイプ。どれもソール後方のトウからヒールにかけて大きく削り落としてある、プロが好んで使う“ツアーグラインド”だ。

「3タイプの中で、ツアーでも定番となっているソールが『Mグラインド』です。芝の上でフェースを開いて構えてもリーディングエッジが浮かないので、ボールの赤道より下にエッジを入れやすい。薄芝や硬い地面など悪条件のライでも、ソールが弾かれずボールだけを拾えるし、スピンがしっかりと入ります。しかも、フェースを開くことでソール後方のバウンスがやや効いてくるので、上から鋭角に入ってもソールが地面に潜り過ぎません」

画像: 多彩なショットを操りたい人向け「Mグラインド」

多彩なショットを操りたい人向け「Mグラインド」

この「Mグラインド」のソール形状を基準に、ソールのセンターバウンスが大きくてやさしさも備える「Dグラインド」と、バウンス効果が少ないテクニカルな「Lグラインド」に分かれる。

「『Dグラインド』はフェースを開きやすい上に、バウンスが十分に効いている手ごたえがあります。前述した、ロフト56度の『Fグラインド』と同じくらい大きなバウンス効果が感じられるので、もう少し寝たロフトが欲しければ58度や60度の『Dグラインド』を選ぶと良いでしょう。薄芝でもソールが刺さりづらいし、バウンスをぶつけて球を低めに出してスピンをかけたり、転がしを使って奥ピンへ突っ込んだりできます。それに加えてフルショットでは、ソールの真ん中についた大きなバウンスが効いて、球をしっかりと前へ飛ばせるんです」

画像: フルショットにも対応の「Dグラインド」

フルショットにも対応の「Dグラインド」

6タイプの中で最もバウンスが小さくて(4度)、テクニシャン向けという「Lグラインド」はどうなのか?

「トウ・ヒールが大きくカットされていて、バウンスが少ない。フェースをかなり開いてもソールが邪魔にならず、リーディングエッジがいっさい浮きません。とにかくソールがシャープに抜ける。どうしても球を上げなきゃならない状況で、フェースを思い切り開いてロブ系の球で止めにいくワザが使えます。洋芝系のやわらかい芝にボールが沈んでいたり、ベアグラウンドみたいな硬いライでも、ボールをクリーンに拾ってやわらかい球を打ったり、スピンをかけたりしてピンを狙いにいけるでしょう」

画像: バウンス効果が最も少ない技巧派向け「Lグラインド」

バウンス効果が最も少ない技巧派向け「Lグラインド」

ピンチをチャンスに変える“一撃必殺のアプローチ”が打ちやすいソールデザインとも言える。ただしその反面、入射角がバラつくアマチュアが、見た目のカッコよさだけで手を出すと大ケガしちゃう危険性もある。それでもついつい手に取りたくなる“魔性のソール”がLグラインドだ。

進化し続けるボーケイウェッジ。「SM8」はアプローチの精度向上を約束する

今回の新作「SM8」は、ヘッドの重心と打点を一致させつつ、従来モデルと重心の高さは同じにしたまま浅くした。それによってどんな効果があるのか。中村はこう分析した。

「よりダイレクトで喰いつく打感となり、球を操作しやすくなったと感じます。インパクトでロフトが倒れようとする(寝ようとする)動きがなくて、ボールをつかまえながらぶ厚く押し込む手応えに。これはまさしく、ボーケイウェッジの進化ですね」

画像: 豊富なグラインドバリエーションから自分に合った1本を選ぶことができる

豊富なグラインドバリエーションから自分に合った1本を選ぶことができる

常にプレーヤーのニーズをフィードバックしながら進化を続けるボーケイウェッジ。グリーンの勾配や速さ、硬さ、ピンポジション、ライのコンディション、傾斜、ハザードの配置といった、グリーン周りのありとあらゆる状況下で、一人ひとりのゴルファーがベストなパフォーマンスを発揮するためにアップデートを続けている。だからこそ、自分の打ち方に合うソールグラインドが見つかるはずだし、アプローチの精度が高まることによってスコアアップにつながるのだろう。

撮影協力/石岡ゴルフ倶楽部(アコーディア・ゴルフ)

This article is a sponsored article by
''.