徹底的に“接触”を防ぐための緊急措置
アメリカでは新型コロナウイルス感染拡大を受け各州規模で規制や自粛が決められているようですが、営業を続けているゴルフ場も多いようです。米国在住の私も最近ゴルフ場に数回通いましたが驚いたのは緊急処置として「カップインできない」ようになっていることです。
カップ自体が地面の上にあり、どうやら当たるスピードに関係なく、カップの部分に触れればカップインと同じようにカウントして良いというローカルルールだそうです。

旗竿を触らないように、特別ルールでカップがふさがれている。(写真はベスページ・ステートパーク公式ツイッターよりキャプチャ)
いろいろなSNSを調べてみたところ異なるバージョンがあるようですね。
・カップの中に泳ぐときの「浮き」を入れて、ボールが底まで入らないようにする。
・カップの中にプラスチックの輪を入れて、ボールが底まで入らないようにする。
・カップの上にスポンジ状の輪っかをつけて、これに当たればOKとする。
このローカルルールは、臨時的ではあるものの、公式なものです。
3月20日付で全米ゴルフ協会(USGA)はニュースリリースを表明。プロ競技やアマチュアの正式競技会用ではなく、ハンディキャップ用にスコアを提出するときのためにゴルフ規則を柔軟化。
「球の一部がホールの中のパッティンググリーン面より下にある場合、球全体がその面より下になかったとしても、その球はホールに入ったものとして扱われる」(JGAの『ゴルフ規則』より引用)とルールにはありますが、各委員会やコースがこの定義とは異なる処置をしたときでも臨時的にハンデキャップ採用のスコアとして認めるようです。
なぜこのようなローカルルールが必要かといえば、それは接触によるウイルスの感染を防ぐため。
私はウイルス専門家ではないので詳しい説明はできませんが、 金属やプラスチックからの感染が完全否定はできないために「自分の所持品以外には触らない」という規制になっているようです。また「ソーシャル ディスタンシング」として他の人との距離を1.8メートルとるようにと米政府は注意を呼びかけています。

(写真はツイッターよりキャプチャ)
また感染拡大を防ぐように営業を続ける各ゴルフ場では下記の様なルールやマナーのガイドラインの
改正が案内されています。
・旗竿はカップに差したままでプレーする
・バンカーならし用のレーキは使わない
・スコアカードのマーカー、アテスト署名を省く
・電動カートの使用不可、または使うのを許可する場所であれば1人1台
・プレー前後の挨拶としての握手やハグなどの接触も避けること
そのようなガイドラインのもと、2020年3月23日現在で営業している主なコースはPGAツアー「プレーヤーズ選手権」の開催地・フロリダ州の「TPCソーグラス スタジアムコース」(プレーフィ500ドル)に、ニューヨーク州にあるメジャー3度開催の市営コース「ベスページパーク ブラックコース」(プレーフィ市民65ドル、一般150ドル)、ノースカロライナ州にある過去全米オープン3回開催のパインハーストリゾート ナンバー2コースもホテル宿泊付きのパッケージを続行しています(390ドル)。
カリフォルニア州にある昨年の全米オープン開催コース、ペブルビーチゴルフリンクスや、市営のトレーパインズGCは現時点では営業停止しているようです。
※記事の内容は執筆時(3月23日)のものです