再開したPGAツアー第2戦目「RBCヘリテージ」の初日が終わった。約3か月ぶりの復帰戦となる松山英樹は、首位と10打差の3オーバー134位とまさかの出遅れ。在米ゴルフアナリスト・アンディ和田が松山の初日のトラックマンデータとスタッツから、プレーを分析した。

アイアンの距離感が合わなかった

通常はマスターズの翌週に開催される「RBC ヘリテージ」の初日が終わりました。98日振りにツアー競技のラウンドとなった松山英樹は3つのバーディに対し4ボギー、1ダブルボギーと奮わず、初日は3オーバー「74」という結果でした。

ラウンドデータを紹介しますと下記のようになりました。

・フェアウェイキープ>14ホール中9回(64%)
・パーオン>18ホール中11回(61%)
・パット数 32パット>(3パット2回)
・サンドセーブ>1回トライ、セーブできず

基本的なラウンドデータでは、通常よりもパーオンが少なめで、パット数が多いというのは感じますが、それ以上の詳細が見えてきませんよね。これをラウンドレポーター的に解説分析すると、いつもの「松山らしさ」となるショットの切れ味が足りなかったのがわかります。

ではティショットの戦略からみてみます。

・ティショットのクラブ選択>ドライバー6回、フェアウェイウッド6回、アイアン2回(14ホール中)

PGAツアー開催コースの中では距離よりも的確なポジションを要求してくるハーバータウンGLは、ドライバーをブンブンと振り回せるホールは少ないです。2014年以来、6年振りの参戦となる松山はドライバーを使ったのは6回のみ。今週は初日がそうでしたが、南からの風が予報されています。強風にはならない予報なのでドライバー使用の数はあまり変わらないと予想します。3番ウッドでフェアウェイをとらえるだけでなく、右サイド、左サイドとピンポジに対しアングル良くポジショニングできるかが大事になってくるでしょう。

次にティショットの調子を見てみると、

・フェアウェイ外し:右ミス4回、左ミス1回
・パー5ホールでの2オン成功:1ホールのみ(5番)

大会初日一番やさしかった2番ホール(パー5)での右の林へミスをし、2オンを狙うことができませんでした。昨シーズンから左へのミスが減ってきていますが、ダブルボギーとなった16番はティショットが左へのミスでした。

画像: 「RBCヘリテージ」の初日に3オーバー134位と出遅れた松山英樹(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 写真/姉崎正)

「RBCヘリテージ」の初日に3オーバー134位と出遅れた松山英樹(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 写真/姉崎正)

続いてグリーンを狙ったショットの結果とパットのスタッツです。

・バーディチャンスの距離:5メートル以内3回、3メートル以内0回
・沈めたパット長さ上から3つ:4.5メートル(15番)、4.2メートル(13番)、90センチ(9番)
・外したパット長さ下から3:50センチ(16番)、1.7メートル(8番)、2.1メートル(1番)

オーバーパーのラウンドはどうしても光る良いデータは少ないです。松山にとって3月以降から時間が空き久々のツアー競技ラウンドでしたから明日以降どのように修正してくるかですが、上記の数値は松山らしくなく、アイアンでチャンスにつけることが少なかったのがわかります。

15番ホールでは松山が一番飛んでいた

さて、ここで一般非公開のトラックマンデータをご紹介します。松山は大会初日ダスティン・ジョンソン、ゲーリー・ウッドランドという「ぶっ飛び」軍団と一緒の組で回りました。15番のパー5のティショットでは松山が307ヤード、DJ 302ヤード、ウッドランドが296ヤードという結果。 前の組で回っていたデシャンボーは304ヤードですから4人の中では松山が一番の距離でした。

しかしトラックマンのデータを見ると下記の通りでヘッドスピードやボールの初速ではデシャンボー、ウッドランド、ジョンソン、松山の順になります。 スピン量の数値が出ていなかったので松山のティショットのスピン量は少なめでランが出たのではないかと推測します。

|松山英樹ジョンソンウッドランドデシャンボー
測定ホール15番15番15番15番
ヘッドスピード(m/s)51.552.952.956.6
スピン量(rpm)測定数値なし測定数値なし22012119
打ち出し角(度)10.110.010.413.0
ボール初速(m/s)77.979.2880.281.5
飛距離(ヤード)307302296304

続いて松山の大会初日10番、18番、そして参考として一年前となるメモリアルトーナメントでの最終日15番ホールのデータ比較です。

測定ホール10番18番メモリアル15番
ヘッドスピード(m/s)51.95252.2
スピン量(RPM)3574測定値なし2632
打出し角(度)10.17.210.7
ボール初速(m/s)78.078.778.1
飛距離(ヤード)314291292

松山のヘッドスピード数値は昨年とほとんど変わらず。 デシャンボーのようにツアー中断中に猛トレーニングをして急激にスピードがアップしたようではないですね。

初日は午後スタートで出遅れてしまいましたが、明日は午前スタート。 大会初日は午前69.78、午後70.58という平均ストロークでした。 明日の後半となるフロントナインでのバーディラッシュと、急上昇を期待しましょう。

画像: 飛ばし屋プロ・高島早百合がドライバーで驚きの飛距離を叩き出した!ゴルフ大好き芸人チームは食い下がれるか!? youtu.be

飛ばし屋プロ・高島早百合がドライバーで驚きの飛距離を叩き出した!ゴルフ大好き芸人チームは食い下がれるか!?

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.