ストロンググリップで握り、体の回転力でボールをとらえる
世界ランクトップ5が揃い踏みしたPGAツアー再開初戦を見事制したダニエル・バーガー。その特徴的なスウィングを見ていきましょう。

3か月振りに再開したPGAツアー「チャールズシュワブチャレンジ」で優勝したダニエル・バーガー(2019年全米プロゴルフ選手権 写真/Getty Images)
画像Aの左、アドレスを見てみると、左手はナックルが3つ見えるストロンググリップ、右手はかぶせ気味に握り左足のつま先を開いたアドレスです。トップでは右腰を後ろに引くように回し肩のラインはとても深く捻転されています。トップでのフェースの向きは空を向くシャットフェース、飛距離302.6ヤードを生み出す柔軟性が高い深いバックスウィングが見て取れます。
画像A:左手はストロング、右手はかぶせて握るアドレス(左)から右腰を引くように回し、捻転の深いトップをつくる(写真は2018年WGCブリヂストン招待 写真/姉崎正)
後方からの画像B、左のトップで位置でシャフトの向きはターゲットよりも左を向き、手元は頭よりも高く遠くで左手の甲は左腕と一直線にフラットになっています。真似してみるとわかりますが、かなり柔軟性が必要です。シャフトがターゲットよりも左を向くことで切り返し直後にボールとクラブを結んだ斜めの線(プレーン)に乗っていますね。早い段階でプレーンに乗ることでナイスショットの確率は高まります。
そしてその斜めの線がかなりフラットになることが特徴です(画像B右)。もう一つ、右の画像を見るとトップで体から離れていた手元が、下半身の回転とともに体の正面に下りてくるのではなく、どちらかというと背中側に位置しています。ロリー・マキロイやセルヒオ・ガルシアなど体の回転力を多く使ってスウィングするタイプに見られる使い方です。

手元が体から遠くシャフトの向きはターゲットよりも左を向くトップ(左)、切り返しで下半身の回転を大きく使いから部とボール結んだ斜めの線がフラットになることが特徴的(写真は2018年ホンダクラシック)
画像C左では手元が低く浅い入射角で下りてきていることが見て取れます。腕をトップの位置に置き去りにして、下半身の回転を早い段階で大きく使いますのでストロンググリップにしてフェースを開かずに使うことが特徴です。
アダム・スコットやタイガー・ウッズのような、スクェアグリップでアップライトなタイプと比較すると対照的なスウィングといえるでしょう。腕やクラブを振って飛ばすというよりも下半身や体の回転で飛ばすという意識の人は、バーガーのスウィングが参考になるかもしれません。
バーガーの使用ドライバーはキャロウェイのマーベリック サブゼロ。ロースピンが特徴のクラブですが、入射角が浅いことでスピン量が安定するスウィングとは相性が抜群です。

手元が低く浅い入射角で下りてくる(左)、インパクトでは腰がターゲットを向くくらい大きく回転させている(写真は2018年ホンダクラシック)
世界ランクトップ5の出場で試合前から話題になっていましたが、世界ランクトップ107位の選手が優勝するところに米ツアーの層の厚さを感じさせられました。
惜しくも優勝を逃したコリン・モリカワ、体が二回りも大きくなって飛ばし屋に生まれ変わったブライソン・デシャンボー、クラブの契約を解除して出直すジャスティン・ローズなど、個性的なPGAツアーの面々がまた見られることが素直に嬉しかったですね。
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