驚きのハイスピン性能。スピン系ツアーボール並の止まり方
テスターの中村がラウンド中に、まず驚いたのが「AVX」のハイスピン性能だ。80ヤードの距離からウェッジ(58度)でグリーンをめがけて打つと、狙ったエリアに球が落ちて、スピンがほどけずボールが芝をギュッと噛むように喰いついて急ブレーキがかかる。そのショットを弾道測定器「トラックマン」で計測すると、バックスピン量が軒並み1万rpm超えをマークした。

80ヤード付近、50~60ヤード付近からそれぞれ試し打ち
「ボールがフェースに吸いついて乗っかる時間が長いので、出球の高さが抑えられてスピンがしっかりかかるんです。打感がモチッと粘るようにやわらかくて心地いい。これが球離れの速いディスタンス系ボールだと、打音がカチカチしたり、思った以上に高く上がってスピンが入りきらず、前にバウンドして止まらないし距離をコントロールできません。この『AVX』は、プロV1と比較してもそん色ないフィーリングと止まり方をしています。いや、驚きました」(以下、中村)
「AVX」のスピンと打感が気に入った中村は、続けて50~60ヤードの距離からも打ってみたが、十分に満足いく止まり具合だったという。
「この距離はフルショットができなくてHSが落ちるぶん、スピンの入り方が一定しない“中途半端なアプローチ”です。それでも、私がいつも使っているボールと互角の性能。これならイメージ通りにピンを狙っていけますね」

ボールがしっかりフェースに吸いついた証拠に、打痕もしっかり残っている
【弾道データ(ウェッジ)】※5球の平均値で算出
ヘッドスピード:31.1m/s
ボール初速:32.8m/s
打ち出し角:28.4度
スピン量:10248rpm
キャリー:80.2ヤード
飛距離80.9ヤード
実はこの「AVX」、2017年にアメリカで初代モデルがローンチされていて、海外ではあの「プロV1」「プロV1x」と並ぶほどの人気ぶりという。その2代目が日本でもリリースされたというわけだ。
飛びとソフトフィールを求めるゴルファー向けに生まれたボールだが、タイトリストならではの薄いウレタンエラストマーカバーを用いて、ショートゲームの優れたスピンコントロール性能を備えている。

やわらかい打感でタッチや距離感が出しやすいと好感触
アプローチに続いて、グリーン上でパットをしたときのインプレッションを聞いた。
「インパクトの音が抑えられて、やわらかい手ごたえです。ボールを押していく感触があるので、タッチや距離感が出しやすい。パンと弾くことがないので、下りのパットでもヘッドをスムーズに前へ出せますね」
程よくたわんでフェースに喰いつく。ライナー系の弾道が飛び出した!
ショートゲームでは上々の結果が出たが、気になるのはやっぱり飛び。「スピンは利くけど飛ばない」だったら、意味はない。
そこで中村はドライバーを手に、アマチュアゴルファーを想定してヘッドスピードを42m/s前後でティショットに臨む。ところが残念なことに、そのホールのティイングエリアはあいにくのアゲンスト。結果やいかに……。

アゲンストの風に負けない、ライナー系の強い弾道が飛び出した
「いつもよりヘッドスピードを落として打っても、インパクトでボールが適度にツブれながらフェースに乗って、そこから弾くように反発する感触があります。だから初速が上がるし、スピン量が抑えられる。そうやってボールを押し込むように打てるので、球の高さが抑えられて前へ行くライナー系の弾道になります」
その飛び様を見ると、目線から外れないくらいの高さで球が打ち出されて、重く落ち着いた飛び方をしてから、ソフトランディングでゴロゴロとランを稼いだ。打つ前に心配していたような、アゲンストに煽られたり吹き上がったりして飛距離をロスするようなことはない。たとえばこれが、出だしからめっぽう高い“ビッグキャリー”だと、見栄えはしても風に弱かったり「行ってみると思いのほか飛んでいない」ということがありがちだ。

独自のディンプルデザインが、強く安定した中・低弾道を生み出す
「AVX」は、大きなコアと薄いカバーでディスタンス性能を求めながら、独自のディンプルデザインを施して強くブレない中・低弾道を生み出すように作られている。
「ヘッドスピードが速くない人が打っても、このボールは程よく潰れてフェースに喰いつくし、無風でもアゲンストでも飛ぶというアドバンテージがあります。“ただやわらかい”だけでも“ただ飛ぶ”だけでもない、飛びとフィーリングのイイとこ取りをしたボールですね」
【弾道データ(ドライバー)】※5球の平均値で算出
ヘッドスピード:42.8m/s
ボール初速:64.2m/s
打ち出し角:12.8度
スピン量:2047rpm
キャリー:222.6ヤード
飛距離:246.5ヤード
アイアンで、ボールをつかむように運べた!
ドライバーは飛ぶ、ウェッジではスピンがかかる。じゃあ、アイアンはどうなのか。フェアウェイから7Iでテストをした。
「さすがに『プロV1』に比べればスピン量はやや少ないにせよ、球がしっかり上がるし上から落ちるので、グリーンへダイレクトに着弾して止まります。打音の高さがセーブされて、メッチャやわらかい打ち味。『AVX』ならHSがそれほど速くなくても、インパクトで球持ちの良さを感じながら打てるでしょう。それと、スピン量が少ない分だけ飛距離が出る。これは、ほとんどのアマチュアゴルファーにとっては、むしろ有利に働くのではないでしょうか」

ヘッドスピードが速くないゴルファーでも、球持ちの強さを感じられる手ごたえが魅力
当たった瞬間にボールが離れるのではなく、フェースをローテーションする動きの中でボールをつかむように運べる。だからこそ、コスって弱い球になったり、右へすっぽ抜けるようなミスにならない。このことはドライバーなど他のクラブにも共通して言えることだという。
【弾道データ(アイアン)】※5球の平均値で算出
ヘッドスピード:35.7m/s
ボール初速:50.4m/s
打ち出し角:20.1度
スピン量:4922rpm
キャリー:162.1ヤード
飛距離:169.5ヤード
AVX、それはゴルファーのポテンシャルを最大限に引き出すボールだ!
ドライバーなど長いクラブはHSが速くなるので、ボールが程よくツブれてコアが反応し、初速が上がってスピンが抑えられる。ウェッジなど短いクラブはHSが遅くなるので、ボールのカバーが作用してスピンがかかり止まる。
「AVX」は、そこからさらに踏み込んだ。ボール作りの高度なテクノロジーとノウハウを強みとするタイトリストが「心地よいソフトな打感」をプラスして、そのことがボール全体のパフォーマンスUPにもつながっている。飛んで・止まって・軟らかい。そのすべてが高いレベルで満たされていることが、打つとわかる。

「ボールのやわらかさを感じながらキモチよく打てると、リキみが取れたナチュラルなスウィングになってくるもの。飛びとスピンに加えて軟らかさをもボールに求めるすべてのゴルファーに、自信を持って勧められるボールです」
「AVX」は、世界中のゴルファーが愛してやまないプロV1、プロV1xに肩を並べる性能を持ち、よりソフトフィーリングを実現したボール。飛んで・止まってというトータルパフォーマンスに優れていて、できるかぎり打感がソフトなボールでプレーしたいというゴルファーにもしあなたが該当するならば、迷わずAVXを選ぶべきだ!