2019年のレッスン・オブ・ザ・イヤー受賞した、ヤン・フー・クォンと吉田洋一郎が、自宅にいながら最新のゴルフ理論や練習方法を学んでもらおうと、「80を切るためのオンラインセミナー」というタイトルで、中上級者を目指すアマチュアに向けたセミナーを開催した。そこで語られた飛ばしの秘訣を紹介!

飛ばすための「3つのポイント」とは?

「驚異の反力打法」(編注:クォン教授と吉田洋一郎の共著)を読んでいただいている方ならご存じの通り、クォン教授はゴルフスウィング研究の第一人者です。

そんなクォン教授がCGやビデオ映像も使いながら、地面反力はもちろん、飛距離を出すためにどのように体を使って力を生み出すのかについてレクチャーを行いました。

クォン教授はスイング研究のために開発した「クォン3D」のCGを動かしながら、力の方向や大きさを可視化してくれました。普段は目に見えない力を、イメージとして目で見て理解することは大切です。視聴していた方々からも「本で読んだ内容を動画で見て、はっきりとイメージできるようになった」との声をいただきました。

今回クォン教授は飛距離を伸ばすために3つのポイントを紹介してくれました。まずは、セミナーの冒頭部分でその3点について説明している翻訳を以下にご紹介します。

画像: 2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞したヤン・フー・クォン教授と吉田洋一郎

2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞したヤン・フー・クォン教授と吉田洋一郎

「距離を伸ばすためには、何よりもまず理論的にスウィングスピードを上げなくてはいけません。もちろんボールを上手くシンプルにインパクトすることも大切ですが、まずは理論的なアプローチをしっかり取ることが重要です。

私は今回のセミナーを3つのエリアに分けたいと思います。1つ目は、地面を上手く捉えること・下半身をうまく使うことです。あなたがスウィングの時に、リズミックな動きでステップするなら、あなたは自然とスピードを上げることができ、結果的にショットの距離を伸ばすことができるでしょう。

そして、2つ目はアクティブなバックスウィングを意識する事です。 アクティブなバックスイングというのは単に腕を振るのではなく、背中全体を使った理想的なバックスウィングです。つまり、腕主導でのスウィングではなく、体幹主導のスイングを実践できれば、自然と地面を的確に捉えることが可能となり、飛距離アップの効果が期待出来ます。

3点目は手首又はクラブを遅れてリリースさせること(ディレイリリース)です。ディレイリリースの反対は、アーリーキャスティングと腕主導のダウンスウィングです。手首の角度を維持した上で、ボールをインパクト出来れば、合理的で速いスイングスピードを得ることができるでしょう。従って、体幹に対してクラブヘッドが先行する、またはキャスティングのようなモーションは避けなければいけないということです」

クォン教授が語る、飛ばしに欠かせないディレイリリース

今回のクォン教授が語っていた中で、特に皆さんに参考になると感じたのは「ディレイリリース」です。

クォン教授はディレイリリースをこのように語っています。

「ディレイリリースとは、クラブリリースのタイミングを遅くすることです。そのために、身体からクラブを遠ざけないことが大事になります。ディレイリリースを実践出来ている場合、クラブは常に身体と近い距離にあります。ダウンスイングの初期段階ではクラブを身体と近い位置にキープすることが重要です。ギリギリまで近くにキープして、ショットすることを心がけてください。」

画像: PGAツアー屈指の飛ばし屋キャメロン・チャンプもディレイリリースしている(写真は2019年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

PGAツアー屈指の飛ばし屋キャメロン・チャンプもディレイリリースしている(写真は2019年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

リリースを遅らせ、インパクトぎりぎりで開放することでクラブヘッドスピードが上がります。キャメロン・チャンプなどハードヒッターはタメが深く、ダウンスウィングで体に近いところにクラブがあります。このクラブと腕にできた角度をインパクト直前でリリースするため、軽く振っているように見えて飛距離を出すことができます。

このディレイリリースの対極にあるのが、早い段階でクラブをリリースするアーリーリリース。特にダウンスイング初期に起きるアーリーキャスティング(手先を使ってクラブヘッドから動き出す動き)が飛距離ロスの原因となっているといいます。

画像: オンラインセミナーでCGやビデオ映像を使いながら、飛距離を伸ばす方法について話していたクォン教授

オンラインセミナーでCGやビデオ映像を使いながら、飛距離を伸ばす方法について話していたクォン教授

「上半身主導のアーリーキャスティングの動きでクラブを下ろすことは避けないといけません。クラブをキャスティングしてしまうと、その時点で効率的なスイングスピードを体得する事は出来なくなります。ダウンスイングより先行してクラブが身体から離れ始めては、絶対に飛距離アップは見込めません。アーリーキャスティングや腕主導のスイングになると、クラブが身体から離れます。そうなってしまうと、どれだけ地面を上手く使えていても、どれだけ上手く身体を使えていてもスイングスピードの向上は難しくなります。このことをしっかり覚えていてください。」

このようなアーリーキャスティングを改善するために、手や腕などの上半身主導のダウンスイングを改善しながら、下半身を使うことを覚えていくといいでしょう。単純にダウンスイングで腕や手から下りないように、力を抜くことができればいいのですが、なかなか簡単に力が抜けるものではないでしょう。上半身を使わないように意識しても、他に動く場所がなければ手や腕を使ってクラブを動かざるを得ません。切り返しで腕や手のかわりに下半身を動かすことで、上半身に頼らないでダウンスイングをすることができます。

クォン教授が推奨している、太くて重量のあるロープを振るロープドリルやダウンスイングで左足を踏み込むステップスイングなどをおこなうことで、腕を使わずに下半身から動き出すダウンスイングの感覚が身に付きます。

とくにダウンスイングを左足から動き出すことで、運動連鎖の順番が適切になりディレイリリースをおこなうことができるようになります。飛距離を伸ばすために下半身を適切に使って地面反力を生むことが大事ですが、肝心のクラブにその力が伝わらないと飛距離は出ません。ディレイリリースを身につけて、効率よくクラブに力を伝えましょう。

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